建設業・工事業での外国人雇用|必要な就労ビザと取得条件を解説
外国人が日本で就労するには、業務内容に適した在留資格(ビザ)を取得する必要があります。
建設業・工事業で外国人を採用する場合、考えられる主な在留資格は以下のとおりです。
※ 法律上「工事業」は「建設業」に含まれますが、分かりやすさを優先し、本記事では「建設業・工事業」と表記しています。

📌【建設業・工事業での主な就労ビザ】
a)技術・人文知識・国際業務
b)特定活動46号
C)日本人の配偶者等や永住者などの身分系在留資格
d)特定技能・育成就労
e)その他、技能や資格外活動許可、特定活動(9号)など
各在留資格によって、就労可能な仕事内容や取得条件が異なります。以下、それぞれのビザの特徴について詳しく解説します。
a)技術・人文知識・国際業務
「技術・人文知識・国際業務」ビザは、外国人が日本でホワイトカラーの仕事に就く際に取得できる代表的な就労ビザです。
建設業・工事業においては、施工管理、設計、マーケティングなどの業務に従事する場合に取得可能です。特に、大学や日本の専門学校を卒業した外国人が、建設会社や工事業で関連する職種に就く際に適用されます。
📌技術・人文知識・国際業務の主な取得の条件
このビザを取得するためには、申請者の学歴・経歴と、就労予定の業務内容に関連性があることが求められます。 具体的には以下のようなケースが該当します。
- 施工管理・設計業務 → 建築学部・理工学部の建築学科などを卒業
- マーケティング業務 → 経営学部・商学部などを卒業
日本の専門学校を卒業した方も、学歴・経歴と業務内容に強い関連性があれば取得可能です。 ただし、「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」認定校などの一部の例外を除き、大学卒業者よりも厳格に審査される傾向があります。
また、学歴がない場合でも、10年以上の実務経験を証明できれば取得可能とされています。 しかし、実際には実務経験の証明が難しく、許可を得るのは非常に困難です。
✅技術・人文知識・国際業務のメリットとデメリット
【メリット】
- 特定技能や育成就労に比べ、申請時や雇用時のコストを抑えられる
- 特定技能や育成就労では、国内採用時でも初期費用が30~40万円、月々2~4万円の費用が発生するが、「技術・人文知識・国際業務」ビザではそれらの費用が不要
- 長期的な雇用が可能で、キャリアアップが期待できる
【デメリット】
- 現場作業を主な業務とすることはできない(このビザはホワイトカラー職種に限定されるため)
「技術・人文知識・国際業務」ビザは、建設業・工事業において、施工管理や設計、マーケティングといったホワイトカラーの業務を担当する外国人を採用する際に適した就労ビザです。 一方で、現場作業が中心の業務では取得できないため、職種に応じて適切なビザを選択することが重要です。
b)特定活動(46号)
次に紹介するのが 「特定活動(46号)」ビザ です。
特定活動ビザは、他の在留資格に当てはまらない場合に付与される「その他」のようなビザで、それぞれに番号が振られています。特定活動(46号) は、日本の大学を卒業し、高度な日本語能力を持つ外国人留学生が取得できる在留資格です。
特定活動(46号)でできる業務
このビザで従事できるのは、以下のような業務です。
- 「日本語を用いた円滑な意思疎通を要する業務」
- 「日本の大学・大学院で習得した広い知識、応用的な能力を活用する業務」
具体的には、建設現場や工場での外国人従業員への指示伝達、業務指導、品質管理、労務管理、製造ライン作業 などが含まれます。
ただし、単純作業のみを行うことは認められていません。製造ライン作業を行う場合でも、指示伝達や業務指導と並行して行う必要があります。
📌特定活動(46号)の主な取得条件
このビザを取得するには、以下の条件をすべて満たす必要があります。
- 短期大学を除く、日本の大学を卒業している または 大学院の課程を修了し、学位を取得している
- 日本人が従事する場合と同等額以上の報酬を受けること
- 日本語能力試験(JLPT)N1取得 または BJTビジネス日本語能力テストで480点以上
- 日本の大学・大学院で習得した広い知識および応用的能力を活用する業務に従事し、正社員または契約社員として勤務すること
✅特定活動(46号)のメリットとデメリット
【メリット】
- 「技術・人文知識・国際業務」ビザでは認められていない単純作業を、一定の範囲で行うことができる。
- 例えば、指示伝達や業務指導をしながら製造ライン作業を行うことが可能
【デメリット】
- 取得条件が非常に厳しいため、該当する外国人が少ない
特定活動(46号)は、外国人労働者の指示伝達や業務指導を含む業務に適したビザですが、取得条件が厳しく、対象者が限られる点に注意が必要です。
このビザの適用を検討する際は、候補者が条件を満たしているか慎重に確認し、適切な在留資格を選択することが重要です。
C)日本人の配偶者等や永住者などの身分系在留資格
「日本人の配偶者等」「永住者」「定住者」など、一定の身分に基づいて与えられる在留資格を「身分系在留資格」と呼びます。
この在留資格を持つ方は、就労ビザと異なり、就労制限がありません。 そのため、現場での作業から、事務所での経理・設計業務まで、自由に働くことができます。
✅身分系在留資格のメリットとデメリット
【メリット】
- 就労ビザとは異なり、仕事の内容に制限がない
- 新たに就労ビザを取得する必要がないため、雇用手続きが簡単
- 単純作業を含むあらゆる職種での雇用が可能
そのため、外国人を採用する際は、「日本人の配偶者等」や「永住者」などの身分系在留資格を持つ方を採用するのが最も手続きが簡単です。
【デメリット】
- 在留資格は「身分」に基づいているため、その身分を失うと資格も失われる
- 例えば、「日本人の配偶者等」の在留資格を持つ方が離婚すると、在留資格を喪失する可能性がある
- 会社の事情ではなく、個人の事情で在留資格が失われるリスクがある
身分系在留資格は、就労の自由度が高く、雇用手続きも簡単ですが、身分の変化によって在留資格を失うリスクがあるため、長期雇用を前提とする場合は注意が必要です
d)特定技能・育成就労(旧技能実習)
「特定技能」制度 は、国内で人材確保が困難な産業分野において、一定の専門性・技能を持つ外国人を受け入れるための制度です。現在、16の対象産業分野があり、その中に建設業も含まれています。
特定技能には1号と2号があり、取得には以下の条件を満たす必要があります。
- 特定技能評価試験に合格すること(業務に関する知識・技能の証明)
- 日本語能力試験(JLPT)N4以上を取得すること(日常会話レベルの日本語力)
「育成就労制度(旧技能実習)」とは?
一方、「育成就労制度」(旧技能実習制度)は、日本の発展のための人材育成と人材確保を目的とした新制度で、2024年現在、近い将来に導入予定です。
この制度では、外国人材を3年間の育成期間を経て、特定技能1号の水準に達することを目標としています。 つまり、「特定技能」を取得する前の準備段階として位置付けられます。
✅「特定技能・育成就労」ビザのメリットとデメリット
【メリット】
- 現場作業が可能(「技術・人文知識・国際業務」や「特定活動(46号)」のような業務内容の制限がない)
【デメリット】
- ビザの取得手続きが複雑で、申請時や雇用時に高額なコストがかかる
- 雇用企業にも厳しい条件があり、「外国人受け入れ体制の整備」が必須
- この要件を満たせない企業が多いため、通常は「受け入れ支援機関」に支援業務を委託する必要がある
- 支援機関への委託費用がかかる(採用時に30~40万円、月々2~4万円)
「特定技能」ビザは、建設業などの現場作業に適した在留資格ですが、取得手続きやコストの負担が大きい点に注意が必要です。 さらに、新たに導入予定の「育成就労制度」は、特定技能の前段階として、より多くの外国人材を受け入れる仕組みとなる見込みです。
外国人労働者を雇用する際は、コストや手続きを十分に理解し、最適な在留資格を選択することが重要です。
e)その他、技能や特定活動(9号)、資格外活動許可など
上記のほか、以下のケースに該当する場合は、特定の在留資格を取得することで就労が可能となります。
- 「技能」ビザ → 海外様式の建築物の建設・施工・組立を職務内容とする場合
- 「特定活動(9号)」ビザ → 外国の大学の学生がインターンシップとして就労する場合
⚠️アルバイトとしての就労について
「家族滞在」や「留学」ビザを持つ方も、資格外活動許可を取得すればアルバイトが可能です。
ただし、以下の制限があるため注意が必要です。
- 週28時間以内の労働制限がある
- 週のどのタイミングで区切っても28時間を超えてはいけない(厳格な計算方式)
この28時間の制限を超えて労働してしまうと、在留資格の更新が認められない可能性が高くなるため、十分に注意してください。
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建設業・工事業で外国人を雇用するには、適切な就労ビザの取得や法律に基づいた手続きが必要です。また、ビザの審査基準は年々厳格化されており、最新の要件を満たさなければ不許可となるリスクもあります。
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