高度専門職ビザのポイント計算と疎明資料|申請成功のためのポイントを解説
日本で専門的な職務に就く外国人の方にとって、高度専門職ビザは大きなメリットを持つ在留資格です。在留期間の優遇、家族の帯同、永住申請の早期化など、その制度は日本政府が高度人材を積極的に受け入れるために設計されたものです。

このビザを取得するためには、ポイント制による審査が重要なカギとなります。ポイントをどのように計算し、何を根拠資料として提出すればよいのか――その基本から詳しく解説していきます。まずは、制度の概要を押さえましょう。
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高度専門職ビザのポイント制とは?
高度専門職ビザ(1号イ・ロ・ハ)は、日本で活動する優秀な外国人材を対象とした制度で、学歴・年収・職歴・資格などの項目を点数化し、合計70点以上を獲得することで申請資格が得られます。
この「ポイント制」は、申請者の専門性や将来性を評価する仕組みであり、既定のポイントを取得している方には通常の就労ビザよりも多くの優遇措置(最長5年の在留期間付与、家族の帯同の緩和、永住申請の早期化など)が用意されています。
申請時には、単に自己申告するだけでは不十分で、各ポイント項目を証明するための「疎明資料(裏付け書類)」の提出が必須です。
審査では、この資料の内容と正確性が非常に重視されるため、的確な書類準備がビザ取得の鍵を握ります。
疎明資料とは?提出の考え方
疎明資料とは、高度専門職ビザのポイント計算で申告した内容を裏付けるための証拠書類です。たとえば、学歴でポイントを申請する場合は卒業証明書、年収でポイントを得る場合は雇用契約書(永住審査の場合には収入見込み証明書や源泉徴収票など)が該当します。
なお、全ての項目について書類を出す必要はありません。ポイントの合計が70点を超えていれば、申請は可能です。ただし、申請内容に応じた裏付け資料を正確にそろえることで、審査がスムーズになりやすくなります。
項目ごとに求められる書類は明確に決まっていることが多いため、書類の「過不足」や「誤記入」があると、審査遅延の原因になります。確実な資料準備は、ビザ取得の成否を左右するといっても過言ではありません。
📄各ポイント項目に必要な疎明資料(1号イの主な例)
高度専門職ビザの申請では、ポイント算出の根拠となる各項目に応じて、証明書類(疎明資料)を添付する必要があります。ここでは、1号イ(学術研究や教育分野など)に該当する方を想定し、主な疎明資料を一覧でご紹介します。
項目 | 内容 | 主な疎明資料 |
---|---|---|
学歴 | 大卒・大学院卒など | 卒業証明書、学位記 |
職歴 | 実務経験年数 | 在職証明書、退職証明書 |
年収 | 契約機関からの年収 | 雇用契約書、給与の記載がある内定通知書 |
研究実績など | 特許・論文・補助金等 | 特許証、論文掲載誌に関する文章、補助金交付決定通知書 |
国家資格 | 関連分野の資格取得 | 資格証の写し、合格証明書 |
日本語能力 | JLPTなどの語学証明 | JLPT、N1またはN2の合格証明書 |
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各項目ごとの疎明資料の準備方法
1️⃣ 学歴の証明方法
学歴は、卒業証明書によって証明します。この証明書には、学士・修士・博士などの学位を取得したことが明記されている必要がありますので、発行内容を必ず確認してください。卒業証明書を大学や大学院から郵送で取り寄せる場合は、通常1週間ほど時間がかかることが多いため、早めの準備をおすすめします。
なお、学位記(がくいき)とは、大学や大学院が学位の授与を正式に証明するために発行する書類です。卒業証明書に学位の記載がない場合にあわせて提出するとよいでしょう。
2️⃣ 職歴の証明方法
「職歴」は、在職証明書を使用して証明します。
在職証明書には入社年月日が記載されており、この日付から実務経験年数を算出します。
転職歴のある方で、前職の期間についてもポイントを申請する場合には、退職証明書の提出が必要です。退職証明書には、雇用期間(開始日および終了日)が明記されている必要があります。
なお、退職証明書は労働基準法に基づいて企業が発行義務を負っていますが、取得できない場合には、その期間の職歴ポイントを加算することはできません。
3️⃣ 年収の証明方法
高度専門職ビザのためのポイント計算であれば、雇用契約書(更新の場合には年入見込み証明書など)の記載を参考に、申請から1年間の見込み収入をもとにポイントの計算を行います。この金額が妥当であるかの裏付けとして、住民税の課税証明書の内容も参考にされます。
ポイント計算における年収には、基本給・役職手当・確定している賞与が含まれます。原則として残業代は含まないのでご注意ください。詳しくは下記のリンク先をご覧ください
➡高度専門職ビザの年収条件とは?年収に含まれる項目と立証方法を解説
確定している賞与や、年収に含まれる各種手当の内訳については、雇用契約書の記載内容が確認されます。雇用契約書に賞与や手当の記載がない場合は、会社に依頼して「年収見込み証明書」を作成してもらうとよいでしょう。
なお、永住許可の申請において「年収」の証明としては、勤務先が発行する年収見込み証明書の提出が求められます。加えて、過去の収入実績を示す資料として「源泉徴収票」も有効です。
4️⃣ 研究実績などの加点事項についての証明方法
研究実績などの加点事項については、以下のような資料で証明できます。
- 特許証の写し
- 補助金交付決定通知書の写し
学術論文データベースに登載されている学術雑誌に掲載された論文が3本以上ある場合には、次の内容を記載した文書を用意してください。
- 論文のタイトル
- 著者の氏名(申請者本人が責任著者であること)
- 掲載された雑誌の名称
- 掲載された巻数と号数
- 掲載ページの範囲(例:pp.12–19)
- 出版された年
これらの情報がそろっていれば、様式は特に決まっていません。WordやPDFなどで作成して問題ありません。ただし、「申請人が責任著者であること」が条件となります。
なお、学術論文データベースとは、世界中の論文情報を収集・提供している民間企業のシステムで、たとえばトムソン・ロイター社(カナダ)やエルゼビア社(オランダ)の提供するサービスなどがあります。
5️⃣ 国家資格の証明方法
ポイント加算の対象となるのは、以下のいずれかに該当する日本の資格です。
- 申請者が従事しようとしている仕事に関連する「国家資格」を持っている場合(※業務独占資格または名称独占資格に限る)
- 「IT分野に関する告示(IT告示)」で定められた試験に合格している、またはそれに該当する資格を持っている場合
※業務独占資格とは、その資格がなければ業務を行うことができない資格(例:医師、弁護士など)を指します。
※名称独占資格とは、資格がないとその名称を名乗れない資格(例:管理栄養士、社会福祉士など)です。
該当する国家資格のポイントを得るには、
- 資格証の写し
- 合格証明書
などを提出します。
6️⃣ 日本語能力の証明方法
日本語能力試験(JLPT)の合格実績がある場合には、合格証明書の写しを提出してください。N1またはN2の合格実績があるとポイント加算対象になります。
これらは、高度専門職ビザ申請における主な疎明資料の一例です。すべての項目を証明する必要はありませんが、合計で70点以上になるように裏付け資料をそろえることが不可欠です。
言い換えれば、各項目の証明資料を提出し、合計ポイントが70点を超えることを明確に示せなければ、高度専門職ビザの取得はできません。そのため、得点源となる項目を見極め、確実に証明できる書類を準備することが重要です。
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📖よくある質問(FAQ)
すべての項目について資料を提出する必要はありますか?
いいえ、必ずしもすべての項目を証明する必要はありません。
高度専門職ビザの申請において重要なのは、合計で70点以上を確実に証明できることです。したがって、全項目にわたって資料を用意するのではなく、得点につながる項目を選び、確実に証明できる疎明資料を優先して提出することが効果的です。無理にすべてを網羅しようとするよりも、自信をもって立証できるポイントをしっかり固めることが、審査をスムーズに進めるコツです。
日本の大学を卒業した場合は、特別加算に該当しますか?
日本の大学を卒業した場合は、日本の大学を卒業又は大学院の課程を修了の項目(⑭)に該当します。
この場合、卒業証明書を提出することでポイントを申請できます。さらに、卒業した大学が世界大学ランキング等にランクインしている場合は、特別加点(⑰)の対象となる可能性があります。
たとえば、「QS World University Rankings」や「Times Higher Education」などにランキングで上位に入っている大学が対象です。
年収の見込み額を証明する方法は?
高度専門職ビザの申請では、「年収」は申請時点での過去の実績ではなく、今後1年間の見込み額に基づいてポイントが算出されます。そのため、見込み年収を証明できる書類の提出が必要です。
主な提出書類としては、以下のようなものがあります。
- 雇用契約書:基本給・手当・賞与などの内訳が記載されていることが望ましい
- 内定通知書:給与額が明記されている必要があります
- 年収見込み証明書:賞与の計算方法や支給予定額など、雇用契約書や内定通知書に明記されていない場合は、会社に依頼して別途作成してもらいましょう
- 源泉徴収票:更新の場合であれば源泉徴収票から手当の内訳を確認することができます。
これらの書類によって、年間でどの程度の収入が見込まれるのかを具体的に示すことが重要です。内容が不明瞭な場合や信憑性に欠ける場合は、審査に時間がかかったり、ポイントが加算されない可能性もあります。
活動機関が中小企業でも申請できますか?
はい、可能です。
高度専門職ビザの申請は、大企業に限らず中小企業に勤務している場合でも申請できます。
特に以下のような条件を満たしている場合は、加点対象になる可能性もあります。- 経済産業省などから中小企業支援措置を受けている企業
- 一定の研究開発実績や技術力を持ち、産業上の貢献が期待される企業
- 官公庁や自治体と連携したプロジェクトへの参画実績がある企業
このように、勤務先が中小企業であっても、高度専門職としての評価を受けられる可能性は十分にあります。申請時には、企業の事業概要や実績を補足資料として添付することをおすすめします。
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