高度専門職ビザと就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)の違いとは?
日本で専門職に就く外国人が取得できるビザにはさまざまな種類がありますが、その中でも 「高度専門職ビザ」 と 「技術・人文知識・国際業務ビザ」 は、多くの外国人が活用する代表的な在留資格です。

どちらも専門知識やスキルを活かして働くためのビザですが、取得条件や特典、更新要件などに大きな違いがあります。
「どちらのビザが自分に適しているのか?」
「高度専門職ビザを取得するメリットは?」
本記事では、両者の違いを比較しながら、どちらを選ぶべきか解説します。
📌高度専門職ビザと技術・人文知識・国際業務ビザの主な違い
項目 | 高度専門職ビザ | 技術・人文知識・国際業務ビザ |
---|---|---|
審査基準 | ポイント制(70点以上) 学歴・職歴・年収・研究実績などを基に評価 | 学歴・職歴・職種で判断 ポイント制は不要 |
在留期間 | 5年(更新可能) | 1年・3年・5年ごとに更新 |
就労制限 | 基本的に技人国と同じ(雇用契約に基づいた専門業務に従事) + 関連業務の経営が可能 | 職種ごとに制限あり(ITエンジニア、通訳、マーケティングなど) |
永住許可の優遇 | 最短1年で申請可能(ポイント80点以上の場合) | 10年以上の在留歴が必要 |
家族の帯同 | 配偶者・子に加え、親・家政婦の帯同が可能な場合も | 配偶者・子のみ可 |
出入国管理の優遇 | 空港の優先レーン利用が可能 | 特別な優遇措置なし |
その他の特典 | 研究費助成・転職時の手続き簡素化など | なし |
高度専門職ビザの特徴とメリット
高度専門職ビザは、高度な専門知識やスキルを持つ外国人を優遇するために設けられた在留資格です。このビザではポイント制が採用されており、「学歴・職歴・年収・研究実績」などの項目で70点以上を獲得することが条件となります。
✅ 高度専門職ビザの主なメリット
✔ 永住許可の優遇
通常10年の在留歴が必要な永住許可を最短1年で申請可能(80点以上の場合)
✔ 家族の帯同要件が緩和
配偶者や子に加え、親や家政婦の帯同も認められる(要件あり)
✔ 出入国審査の優遇措置
空港での優先レーン利用が可能になり、出入国がスムーズに
✔ 研究・技術開発支援
一定の条件を満たせば、研究費助成や補助金などの支援を受けられる
このように、高度専門職ビザは日本で専門職として活躍する外国人にとって、大きなメリットをもたらす在留資格です。
就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)の特徴とメリット
就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)は、特定の専門職(エンジニア・通訳・マーケティング・会計・デザイナーなど)に従事する外国人向けの在留資格です。高度専門職ビザとは異なり、ポイント制ではなく、学歴や職歴、雇用契約の内容が審査の基準となります。
✅ 就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)の主なメリット
✔ ポイント制が不要
特定の学歴・職歴・職種要件を満たせば取得可能
✔ 比較的取得しやすい
条件を満たせば新卒や未経験者でも取得可能(学歴要件に注意)
✔ 更新をすれば長期在留が可能
在留期間(1年・3年・5年)を更新しながら長期的に日本で働ける
✔ 幅広い業種で取得できる
IT・金融・教育・コンサルティング・メーカーなどさまざまな業種で活用可能
このビザは、日本企業で専門職として働く外国人にとって、最も一般的な就労ビザの一つです。
どちらのビザを選ぶべき?判断基準
外国人が日本で働く際に選択できる「高度専門職ビザ」と「就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)」には、それぞれ異なる特徴があります。自分のキャリアプランやライフスタイルに合ったビザを選ぶことが重要です。以下の基準を参考に、どちらのビザが適しているかをチェックしてみましょう。
✅ 高度専門職ビザがおすすめの人
✔ 将来的に日本で永住したい
高度専門職ビザを取得すると、最短1年で永住許可申請が可能になります。日本に長く住み、安定した生活を送りたい方に適しています。
✔ 高度な専門職に従事している
博士号や修士号を持つ研究者・エンジニア・管理職・企業経営者など、高い専門性が求められる職種に就いている方は、ポイント制を活用して高度専門職ビザを取得しやすくなります。
✔ 家族(配偶者・子供・両親・家政婦)を帯同したい
高度専門職ビザでは、一定の条件を満たせば両親や家政婦の帯同も可能です。家族と日本で安心して生活したい方に向いています。
✔ 研究・技術開発などで優遇措置を受けたい
高度専門職ビザ保持者には、出入国審査の優遇、研究費助成、ビジネス支援などの特典があり、日本でのキャリアをさらに発展させることができます。
✅ 就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)がおすすめの人
✔ できるだけシンプルな手続きで働きたい
高度専門職ビザはポイント制のため、学歴や年収などのスコアを計算する必要があります。一方、就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)は、職歴や学歴、雇用契約が審査基準となるため、高度専門職に比べて比較的シンプルに申請可能です。
✔ 学歴や職歴の要件を満たしている
就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)は、特定の専門職(エンジニア・通訳・マーケティング・会計など)に従事する場合に取得できます。関連する学位を持っていれば、新卒でも取得が可能です。
✔ できるだけ早く働きたい
高度専門職ビザはポイント計算や条件の確認が必要なため、申請の準備に時間がかかることがあります。一方、就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)は、要件を満たせば比較的スムーズに申請の準備が可能なため、早く日本で働き始めたい方に向いています。
📄申請の流れ|高度専門職ビザ & 就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)
日本で働くための在留資格を取得するには、適切なプロセスを踏むことが重要です。高度専門職ビザと就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)では、申請の手順や審査基準が異なるため、それぞれの流れを詳しく解説します。
📌 高度専門職ビザの申請プロセス
高度専門職ビザは、ポイント計算(70点以上)を満たすことが前提となるため、申請前にしっかりと要件を確認し、必要書類を準備することが求められます。
1️⃣ ポイント計算(70点以上の確認)
- 「学歴・職歴・年収・研究実績」などの要素を基にポイント計算を行い、70点以上あることを確認します。
- 80点以上ある場合は、永住許可を最短1年で申請できるメリットもあるため、スコアを最大限に活かせるよう調整しましょう。
- ポイント計算は自己評価だけでなく、専門家に相談することで正確な算定が可能です。
2️⃣ 雇用契約の締結(企業との契約書を準備)
- 日本で働くためには、受け入れ企業と正式な雇用契約を結ぶ必要があります。
- 職務内容・給与・勤務条件が高度専門職ビザの基準を満たしていることを確認し、契約書を準備します。
3️⃣ 必要書類の準備
申請には、ポイント計算の根拠となる以下のような書類が必要です。
- 学歴証明書(学位証明書・卒業証明書)
- 職歴証明書(過去の勤務先からの証明)
- 年収見込み証明書(現在の勤務先からの証明)
- 日本語能力を証明する書面(合格証明書等の写し)
その他、技術・人文知識・国際業務の申請と類似する書類の提出が必要です。
4️⃣ 出入国在留管理局へ申請
- 書類を揃えたら、出入国在留管理局(入管)へ申請します。
- 審査中に追加資料を求められることもあるため、迅速に対応できるよう準備しておくことが重要です。
5️⃣ 審査・結果通知(通常1〜3ヶ月)
不許可となった場合は、理由を確認し、再申請や別のビザの検討が必要です。
入管による審査が行われ、通常1〜3ヶ月で結果が通知されます。
- 審査のポイント
- 申請者が高度専門職ビザのポイント基準(70点以上)を満たしているか
- 申請者の業務内容が高度専門職ビザの対象範囲に適合しているか
- 申納税・社会保険の支払いが適正に行われているか
📌 就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)の申請プロセス
1️⃣ 職種がビザの対象であるか確認
まず、申請者の職種が「技術・人文知識・国際業務ビザ」の対象であるかを確認します。このビザは、エンジニア、通訳、マーケティング、会計、デザイナーなど、主に専門的な知識を要する職種に限られます。
- 単純労働(工場作業員、清掃業など)は対象外
- 学歴または実務経験が基準を満たしているかも確認(例:大学で関連分野を専攻 or 実務経験10年以上 など)
2️⃣ 雇用契約を締結し、企業が必要書類を準備
申請者が日本の企業と雇用契約を結ぶことが必須です。労働条件(給与・勤務時間・職務内容)が入管の基準を満たしていることが重要となります。
- 企業側が用意する主な書類
- 雇用契約書(契約期間・給与・業務内容などを明記)
- 会社の登記事項証明書(会社が正式に設立されていることの証明)
- 決算書(直近年度分)(企業の安定性を示すため)
- 事業計画書(必要に応じて)
3️⃣ 申請書類を作成し、入管へ提出
申請者は必要書類をそろえて、管轄の出入国在留管理局(入管)に申請を行います。申請内容に誤りがあると審査が長引くため、正確な書類を準備することが重要です。
- 主な提出書類
- 在留資格認定証明書交付申請書
- パスポートのコピー
- 学歴証明(卒業証明書など)
- 職歴証明(推薦状や雇用証明書)
4️⃣ 審査・結果通知(通常1〜4ヶ月)
就労ビザの審査には通常1〜4ヶ月程度かかります。ただし、申請内容に不備があった場合や、企業の経営状況が審査対象となる場合は時間がかかる可能性があります。
- 審査のポイント
- 申請者の学歴・職歴が基準を満たしているか
- 企業が安定した経営状態であるか
- 申請者の職務内容がビザの対象業務と一致しているか
どちらの申請でも、審査をスムーズに進めるためには、書類の不備をなくし企業の協力を得て必要書類をしっかり準備することが重要です。
不許可を避けるためのポイント
❌ よくある不許可の理由
- 高度専門職ビザのポイントが不足している
- 申請時に70点以上を満たしていない
- 80点以上を維持していないため永住許可の優遇が受けられない
- 証明書類の不足や不備がある
- 学歴証明書、職歴証明書、納税証明書、収入証明書などが不足している
- 提出した書類の内容が不明確で、審査官に申請の正当性を証明できていない
- 雇用契約の内容が不明確
- 企業の事業内容と申請者の職務内容が合致していない
- 仕事内容が高度専門職の要件を満たしていない
- 過去に納税・年金の未納履歴がある
- 住民税、所得税、健康保険、年金の滞納や未納がある
- 直近3年間に支払い遅延の履歴がある
✅ 不許可を防ぐための対策
✔ 事前にポイント計算を行い、条件を満たしているか確認
- 申請前に最新のポイント計算を実施し、不足している場合は対策を講じる
- 日本語能力試験N1の取得などでポイントを補う
✔ 書類の不備をなくし、明確な雇用契約を結ぶ
- 企業の経営状況や職務内容が高度専門職ビザの要件を満たしているか確認
- 申請者の業務内容が適切に記載された雇用契約書を準備する
✔ 納税や社会保険の支払いをきちんと行う
- 申請前に未納がないか税務署や市区町村役場で確認
- 過去3年間の納税証明書や年金保険料の支払い履歴を用意しておく
高度専門職ビザは優遇措置が多い分、審査も厳格に行われます。申請前にしっかり準備をし、不許可のリスクを最小限に抑えましょう。
よくある質問(FAQ)
高度専門職ビザと就労ビザのどちらが取りやすいですか?
ポイント制で高得点を獲得できる方は、高度専門職ビザの取得が有利です。特に 学歴・職歴・年収が高く、日本語能力などの加点要素がある場合 は、ポイント制の条件を満たしやすくなります。
一方で、ポイント制の要件を満たすのが難しい方 は、学歴や職歴、職種ごとの基準をクリアすれば申請できる 就労ビザ(技術・人文知識・国際業務) の方が取得しやすい傾向があります。
どちらのビザが適しているかは、申請者の経歴や現在の雇用条件 によって異なります。事前に確認し、自分に合ったビザを選びましょう。
高度専門職ビザから就労ビザに変更できますか?
変更は可能ですが、慎重な判断が必要です。
高度専門職ビザを就労ビザ(技術・人文知識・国際業務など)に変更すると、ポイント制による優遇措置が受けられなくなる ため、注意が必要です。具体的には、以下のような影響があります。
- 永住許可の優遇がなくなる(高度専門職ビザなら最短1年で申請可、就労ビザは原則10年の在留歴が必要)
- 家族の帯同要件が厳しくなる(親や家政婦の帯同が不可に)
- 出入国時の優遇措置がなくなる
変更を検討する際は、現在の状況や今後のキャリアプラン を踏まえ、慎重に判断することが重要です。
就労ビザから高度専門職ビザへ変更できますか?
ポイントが70点以上あれば変更できます。
高度専門職ビザは、学歴・職歴・年収・研究実績などを基にしたポイント制 で審査され、70点以上を満たせば就労ビザ(技術・人文知識・国際業務など)からの変更が可能です。
高度専門職ビザに変更するメリット
- 永住許可の優遇(最短1年で申請可能)
- 家族の帯同要件が緩和(親や家政婦の帯同が可能)
- 出入国時の優遇措置(空港での優先レーン利用など)
特典を活用したい場合は、変更を検討すると良いでしょう。 変更の際には、現在のポイントを事前に確認し、条件を満たしているかをチェックすることが大切です。
🌟 高度専門職ビザと「技術・人文知識・国際業務」ビザ、どちらを選ぶべきか迷っていませんか?
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