留学生が専門学校を転校する際の手続き方法と気をつけるべきポイント
「今の専門学校を辞めて別の学校に通いたいけれど、ビザに影響はあるの?」「転校って自由にできるの?」「入管への届出は必要?」——こうした疑問や不安を抱えて、ネットで情報を探している方も多いのではないでしょうか。
留学ビザは、在留資格の中でも「所属機関(=通っている学校)」との関係が非常に重視されるため、転校には一定のルールや手続きが必要です。手続きに不備があると、次回の更新に影響が出る可能性もあります。

そこで本記事では、専門学校を転校する際に必要な入管への手続きや注意点について解説します。
転校を検討している方が判断の参考にできるよう、要点を分かりやすくまとめました。ぜひご参考ください。
1️⃣ 留学生の方が専門学校を転校する際の手続き
専門学校の学生が「留学」ビザを許可される際、具体的な在籍先の学校がビザに明記されることはありません。そのため、「留学」ビザの有効期限内であれば、改めて新しいビザを取得する必要なく、他の学校へ転校することが可能です。転校先が別の専門学校、日本語学校、または大学であっても同様です。日本の教育機関であれば条件を満たします。
しかし、手続きが一切不要というわけではありません。現在通っている学校を辞めた場合、14日以内に入国管理局への「活動機関に関する届出」を行う必要があります。
「活動機関に関する届出」は、以下の方法で申請できます。
- インターネット(事前の利用者登録が必要)
- 郵送
- 最寄りの地方入国在留管理局
特にインターネットでの届出は便利ですが、利用には事前登録が必要です。少し手間がかかりますが、今後の手続きの利便性を考えると、早めに登録しておくことをお勧めします。
届出書の種類は「離脱と移籍」の届出です。この届出を怠ると、法令上は20万円以下の罰金が科せられる可能性があります。罰金が実際に課されるケースは非常に稀ですが、ビザ更新の際にマイナス評価として扱われることは確実です。最悪の場合、「在留期間中の素行に問題がある」と判断され、ビザの更新が拒否される可能性もありますので、十分ご注意ください。
2️⃣ 留学生の方が専門学校を転校する際の注意点
次に留学生の方が専門学校を転校する際の注意点について記載します。
📌 専門学校で学んだ内容と就労内容の関連性が重要
専門学校を卒業後、日本で就職を希望する場合、「留学」ビザから就労ビザへの変更が必要です。この際、代表的な就労ビザである「技術・人文知識・国際業務」ビザを取得するには、専門学校で学んだ内容と職務内容に強い関連性が求められます。
例えば、専門学校で国際ビジネスを学んだ方が国際貿易関連の仕事に就く場合には、「技術・人文知識・国際業務」ビザが許可される可能性があります。しかし、同じ方が通訳や翻訳業務に就こうとする場合、専門学校で十分な語学関連の単位を取得していないと、ビザが認められない場合があります。
そのため、専門学校を転校する際には、卒業後の希望職種と転校先の学科内容が合致しているかを事前に確認することが重要です。特に服飾関係や調理関係の専門学校は「技術・人文知識・国際業務」ビザの範囲に該当しない場合が多く、卒業後に就労ビザを取得できない可能性が高いため注意が必要です。
「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」の認定校を選ぶメリット
2023年6月からスタートした「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」では、留学生のキャリア形成に役立つ教育を提供する専門学校を文部科学大臣が認定し、その卒業生に対し入管法上の優遇措置を設けています。
通常、専門学校を卒業して「技術・人文知識・国際業務」ビザを取得するには、学んだ内容と職務内容の強い関連性が求められます。一方、大学卒業者の場合は関連性が緩やかでもビザが許可されるケースが多いです。
「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」の認定を受けた専門学校の学科を卒業した場合、関連性の審査基準が大学卒業者と同様に緩やかになります。例えば、国際ビジネスを学んだ方が語学関連の職務に就く場合でも、少ない単位数で「技術・人文知識・国際業務」ビザを取得できる可能性が広がります。
転校を検討している場合は、現在通学している専門学校や転校先の学校が同プログラムの認定を受けているかを確認してください。認定校への転校は卒業後の選択肢を広げる大きなメリットとなります。
⚠️ 専門学校をやめて就職するのは非常に難しい
転校先が見つからない場合や、専門学校を辞めて就職を考える方もいますが、これは極力避けるべきです。
「留学」ビザは学業を目的とするビザであり、学校を退学した時点でその資格を失います。その後日本で就労するには就労ビザが必要ですが、専門学校を卒業していないと、就労ビザの条件を満たせない場合がほとんどです。また、「留学」ビザで入国した方が学校を退学すると、就労ビザの審査で大きなマイナス材料として扱われるため、取得が非常に難しくなります。
特殊な事情(例えば、既に母国で大学を卒業しているなど)がない限り、専門学校を辞めて就職するのは現実的ではありません。
在学中に日本語能力検定N1またはN2の取得を推奨
本ページのテーマとは異なりますが、専門学校生には在学中に日本語能力検定N1またはN2を取得することを強くお勧めします。日本語能力検定は一度取得すれば有効期限がなく、ビザ申請を含むさまざまな場面でプラス評価として扱われます。
「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」の認定校を卒業した場合でも、日本語能力が高ければ卒業後の選択肢はさらに広がります。勉学と並行して取得するのは大変ですが、将来のためにぜひご検討ください。
最後に――専門学校の転校手続きをスムーズに進めたい方へ
留学生が専門学校を転校する際は、正しい手続きとビザ申請の流れを理解していないと次の更新の際に不許可のリスクがあります。
ネットの情報だけでは、自分のケースが届出が必要かどうかを判断するのが難しく、誤った対応でトラブルを招く可能性も。専門家が最新の審査傾向をふまえて、あなたの状況に合わせた適切な進め方をアドバイスします。
✅ 転校時に必要な手続きを知りたい
✅ 在留資格に影響が出ないようにしたい
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