配偶者ビザ(日本人の配偶者等)の取得条件とと必要書類を解説

配偶者ビザを取得するためには、日本人と結婚しているだけでなく、複数の条件を満たさなければなりません。

過去の偽装結婚の多発を背景に、出入国在留管理庁では国際結婚の審査を非常に厳格に行っており、実体のある婚姻かどうかを慎重に見極めます。審査では、婚姻の実態や同居・生活状況、収入・納税状況などが総合的に確認されます。必要書類も多く、何から準備すべきか迷う方も少なくありません。

そこで本記事では、配偶者ビザ(「日本人の配偶者等」)の取得を検討している方に向けて、取得条件や必要書類、審査で重視される主なポイントをわかりやすく解説します。

なお、配偶者ビザでは「国際結婚をすればビザは当然もらえる」「知人が自分で申請して簡単だったと言っていたから大丈夫」と誤解されている方が少なくなく、誤った判断が不許可につながるケースも見られます。入管への問い合わせは電話がつながりにくく、申請当日は長時間待たされることもあります。
調べものや手続きにかかる時間と労力を考えると、安心して進めるためには、専門家のサポートを受けることも有効な選択肢の一つです。

当事務所では、ビザ申請に関するご相談から申請書類の作成・申請代行まで幅広くサポートしています。「配偶者ビザではどのような書類が必要になるのか」と迷われた際は、どうぞお気軽にご相談ください。

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日本人の配偶者等ビザとは?

「日本人の配偶者等」ビザは、日本人と正式に婚姻している外国人が、日本国内で生活・就労するために必要な在留資格です。このビザを取得すると、フルタイムで働くことが可能で、職種や業種に制限はありません。会社員、アルバイト、自営業など、希望する働き方を自由に選ぶことができます。

ただし、審査では「婚姻の実態」があるかどうかが非常に重視されます。単に婚姻届を提出しているだけでは不十分で、実際に夫婦として生活しているか(同居の有無、交流の記録、生活の安定性など)を具体的に確認されます。

なお、「日本人の実子」や「日本国籍の子を扶養している親」も、別の在留資格である「日本人の子としての在留資格」を取得できる可能性があります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

🔗 関連記事: 実子ビザ(日本人の配偶者等)の取得条件とは?

1️⃣ 国際結婚で「日本人の配偶者等」のビザを取得するための条件

「日本人の配偶者等」の在留資格を取得する際には、単に結婚していることを証明するだけでは不十分です。偽装結婚ではないことを示すことに加えて、次の4つの条件を満たしている必要があります。

(1)法的に有効な婚姻関係が成立していること

「日本人の配偶者等」の在留資格を取得するには、婚姻が法的に有効であることが前提条件となります。単に同居している、恋人関係にあるというだけでは認められません。

  • 死亡・離婚後は対象外
    日本人の配偶者が亡くなったり離婚した場合、「日本人の配偶者等」の資格は無効になります。
  • 内縁関係(事実婚)は認められない
    婚姻届を提出していない内縁状態では、在留資格の対象外です。
  • 同性婚は認められていない
    日本では同性婚が法的に認められていないため、同性同士の婚姻ではこの在留資格を取得できません。

(2)実態のある夫婦関係があること

形式的に結婚しているだけでは不十分で、実際に夫婦としての共同生活を営んでいることが必要です。以下の点が審査で確認されます。

  • 同居が基本条件
    正当な理由(単身赴任や看護など)がない限り、別居していると「実態がない」と見なされる可能性があります。
  • 意思疎通の実態も問われる
    夫婦間でどの言語で会話しているかも重要です。たとえば、どちらかが相手の言語をまったく理解できない場合、「実際に生活できているのか」という疑問を持たれやすくなります。

(3)夫婦生活を送るための経済的基盤があること

生活を維持するために安定した収入があるかどうかも、審査の重要なポイントの一つです。

  • 明確な収入基準は非公開だが、目安は年収240万円以上
    • 一般的には「月収20万円以上」が一つの基準とされています。
      ※ 住宅として使用している不動産を所有している場合や、身元保証人の状況によっては、この目安より収入が低くても許可が下りるケースもあります。
    • 扶養家族がいる場合は、さらに高い収入が求められます。
    • 現時点で不足があっても、将来的に収入が安定する見込みがある場合は、考慮される可能性もあります。
  • 課税証明書や納税証明書の提出が求められる
    • 直近1年分の住民税の課税証明書・納税証明書を用意し、安定収入の根拠として提出することが必要です。

(4)素行が善良であること

「日本での生活態度」も重要な審査項目です。過去の違反歴や義務の不履行があると、マイナス評価につながります。

  • 納税義務や各種公的義務をきちんと果たしているか
    • 税金や健康保険、年金などの支払い状況が審査されます。
  • 交通違反や軽犯罪の有無
    • 特に重大な違反(無免許運転、飲酒運転など)がある場合は不許可の可能性が高まります。
  • 適切な在留状況であること(他の在留資格から変更する場合)
    • たとえば留学ビザから変更する場合は、大学への出席率や、アルバイトが週28時間以内に収まっていたかどうかなどが審査対象になります。

このように、「日本人の配偶者等」の在留資格の審査では、単なる婚姻届けの提出だけでなく、生活実態・経済力・素行などが総合的に確認されます。丁寧な準備と裏付け資料の提出が、スムーズな許可取得への第一歩となります。

2️⃣ 国際結婚で「日本人の配偶者等」のビザを取得するために主に必要となる書類

配偶者ビザの申請にあたっては、必須書類が入国管理局の公式サイトに明記されています。これらの書類がそろっていない場合、申請自体が受理されないこともあるため注意が必要です。

なお、このようにインターネット上で紹介されている書類一覧や、出入国在留管理局のWebサイトに掲載されている情報は、あくまで最低限の目安です。実際の申請では、申請者の状況に応じて許可を得るために追加の書類が求められます。

以下の内容もあくまで代表的な例となりますので、ご参考の際はご注意ください。

【主な必要書類】

  • 日本人配偶者の戸籍謄本
    • 婚姻の事実が記載されている最新版を用意します。
  • 外国人配偶者の結婚証明書
    • 本国で発行されたもの。日本語訳文を添付する必要があります。
  • 住民税の課税証明書・納税証明書(直近1年分)
    • 経済的基盤の証明として使用します。
  • 日本人配偶者の身元保証書
    • 保証人は通常、配偶者本人が務めます。
  • 住民票(日本人配偶者のもの)
    • 世帯全員分を取得し、同居状況などが確認できるようにします。
  • 質問書(婚姻の経緯を記載)
    • 出会いから結婚に至るまでの経緯を詳しく記述します。
  • 夫婦の交際を裏付ける資料
    • ツーショット写真、LINEやメールの履歴、ビデオ通話の記録など。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

🔗 関連記事:➡ 国際結婚での配偶者ビザ申請に必要な書類は?

 ー注意 ー
AIやGoogle検索、自動翻訳を含むネット上の情報は、古い内容や不正確な記載、表現の違いによって誤解が生じる場合があります。
必ず最新の公式情報を確認し、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることが大切です。

【配偶者ビザの申請に不安がある方へ】

「収入や結婚期間で大丈夫?」「書類が多くて不安…」という方もご安心ください。
審査で重視されるポイントを踏まえ、あなたの状況に合わせた書類作成と申請プランをご提案します。申請前に不安を整理しておくことで、不許可のリスクを減らし、スムーズに手続きを進められます。

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ご希望があれば、理由書の作成から申請手続きまで一貫してサポートします。

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3️⃣ 審査で重視される主なポイント

配偶者ビザ(在留資格「日本人の配偶者等」)の申請では、入管の審査官がいくつかの点を重点的に確認します。単に婚姻関係があるというだけでは許可されるとは限らず、実際に婚姻生活が成立しているか、日本で安定した生活を送れるかなど、多角的に判断されます。

こうしたポイントを事前に把握し、十分に準備しておくことが、申請成功のためには欠かせません。このような審査で重視される主なポイントには次のようなものがあります。

  • 夫婦としての生活実態があるか(同居の有無など)
    実際に一緒に暮らし、日常生活を共にしているかが確認されます。
  • 出会いから結婚までの経緯が自然かどうか
    出会いのきっかけや交際期間などに不自然さがないかを見られます。
  • 経済的に自立した生活が可能か
    申請者または扶養者の収入が生活を維持できる水準にあるかどうかも審査対象です。
  • 在留状況や納税履歴に問題がないか
    これまでの滞在において違反歴がないか、税金や保険料をきちんと納付しているかも確認されます。
  • 素行に問題がないか
    犯罪歴や重大な交通違反、法令違反の有無なども審査の対象です。

特に、年齢差が大きい場合交際期間が短い場合など、形式的な婚姻と疑われやすいケースでは、丁寧で具体的な説明と資料提出が求められます。審査官に「実態のある結婚関係」であることを誠実に伝える姿勢が重要です。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。

🔗 関連記事:➡ 年の差婚・短期間の交際で配偶者ビザが不許可に?|審査官の視点と対策

4️⃣ 不許可になりやすいケースとその対策

配偶者ビザの申請では、形式的に婚姻関係があるだけでは許可されないことがあります。特に以下のようなケースは、入管が「実態のない婚姻」や「安定した生活が難しい」と判断する要因となり、不許可につながりやすいとされています。

  • 提出書類に矛盾や虚偽の記載がある場合
    内容に食い違いがあると、信頼性が損なわれてしまいます。
  • 夫婦が別居している・実態のない婚姻関係であると疑われる場合
    日常的な同居や交流が確認できないと、不許可のリスクが高まります。
  • 経済的に不安定で生活維持が困難と見なされる場合
    扶養能力が不足していると判断されると、審査にマイナス評価となります。
  • 交際実績が乏しい、説明が不十分な場合
    短期間の交際や年齢差が大きい場合などでは、丁寧な説明が必要です。
  • 過去に在留資格違反などの問題があった場合
    過去の法令違反があれば、素行不良とみなされ不許可につながる可能性があります。

これらの懸念点がある場合は、補足資料や理由書を提出し、具体的かつ誠実に事情を説明することが大切です。さらに、結婚式の記録や第三者(家族・友人など)による証明書などを添えることで、結婚の実態や誠実さを伝える材料になります。準備の段階から慎重に対応しましょう。

5️⃣ スムーズに取得するためのポイント

配偶者ビザを円滑に取得するためには、ただ書類を揃えるだけでは不十分です。前述のような審査官が重視する視点を意識して準備を進めることが大切です。具体的には、特に以下の点を意識すると申請手続きをスムーズに進めやすくなります。

  • 必要書類は早めに揃える
    戸籍謄本や課税証明書などは取得に日数がかかる場合もあるため、余裕を持って準備しましょう。
  • 収入や納税状況を事前に確認
    経済的な安定性は審査において重要なポイントです。課税証明書や納税証明書に未納がないかをチェックしておきましょう。
  • 婚姻までの経緯を丁寧に文章でまとめる
    出会いから結婚に至るまでの経緯は「質問書」などで詳しく説明する必要があります。自然な流れで関係が深まったことを伝えましょう。
  • 写真やメッセージ、通話記録などの交流資料を整理
    LINEやメール、ビデオ通話履歴、ツーショット写真などは、交際の実態を示す重要な資料になります。
  • 不安がある場合は専門家に相談を
    少しでも疑問や不安があれば、ビザ申請に精通した行政書士へ相談することで、リスクを未然に防ぐことができます。

このように、夫婦としての実態と日本での安定した生活の見通しをしっかりと示すことが、許可につながる大きなポイントとなります。

📖 よくある質問(FAQ)

年の差が大きいと不許可になりますか?

年齢差が大きいからといって必ず不許可になるわけではありません。ただし、審査官から「真実の結婚かどうか」を疑われやすいため、交際の実態や家族の紹介状などを通じて、誠実な関係であることをしっかり説明することが重要です。

交際期間が短いと不許可になりますか?

交際期間が短くても、不許可になるとは限りません。ただし、なぜ短期間で結婚に至ったのか、その背景やお互いの理解度を丁寧に説明する必要があります。交際中の連絡記録や写真などが有効です。

離婚歴があると影響しますか?

日本人側に離婚歴がある場合には再婚までの期間が短いと、婚姻の信ぴょう性を慎重に審査される傾向があります。
特に、前の配偶者も外国人であった場合は、繰り返しの国際結婚として注目されることがあり、審査がより厳しくなる可能性があります。

外国人側に離婚歴がある場合には過去に「日本人の配偶者等」ビザで在留していた場合、再び同じ在留資格を申請するときには注意が必要です。
離婚後すぐに再婚している場合は、ビザ目的の婚姻と疑われやすくなるため、交際の経緯や継続的な関係を証明する資料の提出が重要になります。

書類はすべて日本語で出さないといけませんか?

外国語で作成された書類を提出する場合は、必ず日本語の翻訳文を添付する必要があります。翻訳者の署名や連絡先を明記するのが望ましいです。

最後に――配偶者ビザ(日本人の配偶者等)の申請をお考えの方へ

配偶者ビザ(日本人の配偶者等)の審査では、結婚の信ぴょう性や同居状況、収入の安定性などが重要な判断材料となります。必要書類の不足や説明内容の不十分さが原因で、不許可となるケースも少なくありません。

✅ どの書類を準備すればよいのか分からない
✅ 申請内容が審査基準に合っているか不安
✅ できるだけ不許可を避けて申請を進めたい

このようなお悩みをお持ちの方は、下記のリンクから無料相談をご利用ください。
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ご相談後、そのまま申請代行などをご依頼いただくことも可能です。
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