外国人新卒採用と就労ビザ|技術・人文知識・国際業務の条件と手続き
本記事は、外国人留学生を新卒採用したいと考えている企業の採用担当者の方に向けて、「技術・人文知識・国際業務」ビザの条件と手続きについてわかりやすく解説します。

出入国在留管理庁Webサイトより
近年、日本の企業でも外国人留学生を新卒採用する動きが増えてきています。その際に必要となる在留資格が 「技術・人文知識・国際業務」ビザ です。
ただし、初めて外国人を採用する企業にとっては、「どのような書類や準備が必要なのか」「入管が審査でどの点を重視するのか」「日本人採用と何が異なるのか」といった点が分かりづらく、不安を抱えるケースも少なくありません。
そこで本記事では、外国人留学生を新卒として採用する際に、企業が押さえておくべき基本要件や審査のポイント、準備すべき書類などをわかりやすく解説します。自社で対応したい方にも役立つ内容ですが、もし不安や手間を感じる場合には、専門家に相談する選択肢も検討してみてください。ビザ申請は人によって条件や必要書類が大きく異なるため、AIやネット検索の情報だけでは誤った判断につながることがあります。
当事務所では、「技術・人文知識・国際業務」ビザ申請のご相談から申請代行まで、幅広く対応しております。オンライン相談にも対応しており、届いたURLをクリックするだけで、ご自宅や職場からご利用いただけます。「手続きに自信がない」「書類の準備に不安がある」という方は、遠方にお住まいの方も、まずはお気軽にご相談ください。
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1️⃣ 技術・人文知識・国際業務ビザの基本要件
1. 学歴と職務内容の関連性
申請者が大学や大学院で学んだ専攻分野と、採用後に従事する予定の職務との関連性が重視されます。
たとえば、情報工学を専攻した方がシステムエンジニアとして働く場合は適合性が高いと判断されますが、専攻と業務がかけ離れていると不許可のリスクが高まります。
2. 報酬水準の適正性
給与は必ず「同じ業務に従事する日本人と同等以上」でなければなりません。単に地域の最低賃金を満たしているだけでは不十分で、あまりに低い給与設定は不許可につながる可能性があります。初任給を設定する際は、社会的に妥当とされる水準を確保することが大切です。
3. 職務の専門性
このビザは、専門的または技術的な業務を行う外国人のための在留資格です。したがって、飲食店のホールスタッフや工場のライン作業といった「単純労働」に該当する業務は対象外です。雇用契約書や職務内容説明書には、具体的かつ専門性のある業務内容を明記することが求められます。
この3つの基本要件を満たしていないと、申請が不許可になるリスクが高いため、企業・申請者ともに準備段階でしっかり確認しておくことが重要です。
2️⃣ 採用前に企業が準備すべきこと
外国人留学生を新卒で採用する場合、ビザ申請の際に企業側が提出する書類の信頼性が非常に重要になります。特に以下の準備は必須です。
- 雇用契約書の作成
勤務条件(勤務時間・休日)、給与額、勤務地、職務内容などを明確に記載した契約書を用意しましょう。記載が曖昧だと審査で不利になります。 - 職務記述書(Job Description)の用意
具体的にどのような業務に従事するのかを明記する必要があります。専門性のある業務であることを説明できる内容にしましょう。なお、この書面は通常「雇用理由書」として提出します。 - 会社の基本資料の準備
会社の登記事項証明書や事業内容がわかるパンフレット・会社案内などを整えておきます。企業の実在性や信頼性を示す資料として活用されます。 - 健全な経営状況を示す書類
直近の決算書類などを準備し、安定した経営基盤があることを示す必要があります。経営状態に不安があると、在留資格の許可に影響する可能性があります。
企業がこうした準備を整えることで、申請書類の信頼性が高まり、審査をスムーズに進めやすくなります。
3️⃣ 留学生本人に依頼すべきこと
ビザ申請には、採用される留学生本人が準備・提出する書類も数多く必要です。企業側がサポートしながら、以下の書類を依頼しておきましょう。
- 卒業見込証明書・成績証明書
学歴と職務内容の関連性を示すために不可欠な書類です。専門分野と採用後の業務が結びついていることを証明する材料になります。なお、申請時には卒業見込証明書で差し支えありませんが、在留カードの交付時には卒業証明書が必要となります。 - 在留カード・パスポート
現在の在留資格や在留期間を確認するために必要です。更新や変更の対象であるかを判断する基礎資料となります。申請時に提示します。 - 日本語能力試験の合格証等の補足資料
申請受理に必須の書類ではありませんが、申請人が職務内容に関連する資格を有している場合には、提出することで申請内容の説得力が高まります。特に通訳業務の場合には、日本語能力試験N1またはN2の合格証を添付することが重要です。 - 推薦状や研究内容の説明資料(必要に応じて)
特に専門性の高い職種や研究職に採用する場合には、大学教授などからの推薦状や研究テーマの概要が有効な補足資料になります。
これらの書類は、入管に「学んだ分野と職務内容が一致しているか」「安定して働けるか」を説明するための重要な根拠となります。企業と留学生本人が協力して早めに準備を進めることが、スムーズな申請につながります。
4️⃣ 入管申請に必要な書類(基本セット)
新卒で外国人を採用し、「技術・人文知識・国際業務」ビザを申請する際には、以下の書類を揃える必要があります。これはあくまで基本セットであり、状況によって追加資料を求められる場合があります。
- 在留資格変更許可申請書
留学ビザから就労ビザへ変更するために必要な申請書。指定様式に記入し、写真の貼付も必要です。 - 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(写し)
就労ビザ申請に必要な提出書類は、申請先のカテゴリーによって異なります。このカテゴリーの判定に用いられるのが本書面です。なお、日本の証券取引所に上場している企業の場合は、本書面に代えて四季報の写しを提出します。 - 雇用契約書または労働条件通知書
勤務条件・給与・勤務地・契約期間・職務内容などを明確に示す書類であり、採用後の雇用関係を裏付けるものです。 - 卒業見込証明書・成績証明書
学歴と職務内容の関連性を証明するために提出します。学んだ分野と従事する業務が一致しているかどうかの審査資料となります。なお、前述のように在留カード発行時には卒業証明書が必要です。 - 会社の登記事項証明書
採用する企業が実在し、法的に有効な法人であることを示す基本書類です。 - 直近の決算書の写し
企業の経営状況や安定性を確認するために必要です。特に赤字決算の場合は補足説明が求められることがあります。 - 事業内容を示すパンフレットやHP資料
会社の業務内容や事業規模を明確に示す資料として活用されます。
これらの書類は「会社の信頼性」と「学歴・職務の関連性」の両方を立証するために不可欠です。提出漏れや不備があると追加書類を求められ、審査が長引く可能性があるため、早めの準備を心がけましょう。
📢 【まずは状況を整理したい採用担当者さまへ】
「依頼するかはまだ決めていない」という段階でも大丈夫。条件のチェックや申請の流れを一緒に確認し、方向性を見極められます。
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5️⃣ よくある不許可ケースと注意点
新卒で「技術・人文知識・国際業務」ビザを申請する際、以下のようなケースでは不許可となる可能性が高くなります。
- 学歴と職務内容の不一致
例:経済学を専攻しているにもかかわらず、システムエンジニアとして採用するケース。
→ 学んだ内容と職務の関連性を明確に示せるよう、履修科目や研究内容と業務のつながりを説明する補足資料を準備しましょう。 - 給与水準が低すぎる
地域の最低賃金をわずかに上回る程度の給与では、「日本人と同等以上」という要件を満たしていないと判断されやすく、不許可リスクが高まります。
→ 業界水準を参考に、適正な給与額を設定することが大切です。 - 雇用契約書が不明確
勤務時間・勤務地・業務内容・職務内容の記載が曖昧だと、入管から「雇用関係が安定していない」と見なされることがあります。
→ 契約内容は具体的かつ明確に記載し、必要に応じて職務記述書(Job Description)を添付しましょう。 - 企業の経営状況に不安がある
赤字続きや決算書の提出不備がある場合、採用した外国人を安定して雇用できるか疑問視されます。
→ 決算内容に不安がある場合は、事業計画書など将来の安定性を示す追加資料を提出すると有効です。
不許可を避けるためには、 「学歴と業務の関連性」「適正な給与水準」「明確な雇用契約」「企業の安定性」 をしっかり証明することが重要です。
6️⃣ スムーズに進めるためのポイント
外国人留学生を新卒採用する際にビザ申請を円滑に進めるためには、以下の点を意識して準備を進めることが大切です。
- 早めの準備を徹底する
在留期限や卒業時期はあらかじめ決まっているため、直前の準備では間に合わないリスクがあります。少なくとも数か月前から申請準備を開始することをおすすめします。 - 学歴と職務内容の関連性を丁寧に補足する
卒業専攻と職務内容が直接的に結びつかない場合は、不許可の原因になりやすいため、「雇用理由書」や「職務内容説明書」を提出し、関連性を具体的に説明しましょう。 - 会社側の資料を事前に点検する
決算書や登記事項証明書など、企業の健全性を示す資料に不備があると審査が滞る可能性があります。最新の書類を準備し、必要があれば補足資料を添えると安心です。 - 専門家への相談を検討する
初めての採用や不安がある場合は、ビザ申請に詳しい専門家に相談することで、書類の不備や説明不足を防ぎ、スムーズな許可取得につながります。
まとめ
外国人新卒を「技術・人文知識・国際業務」ビザで採用する際には、学歴と職務内容の関連性、給与水準、企業の経営安定性が審査で特に重視されます。
不許可を避けるためには、以下の点が重要です。
- 企業側は、雇用契約書や決算書などの会社資料を正確に準備し、採用職務の専門性を明確に示すこと
- 学生本人は、卒業証明書や成績証明書などの学歴証明を揃え、学んだ内容と職務内容の関連性を補足できる体制を整えること
- 双方が協力し、入管に対して矛盾のない形で「継続的に安定した雇用・生活が可能」であることを説明すること
新卒採用のビザ申請は、学歴との関連性や企業側の体制を的確に示せるかどうかがカギになります。余裕を持った準備と、必要に応じた専門家の活用が、スムーズな在留資格取得への近道です。
📖 よくある質問(FAQ)
新卒で日本の大学を卒業すれば必ずビザは取れますか?
必ずしもそうではありません。専攻分野と職務内容の関連性、給与水準、会社の経営状況などが総合的に審査されます。特に専攻と業務内容の関連性が弱い場合は、不許可となるリスクがあります。
専門学校卒業者でも「技人国」ビザは取得できますか?
可能です。ただし、大学卒業者に比べて審査が厳しくなります。専攻と職務内容の関連性を客観的に証明できる資料を準備することが重要です。
初任給はどのくらい必要ですか?
地域の最低賃金をわずかに超える程度では不十分です。同じ業務に従事する日本人と同等以上の給与が求められます。一般的な目安として、月額20万円前後以上が望ましいとされています。
内定時点でビザ申請は可能ですか?
ビザ申請は、翌年4月入社予定者については前年12月1日から申請できます。申請時には卒業見込証明書を提出すればよく、在留カードの交付時に卒業証明書(または卒業証書)が必要になります。
採用企業側が準備すべき一番大切な書類は何ですか?
雇用契約書と会社の登記事項証明書です。雇用契約書は勤務条件や給与の適正性を明確に示すものであり、登記事項証明書は会社の存在と健全性を証明する重要な資料として審査で重視されます。
🗒️ 最後に――外国人新卒の採用を予定している企業の人事・採用ご担当者さまへ
新卒採用に伴う在留資格(技術・人文知識・国際業務)の申請では、学歴と職務内容の関連性や雇用契約書の記載内容、さらに申請時期のスケジュール管理が審査の大きなポイントになります。準備不足や書類の不備があると、内定者の入社が遅れるリスクもあります。
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