在留資格「定住者」とは?定住者ビザの概要をわかりやすく解説
「定住者」とは、法務大臣が特別な理由を考慮したうえで、一定の在留期間を指定して日本での居住を認める外国人を指します。
この「特別な理由」には、人権・人道的配慮に基づくものがあり、たとえば以下のようなケースが該当します。
- 特定の国からの難民
- 日系人など特別な背景を持つ方
📌「定住者」の2つの分類:「告示定住」と「告示外定住」
✅ 告示定住
告示定住とは、法務大臣が「告示」という形でその地位を明示した人々を対象とするものです。
「告示」とは、国や自治体などの公的機関が広く国民に向けて周知するために発表する情報で、内容は一般の方でも比較的簡単に調べることができます。
この類型には、次のような例が含まれます。
- 日系2世・3世など
- 一部の難民
✅ 告示外定住
一方、告示外定住は、告示には記載されていない定住資格です。
この類型は、「通達」という行政機関内部向けの文書で定義されており、行政の運用を統一するために使用されます。
主な例:
- 離婚定住(日本人配偶者と離婚した後も日本に残る)
- 死別定住(配偶者の死後も在留継続を希望)
- 日本人実子扶養定住(日本人の子どもを養育する立場)
これらは、個別の事情に応じて許可の可否が判断されるため、他のビザと比べて審査が厳しく、ハードルも高くなります。
⚠️「告示外定住」は海外からの新規申請は不可
法令上、「定住者」の資格で入国を認めるのは原則として「告示」に定められている者のみとされています。
そのため、「告示外定住」に該当する場合は、海外から在留資格認定証明書を取得しての入国(新規申請)はできません。
つまり、「告示外定住」はすでに日本国内に在留している外国人のみが対象であり、現在の在留資格からの変更申請によってのみ取得可能です。
「定住者」と「永住者」の違い
「定住者」と「永住者」は、どちらも外国人の身分や地位に基づいて付与される在留資格であり、いわゆる「身分系在留資格」に分類されます。そのため、いずれも就労制限がなく、ほぼすべての職種に就くことが可能という共通点があります。

✅ 共通点
- 就労の制限なし
→ 単純労働も含め、日本人と同様に幅広い職業に従事可能 - 週28時間以内の制限等もなし
→ 留学生や家族滞在のような「資格外活動許可」が必要な制限はない
「定住者」と「永住者」では何が違うか?
1️⃣ 在留期間の違い
- 永住者
→ 在留期間の制限がなく、更新手続きが不要。一度許可されれば、原則として永続的に日本に滞在可能。 - 定住者
→ 在留期間に制限があり、定期的に更新が必要。更新時に本人の就労状況や収入、生活基盤などが審査され、条件を満たさないと更新が不許可となる場合もあります。
📌 このため、「永住者」の方が在留資格としての安定性が高いと言えます。
2️⃣ 取得までの経路の違い
- 永住者
→ 原則として、他の在留資格(例:「技術・人文知識・国際業務」など)で長期間(通常10年以上)日本に在留し、かつ安定した収入・納税・素行などの要件をクリアすることで申請・取得可能。 - 定住者
→ 多くの場合、特定の身分関係(例:日本人の子を育てる外国人、日系人など)に基づいて初めから付与されることが多い。日本に初めて入国する際に「定住者」として認められるケースもあります。
3️⃣ ビザ取得の難易度
- 「永住者」は非常に厳格な審査基準があり、就労年数・収入・納税状況・年金保険料の支払い・素行等に関して高い水準が求められます。
- 一方、「定住者」は背景事情(人道的配慮、出生、離婚後の子の養育など)により柔軟に認められることがあるため、ケースによっては取得しやすい場合もあります。
🔍 まとめ
項目 | 永住者 | 定住者 |
---|---|---|
就労制限 | なし | なし |
在留期間 | 無期限(更新不要) | 有期限(更新が必要) |
更新の審査 | 不要 | 生活状況や収入により審査あり |
主な取得経路 | 長期在留実績+厳格な審査 | 特定の身分・家庭事情に基づく付与 |
安定性 | 高い | 条件により変動の可能性あり |
💡ポイント: 「定住者」は柔軟な在留資格である一方、更新ごとに審査があるため長期的な安定性には注意が必要です。
「永住者」は厳しい条件を満たす必要がありますが、一度取得できれば非常に安定した在留資格となります。
「告示定住」とは?よくある具体例と注意点
前述のように、「定住者」の在留資格には、大きく分けて「告示定住」と「告示外定住」があります。
ここでは「告示定住」について、代表的なケースや申請時のポイントをわかりやすく解説します。
✅ よくある「告示定住」のケース
とくに多いのが、日系人(例:日系ブラジル人や日系ペルー人)が「定住者」ビザを希望するケースです。
関東地方では群馬・栃木・茨城などの工業地域に多く居住しており、リーマンショック以降は減少したものの、現在でも一定数の申請が続いています。
その他の具体例は以下の通りです。
区分 | 告示定住の代表例 |
---|---|
(1) | タイ国内で一時的に保護されているミャンマー国民 |
(2) | 日系3世(日本人や元日本人の孫) |
(3) | 日本人または定住者の配偶者 |
(4) | 日本人、永住者、特別永住者、定住者の未成年かつ未婚の実子 |
⚠️ 学歴・職歴は不要。ただし「身分や地位」の証明が必須
「定住者」ビザは就労制限がなく、どんな仕事にも就くことが可能ですが、他の就労ビザと違い、学歴や職歴は不要です。
その代わりに、日本人との血縁関係や扶養関係を証明する必要があり、戸籍謄本や除籍謄本の提出などでそれを立証します。
特集:🧒「連れ子」を日本に呼び寄せるケース
他によくある例として、日本人と国際結婚した外国人の配偶者が、本国にいる自分の子どもを日本に呼び寄せるというケースがあります。
この場合、以下の要件を満たす必要があります。
📌 【要件】
- 子どもが20歳未満かつ未婚
- 来日後も両親と同居予定
- 両親に十分な扶養能力があること
- これまでの扶養実績(送金記録等)があること
⚠️ 【不許可になりやすいケースの例】
- 子どもの年齢が高い(特に18歳以上)
→ 自立可能とみなされやすく、入国の必要性が問われる - 両親と別居予定
→ 扶養関係がないと判断されやすい - 過去に扶養していない
→ 国際送金などでの継続的な支援が確認できない - 就労目的と疑われる場合
→ 「家計を助けるためのアルバイト」が目的と見なされると不許可
📝 【申請理由書の重要性】
「連れ子」を呼び寄せる理由はできるだけ具体的かつ丁寧に記載しましょう。
たとえば、
- 「祖父母が高齢となり子どもの養育が困難になった」
- 「今後の教育・進学のために日本で同居が必要」
など、家族としての真摯な事情を明確に伝える必要があります。
「告示外定住」とは?代表的なケースと許可の判断ポイント
「告示外定住」とは、法務省が定める在留資格告示に明記されていない定住者の在留資格のことです。
この在留資格は、日本で生活する外国人に身分上の変化が生じた場合などに、例外的に付与されるケースが中心となります。
✅ よくある「告示外定住」のケース
最も代表的な例が、「日本人の配偶者等」の在留資格で日本に滞在していた外国人の方が、日本人配偶者と離婚または死別した場合です。
こうしたケースでは、離婚や死別後も引き続き日本に滞在したい場合に、「定住者」への在留資格変更申請を行うことができます。
📌 許可の判断に影響する主な要素
入管では、以下のような事情を総合的に考慮し、在留資格の変更を許可するか否かを判断します。
条件 | 内容 |
---|---|
① | 生活基盤の有無:安定した収入または資産があるか |
② | 日本国籍の子どもがいるか:親権または監護権を有しているか |
③ | 結婚の実態:子どもがいない場合は、実態のある結婚生活が3年以上あるか |
④ | 離婚原因の所在:離婚理由が日本人配偶者に主な原因があるか |
⑤ | これまでの在留状況:法律違反がなく、真面目に暮らしてきたか |
👶 日本国籍の子どもがいる場合
- 子どもと日本国内で同居・養育していることがポイントになります。
- 結婚期間が1年程度でも、養育実態があれば変更が認められる可能性あり。
- 一方で、子どもを本国の親族に預けているような場合は、在留資格変更が認められないケースが多いです。
⚠️ 子どもがいない場合の注意点
- 最低でも3年以上の結婚生活が必要とされます。
- その間、実際に同居していたことや、婚姻生活に実態があったことを証明する書類(賃貸契約書、家族写真、送金履歴など)が求められることがあります。
📝 告示外「定住者」ビザを希望する場合のアドバイス
「告示外定住」は個別事情によって判断されるため、明確な基準が設けられていません。そのため、申請時には以下のような点を丁寧に説明することが重要です。
- どのような事情で離婚や死別に至ったのか
- 現在の収入や住居、生活の安定状況
- 子どもとの同居・養育状況
- これまでの在留中の態度(違法行為がないか 等)
申請理由書の内容や添付資料が大きなカギとなるため、申請前に専門家へ相談することを強くおすすめします。
🌟 定住者ビザの申請を検討されている方へ
在留資格「定住者」は、他の在留資格と比べて申請要件が個別に判断されるため、申請内容の説得力や書類の整合性が非常に重要です。
また、審査基準は年々厳格化しており、最新の傾向に即した対応が求められます。
しかし、これらの情報を得ようとしてもインターネットの情報は最新とは限らず、それを基にするAIはビザ申請のような専門的な手続きには不向きです。
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