永住権申請で自営業を始めたばかりの方へ|開業直後の必要資料と申請時期

永住権申請の準備をしている方の中には、
「会社を退職して、数か月前に自営業を始めたばかりだけれど、今申請してよいのだろうか」
「まだ自営業として一度も確定申告をしていない」
「日本人の配偶者には安定した収入があるが、自分が開業直後なのは問題になるのだろうか」
と不安に感じている方もいるのではないでしょうか。

結論からいうと、自営業を始めて間もないという理由だけで、永住許可申請ができないわけではありません。

一方、開業直後は、会社員だった時期の所得を示す資料はあるものの、現在の自営業については、確定申告や十分な事業実績がまだないということがあります。

そのため重要なのは、「自営業だから不利か」ということより、「会社員時代の所得から現在の事業までを、どのような資料でつなげて説明できるか」という点です。

そこで本記事では、永住許可申請を考えている時期に自営業を始めた外国人の方に向けて、開業直後だからこそ不足しやすい資料、会社員時代の所得と現在の事業のつなぎ方、日本人配偶者の収入との関係、申請を今進めるか少し待つかの判断ポイントを解説します。

当事務所では、開業時期や現在の事業状況、これまでの所得、配偶者の収入、税・年金・健康保険の状況などを確認し、永住許可申請を今進める場合と、少し待つ場合の違いを整理しています。

在留資格や永住許可の申請では、出入国在留管理庁が案内している一般的な必要書類だけを提出すればよいとは限りません。同じ在留資格でも、勤務先や家族構成、現在の在留状況などによって、案内にない資料でも提出した方がよい場合や、追加で事情を説明した方がよい場合があります。

AIやインターネット上の一般的な情報だけでは個別事情まで判断しにくく、「自分の場合は何を準備すればよいのか」「どのような点を確認しておいた方がよいのか」が分かりにくいことも少なくありません。

「いきなり依頼するのは不安」という方のために、初回相談は無料でご利用いただけます。

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1️⃣ 開業直後だから永住権申請ができないという一律の基準はありません

まず確認しておきたいのは、「開業してから○年以上経過していなければ永住許可申請はできない」という一律の期間基準が公表されているわけではないことです。

そのため、「自営業を始めたばかりだから、必ず1年間待たなければならない」と機械的に考える必要はありません。

ただし、開業直後は現在の事業について確定申告実績がなく、会社員の場合と比べて、現在の収入や事業の継続性を説明する資料が少ないことがあります。

そこで重要になるのが、「開業から何か月経ったか」ではなく、「現在の事業をどのような資料で示せるか」という視点です。

開業直後だから申請できないと考えるのではなく、まず現在そろっている資料と事業の状況を確認する必要があります。

2️⃣ 開業直後で整理が必要なのは、過去の所得と現在の職業にずれがあることです

会社員から自営業へ移った直後の永住許可申請では、「課税証明書には会社員時代の所得が記載されている」一方で、「申請時点の職業は自営業になっている」という状態が生じます。

たとえば、2026年7月に会社を退職し、2026年8月から個人事業を始めたとします。

この場合、2026年度の住民税課税証明書に反映されているのは、原則として2025年中の所得です。

そのため、課税証明書からは会社員だった時期の給与所得を確認できても、2026年8月に始めた現在の事業がどの程度の売上を上げているのかまでは分かりません。

さらに、開業後最初の確定申告をまだ迎えていなければ、現在の自営業についての確定申告書控えもありません。

このような場合に大切なのは、過去の給与所得だけを強調することでも、反対に会社員時代の状況を切り離して現在の事業だけを説明することでもありません。

会社員としての勤務・収入

退職

自営業を開始

現在の契約・売上

今後の事業継続

という時間の流れを整理します。

つまり、開業直後の永住権申請では、過去の所得資料と現在の職業との間に生じた「時間的なずれ」を、現在の事業資料でどのように補うかが重要になります。

3️⃣ 最初の確定申告前は、現在の事業を示す資料を組み合わせて考えます

永住許可申請の公式案内では、自営業等の場合の職業資料として、確定申告書控えの写しや営業許可書の写し(ある場合)が案内されています。

また、自営業等の方については、自ら職業等を立証する必要があるとされています。

しかし、開業直後で最初の確定申告前であれば、現在の事業を反映した確定申告書はまだありません。

その場合には、現在の事業実態を示すため、事情に応じて次のような資料を検討します。

  • 事業を開始した時期が分かる資料
  • 業務委託契約書や取引契約書
  • 請求書
  • 売上の入金が確認できる事業用口座
  • 帳簿や売上一覧
  • 店舗・事務所の賃貸借契約書
  • ホームページや事業案内
  • 必要な業種であれば営業許可書
  • 今後も継続する契約や受注状況が分かる資料

ただし、これらをすべて提出しなければならないという意味ではありません。

大切なのは、「確定申告書がまだないので、とにかく大量の資料を提出する」ことではなく、「現在どのような事業を行っており、実際にどの程度の売上があり、今後も継続する状況にあるのか」を必要な範囲で客観的に示すことです。

たとえば、継続的な業務委託契約書があれば、現在の契約関係や今後の取引継続を説明する材料になります。

事業用口座への入金記録があれば、実際に取引が始まっていることを確認できます。
請求書や帳簿があれば、売上の内容や推移を補足できます。

このように複数の資料を組み合わせることで、確定申告前でも、「事業を始めた事実」「現在の売上」「今後の継続性」をそれぞれ説明しやすくなります。

【自営業を始めたばかりで、永住許可申請の時期に迷っている方へ】

開業直後は、確定申告実績がまだなくても、現在の契約・売上、これまでの所得、配偶者の収入などから申請時期を検討できる場合があります。

当事務所では、「今申請する場合に不足する資料は何か」「最初の確定申告まで待つと何が変わるか」を比較しながら、永住許可申請の準備を整理しています。

「自営業を始めたばかりという理由だけで申請を見送るべきか迷っている」という方は、お気軽にご相談ください。

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※ 簡単なご相談は、LINEでも受け付けています (タップ/クリックで開きます)。

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4️⃣ 日本人の配偶者の場合は、本人の事業だけでなく世帯全体を確認します

日本人の配偶者として永住許可申請をする場合は、一般の就労資格から申請する場合と全く同じ考え方ではありません。

現行の永住許可ガイドラインでは、日本人、永住者または特別永住者の配偶者や子については、素行善良要件と独立生計要件への適合を要しないとされています。

そのため、「外国人本人が開業してまだ数か月だから、それだけで独立生計要件を満たさない」というかたちにはなりません。もっとも、「日本人の配偶者なら収入について何も確認されない」という意味でもありません。

実際の永住許可申請では、日本人の配偶者についても、申請人または申請人を扶養する方の職業を証明する資料や、所得・納税状況を証明する資料が求められています。

そのため、外国人本人が開業直後で、日本人配偶者に安定した勤務・収入がある場合には、本人の現在の事業だけを見るのではなく、

  • 日本人配偶者の収入
  • これまでの世帯収入
  • 現在の事業収入
  • 預貯金などの資産状況
  • 家族構成や生活費

なども含めて、現在の生活状況を確認します。

反対に、外国人本人が開業したのと同じ時期に日本人配偶者も退職しているなど、夫婦双方の収入が不安定になっている場合には、開業直後という事情をより慎重に確認する必要があります。

日本人の配偶者として申請する場合は、本人の事業実績だけを切り取って判断せず、世帯全体の状況とあわせて考えることが大切です。

5️⃣ 会社員から自営業へ移ったら、税金・年金・健康保険の切替も確認します

開業直後の永住許可申請で見落としたくないのが、会社を退職した前後の公的義務です。

会社員だったときは、厚生年金や勤務先の健康保険に加入し、住民税も給与から特別徴収されていた方が多いと思います。

退職して自営業へ移ると、状況によっては、

  • 厚生年金から国民年金へ切り替える
  • 勤務先の健康保険から国民健康保険等へ切り替える
  • 住民税が給与天引きから自分で納付する方法へ変わる

といった変化が生じます。

現行の永住許可ガイドラインでは、納税、公的年金、公的医療保険料、入管法上の届出等の公的義務を適正に履行していることが求められています。

また、申請時点で納付済みであっても、本来の納付期限内に履行していない場合には、原則として消極的に評価されるとされています。

そのため、会社員から自営業へ移った場合には、

退職日

勤務先の健康保険・厚生年金の資格喪失

新しい健康保険・年金への切替

税金・保険料の納期限

実際の納付状況

まで確認しておくことが重要です。

開業後の売上が順調でも、この切替時期に未加入期間や納付遅れなどが生じていれば、事業実績とは別の問題になります。

自営業を始めた場合は、収入や事業資料だけでなく、退職前後の税金・年金・健康保険についても確認しておきましょう。

6️⃣ 就労資格で会社員から独立した方は、現在の活動内容も確認しましょう

「技術・人文知識・国際業務」などの就労資格で在留している方が、会社員から自営業・フリーランスへ移った場合には、永住許可申請とは別に、現在行っている活動と在留資格との関係も確認しておく必要があります。

たとえば、

  • 契約形態が大きく変わった
  • 仕事内容が以前と変わった
  • 複数の取引先と業務委託契約を結ぶようになった
  • 自ら事業を経営する形態へ変わった

といった場合です。

現在の在留資格によって認められる活動には範囲がありますので、「収入があるから問題ない」と考えず、現在の活動が在留資格上どのように整理されるのかを確認したうえで、永住許可申請を検討することが大切です。

日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者など、就労活動に原則として制限のない在留資格の場合とは、この点で事情が異なります。

7️⃣ 今申請するか待つかは、「何か月待つか」ではなく「何が変わるか」で判断します

開業直後の方にとって、最終的に最も気になるのは、「今、永住権申請をしてよいのか」それとも、「最初の確定申告などを待った方がよいのか」という点ではないでしょうか。

この判断で重要なのは、「開業後何か月なら大丈夫か」という数字を探すことではありません。「待つことによって、申請時の資料が具体的にどう変わるのか」を確認します。

たとえば、

  • 開業してまだ2か月
  • 最初の確定申告前
  • 売上実績も2か月だけ
  • 継続契約がまだ少ない
  • 配偶者にも安定した収入がない
  • 預貯金も多くない

という状況であれば、一定期間待つことで売上実績や契約実績が増え、最初の確定申告も終わる可能性があります。

この場合には、待つことで現在の事業を客観的に示せる資料が増えるという具体的な意味があります。

一方、

  • 開業前まで長期間安定して勤務していた
  • すでに複数の継続契約がある
  • 毎月一定の売上と入金を確認できる
  • 日本人配偶者にも安定した収入がある
  • 税金、年金、健康保険にも問題がない

という場合には、「自営業を始めたばかり」という一点だけを理由として、機械的に1年間待つべきとは限りません。

また、数か月待っても現在の状況がほとんど変わらないのであれば、単に時間だけを空けることに大きな意味がない場合もあります。

したがって、申請時期を考えるときは、「何か月待てば大丈夫か」ではなく、「今申請すると何の説明が不足するのか」「待つことで、どの資料が新たにそろうのか」を比較することが大切です。

📖 FAQ(よくある質問)

自営業を始めて3か月でも永住許可申請はできますか?

開業後の最低期間を一律に定めた基準が公表されているわけではありません。

そのため、開業3か月だから申請できないとは一概にいえません。現在の契約・売上・入金状況などを確認し、事業実態をどの資料で説明できるかを検討します。

まだ自営業として一度も確定申告していません。永住権申請はできますか?

確定申告前だから一律に申請できないわけではありません。

ただし、自営業者は自ら職業等について立証する必要があるため、最初の確定申告前であれば、契約書、請求書、入金記録、帳簿など、現在の事業実態を示す資料を事情に応じて検討します。

開業届は永住許可申請の必須書類ですか?

入管が案内する標準的な必要書類では、自営業者について確定申告書控えや営業許可書等が挙げられており、開業届がすべての自営業者に一律の必須資料として掲げられているわけではありません。

ただし、開業直後で確定申告書がまだない場合には、事業を開始した時期を示す補足資料の一つとして検討できます。

なお、国税庁の現行案内では、個人事業の開業・廃業等届出書の提出期限は、事業開始日の属する年分の所得税の確定申告期限までとされています。

日本人の配偶者に収入があれば、自分が開業直後でも問題ありませんか?

配偶者に収入があるという理由だけで永住許可されるわけではありません。

ただし、日本人の配偶者として申請する場合には、本人の事業収入だけでなく、日本人配偶者の収入を含めた世帯全体の状況も確認して申請時期を検討します。

最初の確定申告が終わるまで待った方がよいですか?

必ず待つ必要があるとは限りません。

確定申告を待つことで現在の事業所得を客観的に示しやすくなるのであれば、待つことには意味があります。反対に、すでに十分な契約・売上実績などが確認できる場合には、他の事情も含めて申請時期を判断します。

最後に――開業直後の永住権申請は「今出す場合」と「待つ場合」を比較しましょう

開業直後の永住権申請では、「自営業を始めたばかり」という一点だけで申請時期を決めるのではなく、現在の事業実績、これまでの所得、世帯の生活状況、税金・年金・健康保険等の履行状況を確認することが重要です。

特に大切なのは、「今申請すると何が不足するのか」「待つことで何がそろうのか」を比較することです。

特に次のような場合は、申請前に一度整理しておくとよいでしょう。

✅ 会社を退職してから間もなく自営業を始めた
✅ 開業後まだ一度も確定申告していない
✅ 課税証明書には会社員時代の所得しか記載されていない
✅ 現在の事業を何の資料で示せばよいか分からない
✅ 日本人配偶者の収入を含めて考えてよいのか分からない
✅ 退職後に年金・健康保険が切り替わっている
✅ 今申請するか、最初の確定申告後まで待つか迷っている

当事務所では、会社員時代の所得資料、開業後の事業資料、日本人配偶者を含めた世帯の収入状況、税金・年金・健康保険の履行状況などを確認し、現在申請する場合と、一定期間待つ場合の違いを整理しています。

「永住権申請の準備中に独立したため、このまま申請してよいのか分からない」「確定申告を待った方がよいのか、自分では判断できない」という方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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