就労ビザの申請で提出する書類は「カテゴリー」によって異なります
「技術・人文知識・国際業務」「経営・管理」などの就労ビザでは、外国人を雇用する企業の規模に応じてて1〜4の「カテゴリー」に分類されます。
カテゴリー1は上場企業などの大規模な企業、カテゴリー4は設立1年以内の新設企業が該当し、数字が小さいほど企業規模が大きくなります。

わざわざ外国人の方を海外から呼んでおきながら、会社の経営が行き詰まり、給与が支払えなくなると国際問題に発展する可能性があります。そのため、就労ビザの審査では、外国人が安定して働けるよう、企業側に「事業の継続性」と「安定性」が求められます。
規模の大きな企業は、これらの条件を満たしていると判断されやすいため、カテゴリーの分類に応じて提出する書類の種類や量が異なります。規模が大きい企業ほど審査のハードルが低く、提出書類も少なくなる仕組みになっています。
次に、カテゴリーごとの分類基準や、どのような企業がどのカテゴリーに該当するのか、さらに具体的に必要となる書類の違いについて詳しく解説していきます。
🔹カテゴリーの分類の仕方
就労ビザのカテゴリー分類において、企業の規模を判断する際には、売上金額や従業員数といった一般的な指標は用いられません。代わりに、株式の上場状況や公的機関への所属の有無、そして「源泉徴収票等の法定調書合計表」を基準として判断されます。
✅「法定調書」とは?
法定調書とは、所得税法や相続税法、租税特別措置法などに基づき、企業が税務署に提出しなければならない書類の総称です。その中でも、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」は、給与所得の源泉徴収額の合計などを記載した書類であり、就労ビザのカテゴリー分類の基準となる重要な資料です。
✅「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」の役割
この書類は、企業が従業員を雇用している場合や、フリーランスに業務を発注して支払調書を発行する取引を行っている場合に、毎年必ず作成しなければならないものです。前年の支払確定分を取りまとめ、毎年1月31日までに税務署へ提出する義務があります。もし、該当する書類が不明な場合は、税務処理を担当している税理士や経理担当者に確認することをおすすめします。
🔹1~4のカテゴリーに当てはまる会社の基準(参考:出入国在留管理局Webサイト)
次はどのような会社がどのカテゴリーに当てはまるのかをカテゴリーごとに見ていきます。
カテゴリー1
カテゴリー1に該当するのは、日本の証券取引所に上場している企業や、公的機関・公益法人など、事業の継続性と安定性が高いと認められる法人・団体です。具体的には、以下のような企業や団体が該当します。
📌【カテゴリー1に該当する企業・団体】
- 日本の証券取引所に上場している企業
- 保険業法に基づき設立された保険業を営む相互会社
- 日本または外国の国・地方公共団体
- 独立行政法人、特殊法人、認可法人
- 日本の国・地方公共団体が認可した公益法人
- 株式会社日本政策金融公庫などの法人税法別表第1に掲げる公共法人
- イノベーション促進のための支援措置を受けている機関
また、以下の条件を満たす企業・団体も、カテゴリー1として認定されます。該当する場合は、申請時に認定証等の写しを提出する必要があります。
⚠️【特定の認定を受けている企業・団体など】
<認定機関から以下の認定を受けている場合>
- ユースエール認定企業
- くるみん認定企業 または プラチナくるみん認定企業
- えるぼし認定企業 または プラチナえるぼし認定企業
- 安全衛生優良企業
- 職業紹介優良事業者
- 製造請負優良適正事業者
- 優良派遣事業者
- 健康経営優良法人
<その他、以下の条件を満たす場合>
- 地域未来牽引企業の選定を受けている
- 空港管理規則上の第一類構内営業者または第二類構内営業者の承認を受けている
- 内部通報制度認証(自己適合宣言登録制度)登録事業者として登録を受けている
カテゴリー2
カテゴリー2に該当するのは、前年分の「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」において、源泉徴収税額が1,000万円以上ある団体・個人事業主です。一般的に、源泉徴収税額が1,000万円以上の企業は、従業員数が数百人規模の中堅・大企業に該当することが多くなります。
また、カテゴリー1およびカテゴリー4の機関を除く、「在留申請オンラインシステム」の利用申出の承認を受けている機関もカテゴリー2に分類されます。ただし、この承認を受けるためには登録支援機関の認定を受ける必要があります。
登録支援機関の認定を受けるには、最低でも「申請者取次者」としての承認を受けていること、またはその要件を満たしている常勤の従業員が在籍していることが条件とされており、一定の規模を持つ企業でないと難しいケースが多いです。
以上のことをまとめると、カテゴリー2に該当する企業の特徴は次のようになります。
- 源泉徴収税額が1,000万円以上ある企業(通常従業員数が数百人規模)
- 在留申請オンラインシステムの利用申出が承認され、登録支援機関の認定を受けているを受けている企業(申請者取次者の要件を満たす常勤の従業員が必要)
カテゴリー2に該当する企業は、一定の規模と事業の安定性があると見なされるため、就労ビザ申請時の提出書類がカテゴリー3やカテゴリー4の企業と比較すると少なくなるというメリットがあります。
カテゴリー3
カテゴリー3に該当するのは、前年分の「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」を提出している団体・個人事業主のうち、源泉徴収税額が1,000万円未満である企業です。
簡単に言うと、新設企業ではなく、カテゴリー2に該当しない企業がカテゴリー3に分類されます。
そのため、日本国内の中小企業や個人事業主の多くがこのカテゴリーに該当すると考えられます。
カテゴリー3の企業は、事業の継続性や安定性の証明がカテゴリー1・2の企業と比べて難しいため、就労ビザ申請時には事業の安定性や雇用の実態を証明する追加書類の提出を求められることがあります。そのため、申請時には、会社の経営状況や業務内容を詳細に説明する資料を準備することが重要です。
カテゴリー4
カテゴリー4に該当するのは、カテゴリー1~3のいずれにも当てはまらない企業です。具体的には、前年分の「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」を提出していない会社が該当します。
カテゴリー4は、企業の実績がまだ確認できないため、就労ビザの審査が最も厳しくなる傾向があります。特に、新設企業は事業の安定性や継続性を証明するための書類が求められることが多く、以下の点を重点的に準備する必要があります。
💡【カテゴリー4で審査を通過するためのポイント】
- 事業計画書の提出
会社のビジョンや今後の成長戦略を明確に記載し、安定した経営基盤を証明する必要があります。 - 資本金の適正性
適切な資本金を設定し、運転資金の確保を示すことが重要です。 - 取引先との契約書や発注書の提出
実際のビジネスが稼働していることを証明するために、取引先との契約書や発注書などの書類を提出すると審査がスムーズになります。
カテゴリー4の企業が外国人を採用する際には、「雇用理由書」などの補足資料を充実させることが、許可を取得するための重要なポイントとなります。
カテゴリーによる具体的な違い(参考:出入国在留管理局Webサイト)
就労ビザのカテゴリーによる違いとして、「提出書類の違い」と「審査期間の違い」があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
1️⃣ 提出書類の違い
カテゴリーごとに最も明確な違いは、申請時に必要な提出書類です。
まず、1~4のどのカテゴリーに該当する場合でも、以下の書類は共通して提出する必要があります。
📌【カテゴリー共通の提出書類】
- 在留資格認定証明書交付申請書(※写真〈縦4cm×横3cm〉を貼付)
- 源泉徴収票等の法定調書合計表など(所属機関がどのカテゴリーに該当するかを証明する書類)
- 専門学校を卒業した方の場合、学位取得を証明する文書
- 派遣契約に基づく就労の場合、派遣先の労働条件通知書や雇用契約書の写し
しかし、カテゴリー3やカテゴリー4の企業の場合は、上記の共通資料に加えて、追加の提出書類が求められます。
⚠️【カテゴリー3で追加提出が求められる書類】
- 労働条件通知書や雇用契約書の写し
- 卒業証明書・履修事項証明書
- 登記事項証明書
- 会社パンフレット
- 直近年度の決算書の写し
⚠️【カテゴリー4でさらに追加提出が求められる書類】
- 給与支払事務所等の開設届書
カテゴリー3・4の企業は、事業の安定性や継続性を証明するための書類を多く提出する必要があるため、申請の準備には十分な時間を確保しておきましょう。
2️⃣ 審査期間の違い
前述のように、カテゴリー3・4の企業では提出書類が多くなるため、審査に要する時間も長くなる傾向があります。
特にカテゴリー4の企業は、新設企業が多いため、事業の安定性や継続性の審査に時間がかかりやすいです。
一方で、カテゴリー1・2の企業は信用度が高く、提出書類も少ないため、比較的早く審査が完了する傾向にあります。
以上が、就労ビザのカテゴリーによる違いについての解説です。カテゴリーによって必要書類や審査期間に違いがあるため、申請前にしっかりと準備を行うことが重要です。
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就労ビザの申請では企業の規模や種類によって必要書類が異なり、適切な準備をしないと審査が長引いたり、不許可となるリスクもあります。
しかし、申請に必要な情報を得ようとしてもインターネットの情報は最新とは限らず、それを基にするAIはビザ申請のような専門的な手続きには不向きです。
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