永住権申請で副業収入がある場合|本業との関係・資格外活動・税金資料を解説

永住権の申請を考えている会社員の方の中には、本業とは別に副業をしている方もいると思います。

たとえば、
「本業以外にも副業収入があるが、永住申請ではどう扱えばよいのだろうか」「本業と副業を合わせれば年収が高くなるので、永住申請でも有利になるのだろうか」
「確定申告をしているが、副業の契約書や入金記録まで提出した方がよいのだろうか」

と迷うことがあります。

永住許可申請を考える外国人会社員がパソコンとスマートフォンで副業をしている様子

永住許可の審査では、副業をしていること自体よりも、将来において安定した生活が見込まれるか、公的義務を適正に履行しているか、現在の在留資格に応じた活動を適切に行っているかといった点が重要になります。副業収入が多ければ、それだけで永住許可に有利になるというものではありません。

この記事では、会社員として本業を続けながら、アルバイト、業務委託、フリーランスなどによる副業収入がある方を対象に、本業との関係、資格外活動許可、確定申告・税金、申請資料の整理方法について解説します。

当事務所では、永住許可申請に関するご相談から、本業と副業の収入整理、在留資格との関係の確認、税資料・確定申告書のチェック、必要に応じた補足説明書の作成まで対応しています。副業収入をどこまで申請資料に含めるべきか迷っている方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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※2026年8月4日には、永住許可に関するガイドラインの改定案が公表されています。収入に関する審査についても新しい取扱いが予定されているため、最新の改定内容については、別記事「2026年の永住許可ガイドライン改定案を解説」もあわせてご確認ください。

1️⃣ 副業収入があるかどうかで直ちに永住許可申請が有利・不利になるわけではありません

まず、副業をしているという事実だけで、永住許可申請が有利・不利になるわけではありません。

現在の永住許可ガイドラインでは、独立の生計を営むに足りる資産または技能を有し、将来において安定した生活が見込まれることなどが求められています。

副業の有無そのものが、独立した許可要件として定められているわけではありません。

そのため、会社員として安定した給与収入があり、それとは別に適法な副業から継続的な収入を得ているのであれば、その副業収入も申請人の経済状況を説明する一つの事情にはなります。

ただし、「副業収入が多いほど永住許可に有利になる」と単純に考えるのは適切ではありません。

たとえば、本業の給与が400万円、副業から100万円の収入がある場合でも、「合計500万円だから永住申請で有利」と単純に判断できるものではありません。

本業が安定して継続しているのか、副業収入が継続的なものなのか、その副業を今後も続けられるのか、副業自体に在留資格上・税務上の問題がないのか、といった事情も確認する必要があります。

副業収入を永住申請で考えるときは、まず本業による生活基盤を確認し、そのうえで副業収入の継続性や位置付けを整理すると分かりやすくなります。

2️⃣ 副業の金額より先に、現在の在留資格で行える活動か確認しましょう

副業収入がある方が最初に確認したいのは、収入額ではなく在留資格との関係です。

外国人の方が副業をできるかどうかは、「副業」「アルバイト」「業務委託」といった契約の名称だけで決まるものではありません。実際にどのような仕事をするのかが重要です。

たとえば、「技術・人文知識・国際業務」で在留している方が、別の会社等でも現在の在留資格に該当する専門的な仕事をする場合と、現在の在留資格では認められていない別分野の仕事をする場合とでは、扱いが異なります。

現在の在留資格で認められている活動以外の報酬を受ける活動を行う場合には、原則として、あらかじめ資格外活動許可を受ける必要があります。

一方、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者など、就労活動について原則として制限のない在留資格もあります。

また、「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格で副業をする場合には、本業の勤務先が副業を認めているかどうかと、在留資格上その副業を行えるかどうかは別の問題です。

本業の会社が副業を認めていても、副業の仕事内容が現在の在留資格で認められていない活動であれば、会社の承諾だけで行えるわけではありません。この場合には、資格外活動許可が必要かどうかを確認する必要があります。

反対に、本業を続けながら、別の会社等と業務委託契約などを結び、現在の「技術・人文知識・国際業務」の範囲内に当たる翻訳・IT・マーケティング等の仕事を継続的に行う場合もあります。

「技術・人文知識・国際業務」の対象となる契約は、正社員としての雇用契約に限られません。雇用のほか、委任・委託等の契約も含まれ、特定の機関との継続的な契約であれば複数でも構いません。

このような場合、副業の仕事内容が現在の在留資格の範囲内であれば、原則として資格外活動許可を受けて行う活動ではありません。

ただし、「技術・人文知識・国際業務」など一定の在留資格では、新たな契約機関と契約を締結した場合、原則として14日以内に入管へ所属(契約)機関に関する届出を行う必要があります。

そのため、副業がある場合には、

  • 本業の勤務先のルール上、副業が認められているか
  • 副業の仕事内容が現在の在留資格の範囲内か
  • 在留資格の範囲外であれば、資格外活動許可が必要か
  • 在留資格の範囲内で別の会社等と新たに契約した場合、入管への届出が必要か

を分けて確認することが大切です。

3️⃣ 本業の安定性と副業収入は、分けて整理しましょう

副業収入がある場合、本業と副業を最初から一つの「年収」としてまとめるのではなく、それぞれの収入の性質を分けて整理することが大切です。

本業については、

  • 勤続期間
  • 現在の在職状況
  • 給与水準
  • 今後も継続して勤務する見込み

などを確認します。

一方、副業については、

  • どのくらいの期間続けているか
  • 毎年どの程度の収入・所得があるか
  • 年による金額の変動が大きくないか
  • 現在も継続しているか

といった点を確認します。

たとえば、毎年ほぼ同程度の副業収入が継続している場合と、その年だけ大きな案件があり一時的に収入が増えた場合では、将来の生活の安定性を考えるうえで、収入の性質が異なります。

また、副業収入が本業を大きく上回るようになっている場合には、収入額だけでなく、現在の契約状況や実際の活動内容が、現在の在留資格と整合しているかについても確認した方がよいでしょう。

そのため、永住許可申請では、本業と副業の金額を単純に合計するだけではなく、それぞれの収入の継続性や性質を整理したうえで、全体として将来の安定した生活が見込めるかを考えることが大切です。

副業収入がある状態で永住申請を検討している方へ】

副業収入がある永住許可申請では、収入額だけでなく、現在の在留資格で行える活動か、必要な資格外活動許可や入管への届出に適切に対応しているか、確定申告・住民税が適切に処理されているかなども確認することが大切です。

当事務所では、本業と副業の収入関係、在留資格との関係、税資料・確定申告書の内容などを確認したうえで、永住許可申請の資料をどのように整理するかについてご相談いただけます。
副業収入を永住申請でどのように扱えばよいか迷っている方は、お気軽にご相談ください。

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ご相談後、申請全体のサポートや必要な部分だけのサポートをご依頼いただくことも可能です。

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副業収入がある状態で永住申請を検討している方へ】

副業収入がある永住許可申請では、収入額だけでなく、現在の在留資格で行える活動か、必要な資格外活動許可や入管への届出に適切に対応しているか、確定申告・住民税が適切に処理されているかなども確認することが大切です。

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4️⃣ 副業の種類によって、税務上の所得区分や金額の見方が変わります

「副業」と一言でいっても、税務上の扱いは同じではありません。

たとえば、別の会社と雇用契約を結んで働いている場合には、その給与は給与所得となります。

一方、業務委託などで仕事をしている場合には、その活動の実態によって、事業所得や業務に係る雑所得などに区分されることがあります。

国税庁では、業務に係る雑所得について、副業に係る収入のうち営利を目的とした継続的なものとし、原則として総収入金額から必要経費を差し引いて所得金額を計算するとしています。

そのため、副業で100万円の収入がある=所得100万円とは限りません。

たとえば、業務委託による収入が100万円あっても、その収入を得るために必要な経費がある場合には、所得金額は100万円より少なくなります。事業所得についても、基本的には総収入金額から必要経費を差し引いて所得金額を計算します。

この「収入」と「所得」の違いは、永住許可申請の資料を確認するときにも重要です。

副業をしている方の場合、

  • 本業からどの程度の給与収入・給与所得があるか
  • 副業からどの程度の収入があるか
  • 必要経費を差し引いた副業の所得はいくらか
  • 確定申告書ではどのような所得区分・金額で申告されているか
  • 課税証明書には本業と副業を含めてどのような所得が反映されているか

を整理しておくと、それぞれの金額の関係が分かりやすくなります。

特に副業について確定申告をしている場合、本業の源泉徴収票だけでは、課税証明書に記載された所得全体の内訳を説明できないことがあります。

この場合は、金額が異なっていること自体を問題と考えるのではなく、本業と副業の収入・所得がどのように確定申告書や課税証明書へ反映されているのかを確認できる状態にしておくことが大切です。

また、副業に伴って所得税や住民税の申告・納付が必要な場合には、適切な時期に対応しているかについても確認しておきましょう。

現在の永住許可ガイドラインでは、納税などの公的義務を適正に履行していることが求められており、申請時点で納付済みであっても、本来の納付期限内に履行していない場合は原則として消極的に評価されるとされています。

5️⃣ 副業関係の資料は、必要に応じて補足しましょう

就労資格から永住許可申請をする場合、出入国在留管理庁は、職業を証明する資料のほか、住民税の課税・納税証明書、住民税を適正な時期に納めていることを証明する資料、国税5税目について未納がないことを証明する納税証明書などを案内しています。

会社員の場合には、職業を証明する資料として在職証明書を提出するのが一般的です。

一方、副業をしているからといって、副業先との契約書や請求書、振込記録などが一律に必須資料となるわけではありません。

ただし、次のような場合には、副業関係の資料を補足することを検討できます。

  • 副業による収入・所得が、生活の安定性を説明するうえで重要な位置を占めている場合
  • 本業の源泉徴収票だけでは、課税証明書に記載された所得全体の内訳が分かりにくい場合
  • 副業収入の内容や継続性を資料から説明した方が分かりやすい場合
  • 確定申告書だけでは副業の具体的な内容が分かりにくい場合

補足資料としては、副業の形態に応じて、

  • 確定申告書控え
  • 副業先の源泉徴収票
  • 業務委託契約書
  • 支払調書(交付されている場合)
  • 報酬の振込記録
  • 副業の内容や継続状況を簡潔に説明した書面

などが考えられます。

ただし、これらをすべて提出する必要があるわけではありません。

たとえば、別の会社から給与を受けている副業であれば、副業先の源泉徴収票などから収入内容を確認しやすい場合があります。

一方、業務委託やフリーランスによる副業では、確定申告書だけでは具体的な仕事内容や収入の継続性が分かりにくいこともあるため、必要に応じて契約書や振込記録などを補足することを検討します。

会社員として本業があり、副業も行っている場合には、副業関係の資料を機械的にすべて追加するのではなく、「この資料によって何を説明するのか」を考えて選ぶことが大切です。

副業の規模が小さく、申請全体への影響も小さい場合と、副業による所得が大きく、生活の安定性を説明するうえで重要な位置を占めている場合とでは、必要となる資料や説明の程度も異なります。

📖 FAQ(よくある質問)

副業収入は本業の年収に足して考えてよいですか?

税務上、副業分を含めた所得が課税証明書などに反映されることはあります。ただし、永住許可申請では単純な合計額だけでなく、本業の安定性、副業の継続性、在留資格との関係、税務処理なども含めて確認した方がよいでしょう。

そのため、「本業400万円+副業100万円だから500万円」とだけ考えるのではなく、それぞれの収入の性質を分けて整理することが大切です。

副業収入は必ず申請資料に追加して説明した方がよいですか?

一律ではありません。ただし、副業による所得が課税証明書や確定申告書に反映されており、本業の源泉徴収票だけでは課税証明書に記載された所得全体の内訳が分かりにくい場合には、補足資料を検討した方が分かりやすいことがあります。

副業をしている場合、資格外活動許可は必ず必要ですか?

必ず必要とは限りません。資格外活動許可が必要かどうかは、「副業かどうか」ではなく、その活動が現在の在留資格で認められている範囲に含まれているかによって判断します。

現在の在留資格や具体的な業務内容によって扱いが異なるため、分からない場合には副業の内容を具体的に確認する必要があります。

副業所得が20万円以下なら、永住申請でも気にしなくてよいですか?

そうとは限りません。「20万円」という基準は、一定の給与所得者について所得税の確定申告が不要となる場合に関係するものであり、在留資格上その副業を行えるかどうかとは別の問題です。
また、所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要となる場合があります。

副業所得が20万円以下だから、永住許可申請でも何も確認しなくてよいということにはなりません。

副業はすでにやめていますが、過去の課税証明書に所得が載っています。説明は必要ですか?

必ず説明書が必要になるわけではありません。
ただし、過去の課税証明書には高い所得額が記載されている一方、現在の収入が大きく減っている場合などには、その差が何によるものか整理しておいた方が分かりやすいことがあります。

現在は終了している副業であれば、その点も含めて現在の生活状況を整理します。

最後に――副業収入は「金額」だけで判断しないことが大切です

永住許可申請で副業収入がある場合、副業があること自体を過度に心配する必要はありません。

一方で、副業収入がある=年収が増える=永住申請に有利と単純に考えるのも適切ではありません。

特に、次のような場合は申請前に一度整理しておくと安心です。

✅ 本業とは別に継続的な副業収入がある
✅ 業務委託・フリーランスとして報酬を受けている
✅ 確定申告をしている
✅ 本業の源泉徴収票だけでは、課税証明書に記載された内訳が分かりにくい
✅ 資格外活動許可が必要だったか自信がない
✅ 副業収入を永住申請で積極的に示すべきか迷っている
✅ 本業より副業収入の方が大きくなっている

当事務所では、永住許可申請に関するご相談から、本業・副業の収入関係の整理、在留資格との関係、税資料・確定申告書の確認、必要に応じた補足説明書の作成まで対応しています。

「副業収入はあるが、どこまで資料を出した方がよいのか分からない」という方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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