外国人の在留資格変更が入社日に間に合わない場合|企業の対応と就労開始の注意点

外国人を採用した企業の中には、

「在留資格変更の申請は済んでいるのに、入社予定日までに許可が出なかった」
「申請中であれば、とりあえず出社してもらってもよいのだろうか」
「正式な業務はさせず、研修だけ先に受けてもらうことはできないだろうか」

と悩む人事・採用担当者の方もいるのではないでしょうか。

在留資格変更の許可が入社日に間に合わず外国人社員の就労開始時期を確認する企業担当者

特に、留学生を4月入社で採用する場合には、「留学」から「技術・人文知識・国際業務」などへの変更申請が集中するため、予定どおりに審査が終了しないことがあります。

ここで企業が注意したいのは、在留資格変更許可申請を提出していることと、新しい仕事を開始できることは別の問題だという点です。

変更許可が出ていない場合、現在の在留資格では認められていない仕事を開始させると、不法就労の問題につながる可能性があります。

また、就労を開始できない場合には、入社日の延期や自宅待機など、雇用契約上の対応も検討する必要があります。

本記事では、在留資格変更許可申請が審査中のまま入社予定日を迎えた企業向けに、許可前の就労可否、留学生採用での注意点、研修・自宅待機・入社日延期への対応、許可後の就労開始までの流れを解説します。

当事務所では、外国人採用に関する在留資格変更許可申請から、審査中に入社予定日を迎えた場合の対応、企業側の追加資料対応までサポートしています。「入社予定日になったのにまだ許可が出ていない」という企業様は、就労を開始させる前にお気軽にご相談ください。

在留資格や永住許可では、出入国在留管理庁が案内している一般的な必要書類だけを提出すればよいとは限りません。同じ在留資格でも、勤務先や家族構成、現在の在留状況などによって、案内にない資料でも提出した方がよい場合や、追加で事情を説明した方がよい場合があります。

しかし、AIやインターネット上の一般的な情報だけでは個別事情まで判断しにくく、「自分の場合は何を準備すればよいのか」「どのような点を確認しておいた方がよいのか」が分かりにくいことは少なくありません。

そのような場合は、申請を進める前に専門家へ相談し、今後の進め方を確認しておくこともできます。

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1️⃣ 在留資格変更が入社日に間に合わない場合、就労を開始できる?

最初に企業が確認すべきなのは、採用予定者が現在持っている在留資格と、入社後に予定している仕事内容です。

在留資格変更許可申請を提出しただけでは、在留資格は変更されません。

そのため、原則として、変更許可を受けるまでは現在の在留資格で認められている活動の範囲で判断する必要があります。

例えば、次のようなケースでは対応が異なります。

「留学」から「技術・人文知識・国際業務」への変更申請中

留学生を正社員として採用するために変更申請を行っている場合、許可前に「技術・人文知識・国際業務」としての仕事を開始することはできません。

資格外活動許可を受けている場合でも、その許可だけで通常のフルタイム勤務を開始できるわけではありません。

また、すでに学校を卒業している場合には、資格外活動許可の取扱いにも注意が必要です。

「家族滞在」から就労資格への変更申請中

「家族滞在」の在留資格では、資格外活動許可を受けている場合に、原則として週28時間以内などの範囲で就労が認められることがあります。

ただし、変更申請中であることを理由に、新しい就労資格を前提としたフルタイム勤務が認められるわけではありません。

現在の資格外活動許可の条件と、実際に予定している勤務内容を確認する必要があります。

すでに就労可能な在留資格を持っている場合

現在「技術・人文知識・国際業務」などの就労資格を持っており、新しい勤務先での仕事内容もその在留資格の範囲に含まれる場合には、変更許可を待たずに就労できるケースもあります。

ただし、「高度専門職1号」のように所属機関が指定されている在留資格では、勤務先の変更に伴って在留資格変更許可申請が必要となります。

したがって、変更申請中だから全員働けないというわけではありませんが、現在の在留資格で新しい勤務先の仕事を行えるか、個別に確認することが重要になります。

2️⃣ 卒業した留学生は、資格外活動許可が残っていても注意が必要

新卒留学生の採用で特に注意したいのが、学校卒業後の資格外活動許可の取扱いです。

「留学」の在留資格を持つ学生は、資格外活動許可を受けていれば、原則として週28時間以内などの範囲でアルバイトを行うことができます。

そのため、企業によっては、「技人国の許可がまだ出ていないので、週28時間以内だけ勤務してもらおう」と考えることがあるかもしれません。

しかし、留学生に対する包括的な資格外活動許可は、教育機関に在籍している間に限り有効です。

例えば、

  • 3月に大学を卒業した
  • 4月1日から正社員として入社予定だった
  • 「留学」から「技術・人文知識・国際業務」への変更申請は審査中
  • 在留カードの裏面には資格外活動許可の記載が残っている

という場合です。

このようなケースでは、在留カードに資格外活動許可の記載が残っていることだけを理由に、週28時間以内の勤務を開始させることはできません。

卒業後に新しい就労資格への変更許可がまだ出ていない場合には、原則として、その就労資格に基づく業務の開始を待つ必要があります。

3️⃣ 在留期限を過ぎている場合に「特例期間中から働ける」とは限らない

入社予定日までに在留資格変更の許可が出ない場合、現在の在留期限が近づいている、またはすでに過ぎていることもあります。

在留期限までに在留資格変更許可申請を行った場合、一定の条件を満たしていれば、結果が出ないまま在留期限を迎えても、引き続き日本に在留できる「特例期間」が認められます。

特例期間は、次のいずれか早い時までです。

  • 在留資格変更許可申請に対する処分がされる時
  • 従前の在留期間満了日から2か月を経過する日の終了時

ただし、特例期間は、新しい在留資格による就労を先に認める制度ではありません。

出入国在留管理庁は、特例期間中について、従前の在留資格で在留し、従前の活動を行うことができると説明しています。

また、特例期間が認められる場合でも、必ず2か月間在留できるという意味ではありません。申請に対する処分が先に行われれば、その時点で特例期間は終了します。

企業としては、在留期限と申請の受付状況を確認し、特例期間の終了時期にも注意しておく必要があります。

なお、オンライン申請では、在留カードの裏面に申請中の記載がされないため、申請受付のメールなどで受付状況を確認します。

【入社予定日が来ているのに、在留資格変更の結果がまだ出ていない企業様へ】

在留資格変更の許可が間に合わない場合、現在の在留資格や採用予定者の状況によって、企業が取るべき対応は異なります。
特に、卒業済みの留学生を採用する場合や、現在の在留資格で予定している仕事内容を行えるか判断できない場合には、就労開始前の確認が重要です。

当事務所では、外国人雇用に関する在留資格の確認事項の整理から、変更申請、審査中の追加資料対応までサポートしています。
対応方法に迷われている企業様は、どうぞお気軽にご相談ください。

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ご相談後、申請全体のサポートのほか、必要な部分だけをご依頼いただくことも可能です。

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在留資格変更の許可が間に合わない場合、現在の在留資格や採用予定者の状況によって、企業が取るべき対応は異なります。
特に、卒業済みの留学生を採用する場合や、現在の在留資格で予定している仕事内容を行えるか判断できない場合には、就労開始前の確認が重要です。

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4️⃣ 許可が出る前に「研修だけ」「在宅勤務だけ」なら可能?

在留資格変更の許可が入社予定日に間に合わないとき、企業からよく出るのが、研修だけ先に受けてもらえないかという疑問です。

例えば、

  • 新入社員研修に参加してもらう
  • 業務に必要な社内システムの操作を覚えてもらう
  • 顧客対応や実務の練習をしてもらう
  • 自宅で業務用の資料を作成してもらう

といったケースが考えられます。

ここで重要なのは、「研修」「見学」「無給」といった名称や形式だけでは、在留資格上の問題がないとは判断できないという点です。

実際には、会社の指揮命令下で業務に必要な研修を受けたり、社内業務の一部を行ったりする場合には、活動の内容を慎重に確認する必要があります。

また、会社に出勤せず、自宅から業務を行う場合であっても、在宅勤務という理由だけで在留資格上の制限がなくなるわけではありません。

単なる会社説明や入社手続など、就労を伴わない活動については、業務との関係や実際の参加内容を踏まえて判断する必要があります。

さらに、企業が参加を義務づける研修については、在留資格上の問題とは別に、労働時間や賃金の問題が生じる場合もあります。

そのため、許可前に何らかの活動へ参加させたい場合には、実際に行う内容、参加の義務、報酬の有無などを整理したうえで判断することが重要です。

5️⃣ 入社日を延期するか、自宅待機にするかは雇用契約上の整理も必要

在留資格変更の許可が間に合わず、予定していた仕事を開始できない場合には、企業側で雇用契約上の対応を検討する必要があります。

ここでは、在留資格上いつ働けるかという問題と、雇用契約上いつ入社するかという問題を分けて考えることが重要です。

入社日を延期する場合

例えば、4月1日入社予定として雇用条件通知書や内定通知書を交付していた場合、変更許可が出ていないからといって、当然に入社日が延期されるわけではありません。

厚生労働省は、採用内定時に定めた入社日を事業主の都合で延期する場合には、原則として採用内定者の合意を得る必要があると案内しています。

在留資格変更の審査が終わらないことに伴って入社日を変更する場合についても、企業側だけで判断するのではなく、本人に事情を説明し、双方で変更後の取扱いを確認したうえで、書面に残しておくことをおすすめします。

具体的には、次の事項を整理しておくとよいでしょう。

  • 当初予定していた入社日
  • 変更後の入社日や、その決定方法
  • 在留資格変更許可後に就労を開始すること
  • 延期期間中の給与や待遇の取扱い

また、申請時に提出した雇用条件と実際の内容に変更が生じる場合には、審査中の申請への影響を確認し、必要に応じて入管への説明や資料の追加提出を検討します。

入社日は変更せず、自宅待機とする場合

一方、雇用契約上の入社日は変更せず、変更許可が出るまで自宅待機として扱う方法も考えられます。

ただし、入社日を維持したまま就業させない場合には、労働契約上の義務や休業手当などの問題が生じることがあります。

休業手当の支払義務が生じるかどうかは、待機に至った事情や契約内容などによって判断が異なります。

そのため、在留資格上の就労を開始させなければ問題が解決するというわけではありません。

入社日を延期するか、自宅待機とするかについては、採用予定者との合意内容を確認し、必要に応じて社会保険労務士などとも相談しながら進めることが重要です。

6️⃣ 入社予定日を過ぎても審査中の場合、追加資料の提出依頼がないか確認する

在留資格変更の許可が入社予定日に間に合わない場合には、申請が正式に受け付けられていることを確認したうえで、入管から追加資料の提出依頼や確認の連絡が来ていないか確認しましょう。

オンライン申請の場合には、在留申請オンラインシステムで申請状況を確認することもできます。

なお、出入国在留管理庁は、個別の申請に関する審査の進捗状況を問い合わせても回答できないと案内しています。

そのため、審査の進行を繰り返し問い合わせるのではなく、追加資料の提出依頼があった場合に速やかに対応できるよう、申請人や申請を担当している行政書士等との連絡体制を整えておくことが重要になります。

7️⃣ 変更許可が出たら、在留カードを確認してから就労を開始する

在留資格変更の審査が終了した場合も、企業側では、許可手続が完了したことを確認してから就労を開始させることが重要です。

審査終了を知らせるメールや通知が届いたことだけで、新しい在留資格による就労を開始できると判断しないようにしましょう。

特に、オンライン申請で新しい在留カードを郵送で受け取る場合、出入国在留管理庁は、在留資格変更許可等の効力は新しい在留カードの送達を受けた時から生じると案内しています。

そのため、審査完了のメールが届いたことだけをもって、新しい在留資格での就労を開始しないよう注意しましょう。

変更許可の手続が完了し、新しい在留カード等が交付されたら、次の事項を確認します。

  • 新しい在留資格
  • 在留期間および在留期限
  • 就労制限に関する記載
  • 必要に応じて指定書の内容
  • 実際の仕事内容が許可された在留資格の範囲に含まれているか

また、入社予定日が変更された場合には、社内の人事情報や給与、社会保険などの取扱いについても確認が必要です。

外国人を雇い入れた事業主には、原則として外国人雇用状況の届出義務があります。

雇入れに関する届出についても、実際の雇用状況や契約内容に応じて、適切に対応しましょう。

📖 よくある質問(FAQ)

卒業した留学生を、資格外活動許可の範囲で週28時間だけ勤務させることはできますか?

卒業後、いずれの教育機関にも在籍していない場合には、留学生としての包括的な資格外活動許可によるアルバイトは認められません。

在留カードの裏面に資格外活動許可の記載が残っていても、それだけで就労可能とは判断できません。

許可が出るまで、新入社員研修だけ参加してもらうことはできますか?

研修の名称だけでは判断できません。

業務上必要な研修への参加や、会社の指揮命令下で行う活動などについては、実際の内容を確認する必要があります。
「無給だから問題ない」「実際の業務ではない」といった理由だけで判断することは避けましょう。

入社予定日を過ぎた場合、在留資格変更申請をやり直す必要がありますか?

入社予定日が過ぎたことだけを理由に、必ず申請をやり直す必要があるとは限りません。

ただし、入社日の延期に伴って雇用条件や採用計画などが変わった場合には、申請内容への影響を確認する必要があります。
状況によっては、変更後の雇用条件について追加の説明や資料提出を検討します。

変更許可が出る前に、すでに研修や業務を開始させてしまった場合はどうすればよいですか?

まず、現在の在留資格でその活動が認められるか確認することが重要です。

認められるか判断できない活動については、継続させる前に内容を確認しましょう。
実際に行った業務、期間、勤務時間、報酬の有無などを整理し、必要に応じて専門家に相談することをおすすめします。

「申請中だから働ける」と判断していませんか?

外国人の在留資格変更許可申請が審査中のまま入社予定日を迎えた場合には、現在の在留資格で予定している仕事を開始できるか確認し、就労が認められない場合には、入社日や雇用条件を適切に整理することが重要です。

特に、次のような企業様は、就労開始前に確認しておくことをおすすめします。

✅ 卒業済みの留学生を採用し、変更許可を待っている
✅ 研修だけ先に参加させたいが、問題ないか判断できない
✅ 入社日の延期や自宅待機への対応に迷っている
✅ 申請中に雇用条件が変わり、入管への説明が必要か分からない

当事務所では、外国人雇用企業向けに、在留資格変更許可申請のサポートに加え、申請中の就労可否に関する確認事項の整理、入社時期の変更に伴う在留資格上の検討、入管への追加資料・説明書面の作成などにも対応しています。

「入社予定日になっても許可が出ていない」「現在の在留資格で働かせてよいか分からない」という場合には、就労を開始させる前に、どうぞお気軽にご相談ください。

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