ホテル業界の就労ビザは通る?在留資格「技術・人文知識・国際業務」で許可された事例と不許可になった事例
日本で就労するには、仕事内容に適した在留資格(ビザ)が必要です。一般的に、これらのビザは「就労ビザ」と呼ばれ、ホテル業界での代表的なものが「技術・人文知識・国際業務」です。

ただし、ホテル業界では幅広い業務があるため、どのような業務が「技術・人文知識・国際業務」に該当するのか、具体的な判断が難しい場合があります。
そのため、出入国在留管理庁は、ホテル・宿泊業における「技術・人文知識・国際業務」ビザの許可・不許可事例をWebサイトで公開しています。しかし記載は非常に簡潔で、具体的な判断基準を読み取るのは容易ではありません。
そこで本ページでは、同庁の公開事例を整理し、なぜ許可が認められたのか、または認められなかったのかを当事務所の見解も交えて詳しく解説します。許可を得るためのポイントを理解し、適切な申請に役立ててください。なお、本解説は当事務所の見解に基づくものであり、異なる判断がなされる可能性がある点をあらかじめご了承ください。
入国管理局が公開しているホテル・宿泊業における「技術・人文知識・国際業務」ビザの許可事例・不許可事例には、以下のようなものがあります。
ただし、報酬額については参考程度にお考えください。同じ金額であっても、申請する企業の規模や経営状況、職務内容との関連性によっては不許可となる可能性があります。そのため、以下の当事務所の見解では、報酬額には言及せず、許可のポイントとなる部分に焦点を当てて解説します。
各事例をクリック(またはタップ)すると、許可となる理由についての当事務所の見解、許可を得るためのワンポイントアドバイスをご覧いただけます。
引用元:出入国在留管理庁のWebサイト
🔹 ホテル・宿泊業での「技術・人文知識・国際業務」許可事例
▼ 【事例1】観光学科卒業者がホテルのフロント業務を担当
本国の大学で観光学を専攻し卒業した方が、日本のホテルと契約を結び、月額約22万円の報酬を受けて外国語を活かしたフロント業務や、外国人観光客向けの施設案内業務を担当する場合に許可されました。
✅ 許可が認められた理由についての当事務所の見解
1️⃣ 学歴と職務内容の関連性が認められた
「技術・人文知識・国際業務」の審査では、申請者の学歴や経歴と職務内容の関連性が重要視されます。本事例では、大学で観光学を学び、ホテルのフロント業務や施設案内といった観光関連の業務に携わるため、学んだ内容と職務内容に明確な関連性が認められると判断されたと考えられます。
2️⃣ 外国語を活用した業務内容
「技術・人文知識・国際業務」の国際業務に該当する業務には、通訳や翻訳業務、外国語を活かした職務などが含まれます。本事例では、ホテルのフロント業務において外国語を使用し、外国人観光客向けの施設案内を行う業務であるため、ビザ取得要件を満たしていると判断できます。
3️⃣ ホワイトカラーの業務である
本事例では、フロント業務や施設案内といった管理・接客業務が中心であり、ホテル内の清掃や荷物運搬などの単純労働ではありません。「技術・人文知識・国際業務」のビザでは単純作業が主な職務と判断されると不許可となる可能性があるため、業務内容が適切であることが重要です。
⚠️ 注意点:十分な業務量の確保が必要
事例には記載がありませんが、外国語を活かした業務が実際に十分な仕事量として確保されていることも審査のポイントとなります。
外国人観光客が少なく、業務の大部分が日本語での対応や単純作業に偏っている場合、許可が得られない可能性があります。
ホテルの宿泊客の大半が日本人で、外国語を活かせる業務量が不足している場合、入管から「実際の業務が異なるのではないか」と疑われる可能性があるため、事前に職務内容の詳細を整理し、しっかりと説明できるよう準備することが重要です。
📍 許可を得るためのワンポイントアドバイス
- 学歴と職務内容の関連性を明確にする
- 大学での履修内容と業務内容が一致していることを強調する。
- 観光学の知識がどのようにフロント業務に活かされるのかを説明できるようにする。
- 外国語を使用する業務であることを証明する
- 宿泊客の国籍別データなどを提出し、外国語対応の業務が必要であることを示す。
- 職務内容説明書や業務計画書を用意し、主な業務が単純作業ではなく、外国語を活かしたホワイトカラー業務であることを明確にする。
- 十分な業務量を確保する
- 宿泊客の約半数以上が外国人である、または外国人対応の専任業務があるあることを証明できる資料を準備する。
- 職務内容が他のスタッフの業務と明確に区別されていることを示す。
▼ 【事例2】観光業での通訳・翻訳業務と外国語指導で許可を取得
本国の大学を卒業した方が、日本の旅館と契約を結び、月額約20万円の報酬を受けて、本国からの観光客の集客拡大のための旅行会社との交渉時の通訳・翻訳業務、また従業員に対する外国語指導を担当する場合に許可されました。
✅ 許可が認められた理由についての当事務所の見解
1️⃣ 大学での専攻内容が特定されていないが許可されている
本事例では「本国において大学を卒業した者」としか記載がなく、大学での専攻内容が明示されていません。それにもかかわらず許可が得られている点から、やはり大学卒業者に関する学歴と職務内容の関連性の審査は比較的緩やかであると考えられます。
仮に大学で観光学や国際関係学を専攻していなかった場合でも、マーケティングに関する単位や語学に関する単位を取得していれば、関連性が認められる可能性があるということです。
2️⃣「国際業務」に該当する通訳・翻訳業務が含まれている
本事例では、集客拡大のための本国旅行会社との交渉における通訳・翻訳業務が含まれています。「技術・人文知識・国際業務」のうち、「国際業務」のカテゴリーには通訳・翻訳が含まれており、大学を卒業している場合、3年以上の実務経験がなくても通訳・翻訳の職務に従事することが可能です。
3️⃣ 従業員への外国語指導業務が「国際業務」に該当
従業員に対する外国語指導の業務も、本国の言語を活用する専門的な業務であり、「国際業務」の範囲に含まれます。
また、ホテルや旅館業界では外国人観光客の対応力を強化するために外国語指導のニーズが高く、外国語の指導が業務の主な内容として明確に説明されていれば、比較的許可が得やすい傾向にあります。
⚠️ 注意点:職務内容の明確化が必要
本事例では大学での専攻内容が明示されていませんが、許可が得られています。とはいえ、大学での学習内容がまったく関係のない分野であった場合、申請が認められない可能性もあります。
また、実際の業務内容が単純な接客業務に偏っていると判断されると、不許可となる可能性があるため、次の点に注意が必要です。
- 集客拡大のための通訳・翻訳業務が主要な業務であることを明確にする
- 外国語指導が専門的な業務であることを証明できる資料を用意する
- フロント業務や客室清掃などの単純作業が主な職務内容とならないようにする
📍 許可を得るためのワンポイントアドバイス
- 学歴と職務内容の関連性を整理する
- マーケティングや語学関連の単位を取得している場合、その知識が職務に活かされることを説明する。
- 業務内容が通訳・翻訳や外国語指導であることを明確に示す。
- 通訳・翻訳業務の必要性を証明する
- 本国の旅行会社との業務取引が継続的にあり、通訳・翻訳が必要なことを示す。
- 旅館の宿泊客の割合などのデータを用意し、外国語対応のニーズが高いことを説明する。
- 外国語指導業務の専門性を強調する
- 指導対象が旅館の従業員であり、日常会話レベルの指導ではなく、業務に必要な外国語スキルの教育であることを示す。
- 指導のカリキュラムや教材のサンプルなどを提出し、専門的な指導内容であることを明確にする。
▼ 【事例3】経済学を専攻し、ホテルのマーケティング・広報業務で許可を取得
日本の大学で経済学を専攻して卒業した方が、空港に隣接するホテルと契約し、月額約25万円の報酬を受けて、集客拡大のためのマーケティングリサーチ、外国人観光客向けの宣伝媒体(ホームページなど)の作成を含む広報業務を担当する場合に許可されました。
✅ 許可が認められた理由についての当事務所の見解
1️⃣ 経済学専攻とマーケティング・広報業務の関連性
本事例では、大学で経済学を学んだ方がホテルの集客拡大のためのマーケティングリサーチや外国人観光客向けの広報業務を担当することになっています。
マーケティングは経済学の一分野でもあり、大学で学んだ知識がそのまま活用できる業務内容であるため、学歴と職務内容の関連性が認められやすいといえます。
2️⃣ 日本の大学を卒業している点がプラス要因
一般的に、日本の大学を卒業している場合は「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得しやすい傾向があります。その理由の一つとして、日本の大学で学ぶことにより一定レベル以上の日本語能力を持っていると判断されることが挙げられます。
特にマーケティングや広報業務では、日本語を活用した業務が必要になることが多いため、日本語能力が高いと評価されやすく、許可の可能性が高くなると考えられます。
⚠️ 注意点:職務内容の明確化が必要
マーケティング・広報業務は「技術・人文知識・国際業務」の対象となりますが、業務内容が不明確な場合や単純作業が含まれると、不許可になる可能性があります。以下の点に注意しましょう。
- 「マーケティングリサーチ」とは具体的に何を行うのかを明確にする
例:データ分析、広告戦略の策定、外国人観光客のニーズ調査など - 「外国人観光客向けの宣伝媒体(ホームページなど)の作成」において、どのような役割を担うのかを明示する
例:コンテンツ制作、SEO対策、翻訳業務など - 単純な事務作業や受付業務と誤解されないように業務の専門性を強調する
例:市場分析、ブランド戦略、SNSマーケティングなど
📍 許可を得るためのワンポイントアドバイス
- 職務内容の専門性を明確にする
- マーケティング業務の具体的な内容を詳しく記載し、単純作業ではないことを説明する。
- 経済学で学んだ知識をどのように業務に活かすかを明確にする。
- 日本語能力の証明を強化する
- 業務に必要なレベルの日本語能力を有していることをアピールする。
- 日本語能力試験(JLPT)の結果や、大学での日本語授業の履修証明書があると有利。
- 企業のマーケティング部門の規模や活動内容を明示する
- マーケティング活動を行っていることを示す資料(企業の広報資料、業務内容説明書など)を提出する。
- 集客拡大のための具体的な施策(広告戦略、プロモーション活動など)を説明する。
▼ 【事例4】幹部候補生として採用後の実務研修を経てホテル業務に従事する
日本の大学で経営学を専攻し卒業した方が、外国人観光客が多く利用するホテルと契約し、総合職(幹部候補生)として採用さました。
2か月間の座学研修および4か月間のフロント・レストランでの接客研修を経て、月額約30万円の報酬を受けながら、外国語を用いたフロント業務、外国人観光客の要望対応、宿泊プランの企画立案業務に携わる場合に許可されました。
✅ 許可が認められた理由についての当事務所の見解
1️⃣ 幹部候補生としての研修が合理的であること
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格はホワイトカラー(事務職)に該当する業務を対象としているため、原則としてフロントやレストランでの接客業務のような単純作業を伴う実務研修は認められません。
しかし、企業の人材育成の観点から、幹部候補生(総合職)として採用された社員が、現場を理解するための実務研修を受けることは一般的です。本事例では、
- 2か月間の座学研修が含まれており、業務の専門知識を学んでいること
- 実務研修が雇用期間の大半を占めず、限定的なものであること
- 日本人・外国人を問わず、同じ研修を受けていること
- 研修後の業務がホワイトカラー業務(フロント業務・宿泊プランの企画立案など)であること
が確認されました。これらの点を踏まえ、単なる接客業務ではなく、管理職候補としてのキャリアパスを前提とした研修の一環であると認められた可能性が高いです。
2️⃣ 研修後の業務内容が「技術・人文知識・国際業務」の範囲内であること
研修を終えた後の職務内容が「外国語を用いたフロント業務」「外国人観光客の要望対応」「宿泊プランの企画立案」となっています。
これらの業務はホテルの経営や管理に関わるものであり、単なる接客業務とは異なるため、「技術・人文知識・国際業務」の対象となる業務と判断されたと考えられます。
⚠️ 注意点:実務研修の適用範囲は厳格に判断される
本事例では幹部候補生としての合理的な研修計画が認められたものの、すべてのケースで実務研修が許可されるわけではありません。特に以下の点に注意が必要です。
- 実務研修が雇用期間の大半を占める場合は認められない可能性が高い
- 研修の内容が将来の職務と関連性がない場合、単純作業とみなされ不許可になる可能性がある
- 外国人だけに実務研修を課すような場合、不適切な雇用と判断される可能性がある
このため、入管に対して事前に実務研修の必要性を明確に説明し、合理的な計画であることを示す資料(研修プログラムや業務計画書など)を提出することが望ましいでしょう。
📍 許可を得るためのワンポイントアドバイス
- 研修の目的と内容を明確にする
- 研修が単なる現場業務ではなく、将来的な管理職候補の育成プログラムの一環であることを示す
- 座学研修を含め、全体の研修内容が合理的であることを証明する
- 研修後の職務内容を具体的に説明する
- フロント業務だけでなく、宿泊プランの企画・マーケティング業務などのホワイトカラー業務を担当することを明確にする
- 管理職としてのキャリアパスが示されている場合、より許可が得やすくなる
- 会社の研修制度や人材育成方針を明示する
- 日本人社員と同様の研修を受けることを示し、外国人労働者の特別扱いではないことを説明する
- 会社の公式な研修プログラムを提出し、入管に納得してもらえるよう準備する
▼ 【事例5】日本の専門学校で翻訳・通訳を学び、旅館のフロント業務を行う
日本の専門学校で日本語の翻訳・通訳コースを専攻し、専門士の称号を取得した方が、本邦の旅館で月額約20万円の報酬を受け、フロント業務として以下の職務を担当する場合に許可になりました。
- 外国語を用いた宿泊客への案内業務
- 外国語版ホームページの作成
- 館内案内の多言語表示への翻訳対応
✅ 許可が認められた理由についての当事務所の見解
1️⃣ 専門学校卒業者でも「技術・人文知識・国際業務」の取得が可能
「技術・人文知識・国際業務」のビザは大学卒業者だけでなく、日本の専門学校を卒業した方も取得可能です。ただし、専門学校卒業者の場合、大学卒業者よりも学歴・職務内容の関連性の審査が厳しくなる傾向があります。
本事例では、以下の点から学歴と職務内容の関連性が認められたと考えられます。
- 専門学校で翻訳・通訳を学び、その知識を活かせる業務に就いていること
- 職務内容が「技術・人文知識・国際業務」に該当する業務であること
2️⃣ 翻訳・通訳業務がメインであるため、職務内容が明確
本事例では、旅館のフロント業務の中でも特に「外国語を用いた案内業務」や「翻訳作業」が主な業務内容であることがポイントです。
単なる宿泊客対応や受付業務のみでは「技術・人文知識・国際業務」の対象とは認められませんが、以下の業務は、外国語スキルや翻訳の専門知識を活かす職務として認められるため、許可が出たと考えられます。
- 外国語版ホームページの作成
- 館内案内の多言語表示への翻訳対応
⚠️ 注意点:海外の専門学校卒業者は対象外
本事例のポイントは、日本の専門学校を卒業し「専門士」の称号を取得していることです。
「技術・人文知識・国際業務」の学歴要件は、日本の専門学校であれば満たせますが、海外の専門学校や、中国の職業訓練学校の卒業では学歴要件を満たさないため注意が必要です。
このため、海外の専門学校を卒業した方は、別の条件(実務経験3年以上など)で申請する必要があります。
📍 許可を得るためのワンポイントアドバイス
- 専門学校で学んだ内容と職務内容の関連性を明確にする
- 翻訳・通訳業務を学んだことが職務にどのように活かされるのかを説明する。
- 具体的な職務内容を明記し、受付・接客業務ではなく、翻訳・通訳が主業務であることを強調する。
- 外国語スキルを証明する資料を準備する
- 日本語能力試験(JLPT)やTOEICなどのスコアを提出し、外国語能力が高いことを証明する。
- 会社が外国人観光客向けの業務に特化している場合、その業務内容を具体的に説明する。
- 業務内容が単なる接客業務に偏らないようにする
- 翻訳や外国語対応が主な業務であることを証明するため、職務内容の詳細を雇用契約書などに記載しておく。
- 企業側が提出する「雇用理由書」に、なぜ外国人が必要なのかを明確に記載する。
▼ 【事例6】日本の専門学校でホテルサービスを学び、フロント業務に携わる
日本の専門学校でホテルサービスやビジネス実務を専攻し、「専門士」の称号を取得した方が、外国人宿泊客が多いホテルで月額約30万円の報酬を受け、フロント業務(外国語を用いた宿泊客対応)や宿泊プランの企画立案の職務に携わる場合に許可されました。
✅ 許可が認められた理由についての当事務所の見解
1️⃣ 専門学校卒業者でも「技術・人文知識・国際業務」の取得が可能
「技術・人文知識・国際業務」のビザは、大学卒業者だけでなく日本の専門学校を卒業し、「専門士」の称号を取得した方も対象です。
ただし、専門学校卒業者は大学卒業者よりも職務内容との関連性が厳しく審査される傾向があります。
本事例では、以下の点から、学歴と職務内容の関連性が認められたと考えられます。
- 専門学校でホテルサービスやビジネス実務を学んでいること
- 職務内容がフロント業務や宿泊プランの企画であり、学んだ内容と関連があること
2️⃣ フロント業務・宿泊プランの企画は「技術・人文知識・国際業務」に該当
「技術・人文知識・国際業務」はホワイトカラー職に該当する業務が対象となります。
本事例の職務内容であるフロント業務や宿泊プランの企画立案は、専門的な知識を活かした業務であるため、ビザ要件を満たすと判断されたと考えられます。
一方で、フロント業務には受付や案内だけでなく、場合によっては荷物運びや客室清掃などの単純作業を伴うことがあります。
そのため、申請時に単純作業が業務内容に含まれていないことを明確に説明することが重要です。
⚠️ 注意点:新たに認定された「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」について
2024年2月29日より、一部の専門学校が「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」に認定されました。
このプログラムに認定された専門学校を卒業した方は、「技術・人文知識・国際業務」の学歴要件を大学卒業者と同等レベルとして扱うことになりました。
そのため、このプログラムを修了した方の場合、職務内容との関連性の審査が大学卒業者と同じ基準で緩やかに判断される可能性があるため、よりビザ取得がしやすくなると考えられます。
📍 許可を得るためのワンポイントアドバイス
- 専門学校で学んだ内容と職務内容の関連性を明確にする
- ホテル業務に必要なスキル(フロント対応、宿泊プラン企画、マーケティングなど)を専門学校で学んでいたことを説明する。
- 学習内容と職務の関連性を具体的に示した「雇用理由書」を提出する。
- 業務内容が単純作業に偏らないよう注意する
- フロント業務において、単純な受付業務や清掃業務ではなく、外国人向けの宿泊プランの企画や顧客対応など、専門知識が求められる業務を担当することを明確にする。
- 業務内容がホワイトカラーの職種であることを雇用契約書に明記する。
- 「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」修了者はその点をアピール
- 認定された専門学校を卒業している場合は、そのプログラムを修了していることを明示することで、審査が有利になる可能性がある。
「調べるのが大変…」「書類作成は不安…」そんなときは専門家にお任せください。
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※個別の事情に応じて、許可の可能性や申請手続きの流れを丁寧にご案内します。
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🔹 ホテル・宿泊業での「技術・人文知識・国際業務」の不許可事例
▼【不許可事例1】単純作業が主業務と判断され不許可になった
本国で経済学を専攻し、大学を卒業した方が、日本のホテルに採用されるとして「技術・人文知識・国際業務」のビザを申請しました。
しかし、入国管理局から業務内容の詳細な資料の提出を求められたところ、主な業務が宿泊客の荷物の運搬や客室の清掃であることが判明し、不許可となりました。
✅ 不許可となる理由についての当事務所の見解
1️⃣「技術・人文知識・国際業務」に該当する業務ではなかった
「技術・人文知識・国際業務」は ホワイトカラー職に該当する業務 に対して許可されるビザです。
そのため、単純作業が主な業務である場合には許可されません。
本事例では、宿泊客の荷物の運搬や客室の清掃 が主な業務であり、
専門知識を活かす業務とは認められなかったため、不許可になったと考えられます。
2️⃣ 追加資料提出通知の対応が重要
本事例では、申請がいきなり不許可になったわけではなく、
入管から「業務内容の詳細な資料を提出するように」との追加資料提出通知が届いた後、不許可となったことがわかります。
追加資料提出通知が届いた段階では、まだ許可・不許可は決定していません。
しかし、適切な対応ができなければ不許可となる可能性が高くなります。
⚠️ 注意点:職務内容の実態と説明の一貫性に注意
今回のように、申請時に記載された業務内容と、実際に行う予定の仕事が一致していないと判断された場合、不許可となる可能性が高くなります。特に、単純作業の割合が多い職場では、入管側に「実態と異なる申請ではないか」と疑念を持たれやすいため注意が必要です。
また、業務内容を証明するための資料(雇用契約書、業務内容説明書など)は、形式的に整っているだけでは不十分です。具体的な仕事内容や勤務時間の内訳、担当業務の割合まで明示し、専門性のある職務が主であることを客観的に示す必要があります。
とくに追加資料提出通知を受けた際は、「何が問われているのか」を正確に読み取ることが重要です。曖昧な回答や形式的な説明にとどまると、不許可の判断に直結するリスクがあります。入管の指摘をふまえて資料を作成・補強し、求められている情報を的確に伝えることが、許可の可能性を高める鍵となります。
📍 許可を得るためのワンポイントアドバイス
- 職務内容がホワイトカラーの業務であることを明確にする
- フロント業務、宿泊プランの企画立案、外国語を活用した業務 などを主な職務内容とするように調整する。
- 申請前に雇用契約書を確認し、単純作業が主業務にならないよう注意する。
- 追加資料提出通知を受け取ったら迅速に対応する
- 業務内容を詳しく説明した「雇用理由書」を提出する。
- 仕事内容が「技術・人文知識・国際業務」に該当することを論理的に説明する。
- 会社の業務内容や、本人が担当する業務の具体的な役割を示す補足資料を用意する。
- 申請前に業務内容を入念に確認する
- 「技術・人文知識・国際業務」のビザで許可される職務内容を事前に理解する。
- 荷物運搬や清掃業務が主な職務内容になる場合は、ビザ取得が難しいことを認識する。
▼【不許可事例2】通訳業務の必要性が認められず不許可になった
本国で日本語学を専攻し、大学を卒業した方が、日本の旅館で外国人宿泊客の通訳業務を行うとして「技術・人文知識・国際業務」のビザを申請しました。
しかし、当該旅館の外国人宿泊客の大半が使用する言語が申請者の母国語と異なっていたため、申請者が母国語を用いて行う業務の必要性が認められず、不許可となりました。
✅ 不許可となる理由についての当事務所の見解
1️⃣ 通訳・翻訳業務には「業務の必要性」が求められる
「技術・人文知識・国際業務」の審査では、申請者が担当する業務が本当に必要かどうかも判断されます。
本事例では、申請者が担当する通訳業務が実際に必要とされているかどうかが審査のポイントとなりました。
具体的には、旅館の宿泊客の大半が使用する言語と申請者の母国語が異なっていたため、申請者が母国語を使って行う業務の必要性が低いと判断され、不許可となった可能性が高いとかんがえられます。
2️⃣「技術・人文知識・国際業務」の通訳・翻訳業務は母国語が基準
通訳・翻訳業務のビザは、基本的に「申請者の母国語」と他の言語の通訳・翻訳を行う業務である必要があります。
そのため、母国語と関係のない通訳・翻訳業務では「技術・人文知識・国際業務」の取得が難しくなります。
仮に、申請者が英語を流暢に話し、TOEFLなどのスコアが高かった場合でも、英語を専門に学んでいない限り、ビザの取得は難しいのが実情です。日本語学を専攻していたため、日本語と母国語の通訳業務には適しているものの、英語を使う業務には専門性がないと判断されるためです。
⚠️ 注意点:語学力だけでは「専門性」とは評価されない
通訳・翻訳業務で「技術・人文知識・国際業務」のビザを取得するには、単に外国語が話せるというだけでは不十分です。
入管では、「業務として通訳や翻訳が必要とされているかどうか」と同時に、「申請者がその業務を担うに足る専門性を有しているか」が厳しく見られます。
たとえば、英語を話せるとしても、英語を専攻していた実績がない場合や、母国語と異なる言語間の通訳である場合、専門性に乏しいと判断されることがあります。
また、実際の業務が外国語を使う場面よりも、日本語での接客や清掃などが多い場合、申請書と現場の実態にギャップがあるとみなされ、不許可となる可能性が高まります。
ビザ申請時には、担当する言語の必要性・使用頻度・対象顧客層を明確にし、申請者がその言語の通訳・翻訳において専門的役割を果たすことを客観的に説明することが重要です。
📍 許可を得るためのワンポイントアドバイス
- 通訳・翻訳業務は「母国語」と他の言語であることが基本
- 申請者の母国語と日本語の通訳業務であることを明確にする
- もし、英語や他の言語の通訳を希望する場合は、大学でその言語を専門に学び、相応の資格を取得していることを証明する
- 宿泊客の言語と申請者の母国語が一致することを証明する
- 旅館の宿泊客の大半が申請者の母国語を話すことを証明するデータや資料を用意する
- 宿泊施設が申請者の言語を話す観光客をターゲットにしていることをアピールする
- 職務内容に通訳以外の業務を加える
- 外国人向けのホームページ作成、観光案内の翻訳、マーケティング業務などを追加することで、通訳業務の必要性を補強する
- 旅館の集客戦略において、申請者の語学力が不可欠であることを説明する
▼【不許可事例3】単純作業が主な業務内容と判断され不許可になった
日本で商学を専攻して大学を卒業した方が、新しく設立されたホテルに採用されるとして「技術・人文知識・国際業務」のビザを申請しました。
しかし、申請者が予定していた業務内容が駐車誘導、レストランでの料理の配膳・片付けであったため、ホワイトカラー業務とは認められず、不許可とされました。
✅ 不許可となる理由についての当事務所の見解
1️⃣「技術・人文知識・国際業務」は事務職向けのビザ
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格は、ホワイトカラーの専門職向けのビザです。
そのため、駐車誘導、料理の配膳・片付けなどの単純作業が主な業務になる場合は、ビザの取得は認められません。
特に、今回のケースでは「新規に設立されたホテル」という点も影響した可能性があります。
開業直後のホテルでは、業務体制が整っていないため、多くのスタッフが幅広い業務を兼任する傾向があるためです。
そのため、申請者の主な職務内容が「ホワイトカラー業務ではなく、単純作業に従事する可能性が高い」と判断された可能性が高いと考えられます。
2️⃣ 業務内容が「技術・人文知識・国際業務」に該当しない
本事例の申請者は、商学を専攻して大学を卒業していますが、実際に担当する業務内容が駐車誘導やレストランでの配膳・片付けであり、学歴と業務の関連性が認められなかったことが不許可の大きな要因だと考えられます。
「技術・人文知識・国際業務」の許可基準では、学歴と業務内容が関連していることが必須条件となります。しかし、本件の業務内容では申請者の学歴が活かされる場面がなく、単純作業として判断されてしまったのでしょう。
⚠️ 注意点:職務内容と学歴・業種の整合性を明確にすることが重要
申請書上で「事務職やホワイトカラーの業務を行う」と記載していても、実際の職場環境や業務実態に疑問を持たれると不許可につながるケースが多くあります。
特に、新設された施設や小規模な職場では「スタッフ全員が多様な業務を兼任しているのではないか」と審査官に見られやすく、単純作業への従事を疑われるリスクが高まります。
また、業務と学歴の関連性も極めて重要です。たとえば商学を専攻していた場合でも、実際の業務が配膳や駐車誘導などのマニュアル対応に近い業務であれば、「学歴と職務内容に関連性がない」と判断されます。
そのため、ビザ申請にあたっては以下の点を明確にする必要があります。
- 主たる業務が何か(就業時間全体のうちどの程度か)
- 業務内容が学歴とどう結びついているか
- 単純作業への従事をどのように避けているか(体制・分担)
📍 許可を得るためのワンポイントアドバイス
- 業務内容が「技術・人文知識・国際業務」に該当するか確認
- 駐車誘導、料理の配膳・片付けといった業務は単純作業とみなされるため、許可が得られない
- フロント業務、マーケティング、宿泊プランの企画・管理など、学歴と関連のある業務を中心に申請する
- 職務内容の詳細を明確に説明する
- 雇用契約書や職務内容説明書を用意し、単純作業ではなくホワイトカラー業務を担当することを証明する
- 例えば、宿泊客向けの外国語対応、顧客管理、経営分析など、学歴と関連する業務を明確に示す
- 新規設立の企業は特に職務内容に注意
- 新しく設立されたホテルや企業では、実際の業務範囲が不明確な場合が多いため、より慎重な説明が必要
- 「なぜ申請者がこの業務を担当するのか?」を論理的に説明し、入管に納得してもらう資料を準備する
▼【不許可事例4】給与が日本人従業員より低く設定されていたため不許可となった
日本で法学を専攻して大学を卒業した方が、日本の旅館に採用され、
月額約15万円の報酬でフロントでの外国語を用いた予約対応や館内案内などの業務を行うとして「技術・人文知識・国際業務」のビザを申請しました。
しかし、同時期に採用された日本人従業員の給与が月額約20万円であることが判明しました。
給与の差額について合理的な説明ができなかったため、「日本人と同等以上の報酬が支払われる」という要件を満たさず、不許可となりました。
✅ 不許可となる理由についての当事務所の見解
1️⃣ 外国人の給与は日本人と同等以上である必要がある
「技術・人文知識・国際業務」の審査では、申請する外国人の給与が、日本人従業員と同等以上であることが求められます。これは、日本で働く外国人が安価な労働力として不当に扱われることを防ぐためのルールです。
そのため、日本人と同じ業務を担当する場合、給与に差があると許可が下りない可能性が高くなります。
本事例では、日本人従業員が20万円の給与を受けているのに対し、申請者の給与が15万円だったため、不合理な給与差があると判断され、不許可となりました。
2️⃣ 給与差について合理的な説明ができなかった
仮に給与に差がある場合でも、その理由が合理的に説明できる場合は許可される可能性があります。
例えば、以下のようなケースでは給与差が認められる可能性があります。
- 日本人従業員は正社員、外国人従業員は試用期間中である
- 日本人従業員には資格手当や役職手当が含まれている
- 日本人従業員には長年の勤務実績があり、給与が上がっている
- 申請者は新卒で、日本人従業員は経験者である
しかし、本事例では給与差について合理的な説明ができなかったため、「日本人と同等以上の報酬が支払われる」という要件を満たさず、不許可と判断されたと考えられます。
⚠️ 注意点:給与設定の妥当性は「数字」と「説明」の両方が必要
「技術・人文知識・国際業務」の審査では、外国人従業員の給与が日本人と同等以上であることが原則となっています。ただし、同じ職種・同じキャリア段階の日本人との比較であることが前提です。
このため、単に「給与が低い」こと自体が即不許可に直結するわけではなく、以下のような点が審査で問われます。
- 比較対象が妥当か(年齢・経験・役職などが近いか)
- 給与差が生じている理由を説明できるか
- 将来的に昇給する見込みがあるか(給与体系の提示)
📍 許可を得るためのワンポイントアドバイス
- 日本人と同等以上の給与を設定する
- 申請者の給与が、日本人従業員と比べて不当に低くならないようにする
- 給与を日本人従業員と同額以上に設定し、雇用契約書に明記する
- 給与差がある場合は合理的な説明を用意する
- 給与差がある場合、役職や経験年数など、納得できる理由を準備する
- 会社側から「なぜ給与に差があるのか?」を明確に説明する文書を用意する
- 雇用契約書や就業規則をチェックする
- 申請者の給与が適正であることを証明できるよう、雇用契約書を整理する
- 同じ職種の日本人従業員との待遇差がないかを確認する
▼【不許可事例5】服飾デザイン学科卒業者がホテルフロント業務を申請し、不許可となった
日本の専門学校で服飾デザイン学科を卒業し、専門士の称号を取得した方が、日本の旅館に採用され、フロントでの受付業務を担当する予定で「技術・人文知識・国際業務」のビザを申請しました。
しかし、専門学校での専攻内容と業務内容の関連性が認められなかったため、不許可となりました。
✅ 不許可となる理由についての当事務所の見解
1️⃣ 専門学校卒業者は学歴と職務内容の関連性が厳しく審査される
「技術・人文知識・国際業務」を申請する際、専門学校を卒業した方は、大学卒業者と比べて学歴と職務内容の関連性をより厳しく審査されます。
本事例では、服飾デザイン学科を卒業しているにもかかわらず、ホテルのフロント業務を申請したため、専攻内容と業務内容の関連性が認められず、不許可と判断されたと考えられます。
専門学校卒業者の場合、以下のように関連性が認められる業務でなければ許可を取得するのは難しいのが実情です。
💡 許可されやすい業務の例
- 服飾デザインを学んだ → アパレル業界でデザイナーとして就職
- 通訳・翻訳を学んだ → 通訳・翻訳業務を行う
- 経営・マーケティングを学んだ → マーケティング職や営業職に就く
🚫 許可が厳しい業務の例
- 服飾デザインを学んだ → アパレル販売員、ホテルのフロント業務
- 調理を学んだ → レストランでホールスタッフとして勤務
- ITを学んだ → 事務職として採用される
専門学校で学んだ内容と職務内容に直接的な関連性がないと、「技術・人文知識・国際業務」のビザを取得するのは非常に困難です。
2️⃣ ホテルのフロント業務は学歴との関連性が求められる
ホテルのフロント業務は「技術・人文知識・国際業務」に該当することもありますが、それは観光学や経営学、ビジネス実務を学んだ場合などに限られます。
本事例のように服飾デザイン学科を卒業している場合、ホテルフロント業務との関連性は認められません。
仮にホテル業界で働きたい場合、専門学校で観光学やホテルマネジメントを専攻する必要があります。
⚠️ 注意点:専門学校卒業者は「専攻と業務の一致」が審査突破のカギ
専門学校卒業者の場合、大学卒業者と比べて「専門性の深さ」が限定されると見なされるため、学んだ内容と職務内容に直接的な関連性があることが強く求められます。
たとえば、「服飾デザイン」を学んだ方が「ホテルのフロント業務」に就く場合、業務との接点が見えづらく、審査官にとっては“職務の妥当性”に疑問が残る構成になります。
また、専門学校での専攻名が実際の業務と一見近く見えても、履修内容の詳細や実習内容が合致していなければ不許可となるケースもあります。このため、申請時には以下の点に注意が必要です。
- 専攻で学んだ具体的な知識・技術が、職務の中でどう活かされるかを説明できるか
- 業務内容の中に、専門的スキルが使われている部分が十分あるか
- 職務内容と学歴の関連性を、履修証明書・カリキュラム表などで裏付けられるか
職種と学歴に少しでも違和感がある場合、「専門的な知識・技術を要する業務であること」を第三者にも分かるように可視化する工夫が不可欠です。
📍 許可を得るためのワンポイントアドバイス
- 学んだ内容と業務内容の関連性を明確にする
- 服飾デザインを学んだ方は、デザイナー職やパターン作成業務など、学んだ知識を活かせる職種を選ぶ
- 販売職やホテルのフロント業務など、直接関連のない職種は避ける
- どうしてもホテル業界で働きたい場合は別の方法を検討
- 観光学やホテルマネジメントを専攻した専門学校を卒業する
- 日本人の配偶者等ビザや特定活動ビザ(特定分野のインターンシップ等)を利用する
- 専門学校の学習内容を幅広くする
- 通訳・翻訳、経営、簿記などの科目も履修していれば、該当する職務の幅が広がる
- 例えば、服飾デザイン学科卒業でもマーケティングや経営の単位を取得していれば、マーケティング職で許可される可能性がある
▼【不許可事例6】実務研修の期間が長すぎるため不許可となった
日本の専門学校でホテルサービスやビジネス実務を専攻し、専門士の称号を取得した方が、
日本のホテルに採用され、フロント業務を担当する予定で「技術・人文知識・国際業務」のビザを申請しました。
しかし、提出された資料から、採用後最初の2年間は実務研修としてレストランの配膳や客室の清掃を行うことが判明しました。
この実務研修が在留期間の大半を占めることとなり、主な業務が「技術・人文知識・国際業務」に該当しないと判断され、不許可となりました。
✅不許可となる理由についての当事務所の見解
1️⃣ 実務研修の期間が長すぎると「技術・人文知識・国際業務」として認められない
ホテルの総合職(幹部候補生)として採用された場合であっても、
実務研修が予定されている雇用期間の大半を占めない限り、一定の単純作業を伴う研修は認められる場合はあります。
ただし、本事例のように最初の2年間もの間、レストランの配膳や客室の清掃を行うという場合、
実質的に単純作業が主な職務になってしまうため、「技術・人文知識・国際業務」の適用外と判断され、不許可になったと考えられます。
2️⃣ 実務研修期間が短ければ許可の可能性もあった
ホテル業界では、幹部候補生(総合職)として採用された場合でも、
現場の流れを知るために短期間の実務研修を行うことは珍しくありません。
しかし、実務研修の期間が在留期間の大半を占めてしまうと、主な業務が単純作業であるとみなされるため、不許可となるリスクが高くなります。
仮に本事例の実務研修期間が3~4カ月程度であれば、許可される可能性もあったでしょう。
⚠️ 注意点:研修期間の長さと職務内容のバランスが審査の分かれ目
「技術・人文知識・国際業務」のビザでは、単純作業が主たる業務とみなされた場合には許可が下りません。これは研修であっても例外ではなく、その期間や内容によっては、「実質的に単純労働に従事している」と判断される可能性があります。
特に、在留期間の大部分を占めるような長期の研修(例:1年以上)では、「ホワイトカラー職に該当する業務に就いている」とは認められにくくなります。たとえ将来的に幹部候補生として配属予定であっても、直近の実務内容が単純作業に偏っている場合は不許可となるリスクが非常に高くなります。
雇用側が「将来的にはホワイトカラー業務に就かせるつもり」であっても、「いつから」「どのような業務に就くのか」が具体的に記載されていなければ、入管に伝わらず、不許可に至る可能性があります。申請書類には、配属スケジュールや業務分担表など、客観的に示せる資料を添えることが重要です。
📍 許可を得るためのワンポイントアドバイス
- 実務研修の期間を短く設定する
- 単純作業を伴う実務研修は在留期間の一部(3~4カ月程度)にとどめる
- 実務研修の目的や研修後の職務内容を明確に説明できるようにする
- 研修期間の職務内容を「技術・人文知識・国際業務」に該当する内容に調整する
- 例えば、フロント業務の実務研修を中心にし、配膳や清掃は補助的な業務とする
- 研修中でも宿泊プランの企画やマーケティング業務など、ホワイトカラー業務に関連する内容を組み込む
- 研修の詳細を雇用理由書に記載し、合理的な関連性を示す
- なぜその実務研修が必要なのか
- 研修後にどのような業務を担当する予定なのか
- 日本人の新入社員と同じ研修制度であることを示す
最後に――ホテル・宿泊業の「技術・人文知識・国際業務」ビザ取得を成功させるには?
ホテル・宿泊業でこのビザを取得するには、業務内容が審査基準に適合していることを明確に証明し、審査官が求めるポイントを押さえた申請が不可欠になります。
✅ ホテル・宿泊業の許可事例を知りたい
✅ 審査官が重視するポイントを理解したい
✅ 不許可リスクを最小限に抑えたい
このようなお悩みがある企業さまは、お問い合わせ(初回相談無料)をご利用ください。個別の事情に応じて、許可の可能性や申請手続きの流れを丁寧にご案内します。
ご依頼いただく場合は、必要書類の準備から申請代行までを丁寧にサポートいたします。
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