技術・人文知識・国際業務ビザで採用できる留学生の条件とは|学歴と職務の関連性を大学・専門学校別に整理

外国人留学生を新卒採用する際、「技術・人文知識・国際業務(技人国)で申請できるか」を早めに見極められるかどうかで、その後の手間が大きく変わります。
特に重要なのが、職務内容と留学生本人の学歴(専攻)の関連性です。条件を満たしているつもりでも、職務の設計や説明の仕方次第で判断が難しくなることがあります。

そこで本記事では、採用担当者が留学生の内定前に確認しておきたいポイントを、大学卒/専門学校卒に分けて整理します。まずは、採用可否の方向性を短時間でつかむために、一次判定のチェックポイントから確認していきましょう。

なお、就労ビザでは、取得条件を誤解している方が少なくなく、誤った判断が不許可や大幅な審査の遅延につながるケースも見られます。入管への問い合わせは電話がつながりにくく、申請当日は長時間待たされることもあります。
調べものや手続きにかかる時間と労力を考えると、安心して進めるためには、専門家のサポートを受けることも有効な選択肢の一つです。

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⚠️2025年12月12日の報道によれば、在留資格「技術・人文知識・国際業務」における職務内容の審査について、次年度の制度改正により、現行よりも厳格な運用へ変更する方向で検討に入ったとの発表がありました。現時点では最終決定ではありませんが、今後の動向にはご注意ください。

1️⃣ 採用できるかの一次判定:まず見るべきチェックポイント

外国人留学生を「技術・人文知識・国際業務(技人国)」で採用できるかを採用担当者が最初に判断する際は、次の順番で確認すると迷いにくくなります。

① 学歴区分を先に確定する

まずは、候補者の学歴がどの区分に当たるかを整理します。
学歴区分によって、職務との関連性の組み立て方や説明のポイントが変わります。

  • 日本の大学・大学院
  • 日本の専門学校
  • 海外の学歴(海外大学など)

②職種の骨格を言語化する

次に、採用する職種がどのタイプかを明確にします。
「職種名」ではなく、実際の業務の性質で捉えるのがポイントです。

例:

  • エンジニア(開発・設計・検証など)
  • 設計・品質管理・生産管理
  • 企画・マーケティング・広報
  • 翻訳・通訳
  • 海外営業・貿易実務 など

③ 仕事内容が補助作業中心になっていないか確認する

技人国は、専門性を前提にした在留資格です。
そのため、実態として「誰でもできる補助業務」が中心になっていると、説明が難しくなります。

注意が必要になりやすい例:

  • 単純な入力・庶務・雑務が大半
  • 現場作業が中心で、専門業務が付随的
  • 指示待ちの補助業務が中心で、本人の判断・専門性が見えない

④ 学歴(専攻)と仕事内容をつなぐ説明が組み立てられるか

最後に、ここが一次判定の核心です。
会社が留学生の専攻で学んだ知識・スキルが、入社後の業務でどのように使われるかを、具体例を挙げて説明できるか確認します。

チェックの視点:

  • 専攻科目・研究テーマ・実習内容が、業務とどこでつながるのか
  • 職務の中に、知識やスキルが必要となる場面が具体的にあるか
  • 「なぜこの人材が必要か」が業務上の必然として説明できるか

迷いが出たら「内定前」に論点を整理する

この段階で引っかかりがある場合は、内定後に慌てて整えるよりも、内定前に整理しておく方が結果的に安定します。
業務設計(担当範囲・期待役割)や説明の組み立ては、早い段階で固めた方が、申請準備・社内調整・本人との認識合わせがスムーズに進みます。

2️⃣ いちばん重要:職務と学歴(専攻)の「関連性」

技術・人文知識・国際業務(技人国)は、「学歴がある」「会社が採用したい」といった事情だけで判断されるものではありません。
審査では、実際に担当させる仕事内容が、本人の学歴(専攻)で身につけた知識・技能を活かす設計になっているかが重要になります。

言い換えると、ポイントは次の2点です。

  • 職務の中身が“専門性のある仕事”として説明できること。
  • その専門性が、学歴(専攻)と筋道立てて結び付くこと。

この「関連性」が弱いと、説得力のある説明を組み立てにくくなります。
一方で、職務の設計と説明が整理できていれば、採用判断や申請準備の見通しが立てやすくなります。

このあと、大学(大学院を含む)と専門学校に分けて、関連性の考え方と組み立て方を解説します。

3️⃣【大学・大学院】関連性の考え方(説明の作り方)

大学・大学院卒は、専門学校卒に比べて、学んだ内容と仕事を結び付ける説明の幅が広い傾向があります。
ただしその分、入社後の職務内容があいまいだと「専門性が弱い仕事」に見えやすく、関連性の評価も弱くなりがちです。

説明の柱を作る手順(おすすめ)

  • 仕事内容を「担当領域」に分解する。
    例:分析/設計/企画/制作/運用改善/対外折衝 など
  • 各領域で使う知識・スキルを言語化する。
    例:統計、会計、情報処理、法務、言語運用、異文化理解 など
  • 学歴側の根拠と結び付ける。
    「履修科目」「ゼミ・研究テーマ」「卒業研究」「論文・制作物」などに結び付け、
    “学んだことを業務でどう使うか” を説明できる形にします。

大学卒で整理しやすい例(イメージ)

  • 経済・経営系
    企画、マーケティング、事業管理、法人向け提案など
    ※「数字を扱う」「分析して施策に落とす」など、業務の中身を具体化すると強くなります。
  • 情報系
    開発、運用設計、データ分析、セキュリティ、要件定義など
    ※端末設定や監視など補助作業中心に見える設計だと説明が弱くなりがちです。
  • 文系(国際・言語・社会系など)
    翻訳・通訳、海外営業、貿易実務、海外市場調査、多言語対応のカスタマーサポート(高度な内容)など
    ※「言語を使う」だけでなく、業務の専門性(交渉、調査、企画、運用設計等)まで説明できると整理しやすくなります。

4️⃣【専門学校】関連性がシビアになりやすい理由と、整え方

専門学校卒の場合、実務上は「大学卒よりも学歴と職務内容の関連性の説明が求められやすい」傾向があります。
これは、審査で見られるポイントが「学歴があるか」ではなく、学んだ分野と就かせる仕事がどれだけ直結しているかに寄りやすいためです。

採用担当者としては、次の考え方で整理すると、一次判定がしやすくなります。

なぜシビアになりやすいのか(よくあるつまずき)

  • 専門分野が職種に直結する前提で見られやすい
    そのため、仕事内容が広すぎたり、補助業務が中心だったりすると「関連性が弱い」と判断されやすくなります。
  • 何を学んだかの説明が抽象的になりやすい
    学科名だけでは伝わりにくい場合があるため、授業内容、制作物、習得したスキルなど、根拠となる情報を添えると説明が安定します。
  • 現場業務が専門性の外側に寄りやすい
    たとえば「IT系の学科→実務が端末キッティング中心」「デザイン系→実務が雑務中心」など、業務設計によっては評価が弱くなりやすい点に注意が必要です。

整え方(採用側が押さえるべきポイント)

  • 職務内容を専門業務の割合が分かる形にする
    例:担当業務の内訳(専門業務/補助業務)や担当範囲、業務の流れを具体的に言語化します。
  • 専門学校側の根拠を具体資料で補強する
    例:履修科目、資格、成績証明、卒業見込み証明など。
  • 「学校で学んだスキル → 会社で使う場面」を1対1で対応付ける
    例:「Web制作実習」→「LP制作・運用」、「プログラミング演習」→「機能改修・テスト設計」など、結び付きを明確にします。
  • 補助業務中心に見える設計を避ける。
    研修期間がある場合でも、「研修後にどの専門業務へ移るか」「いつ頃から任せるか」を示せる状態にします。

ここまでが一次判定の結論

専門学校卒は、専攻と職務のつながりが弱いと短期許可・追加資料・慎重審査につながりやすいため、採用段階で「仕事内容の設計」と「根拠資料の準備」をセットで整えるのが安全です。

5️⃣ 大学・専門学校別「採用前チェックリスト」

全員共通(まずここを確認)

  • 仕事内容を一言で説明できる(「何でも屋」や曖昧な配属になっていない)。
  • 職務を専門性のある領域として整理できる(担当領域・成果物・判断要素が示せる)。
  • 雇用条件を明確に説明できる(職位、報酬、勤務地、勤務時間、契約期間など)。
  • スケジュールが現実的(4月入社など期限がある場合、準備・申請・入社までの流れに無理がない)。
  • 補助作業がある場合の位置づけが説明できる(割合・期間・目的が言語化でき、補助が主にならない設計になっている)。

大学卒の場合(関連性の“補強材料”を使えるか)

  • 履修科目などで説明を補強できる(学部名だけで終わらない)。
  • 職務の各担当領域が、学修内容とつながる形で整理できる(「どの知識を、どの業務で使うか」が言える)。
  • 文系の場合も“言語・国際・企画・分析”など、職務の中身が具体的(抽象的な業務説明になっていない)。

専門学校卒の場合(関連性がよりシビアになりやすい前提で整える)

  • 学んだ分野と業務が「主担当として」直結している(補助業務中心に見えない)。
  • 研修・OJT後に専門業務へ移る設計が説明できる(いつ・何を・どの程度担当するかが具体的)。
  • 関連性の根拠を提示できる(学習内容、実習、資格など)。

まとめ:採用できる条件は「学歴」だけでは決まらない

技人国での留学生採用は、学歴の有無だけでなく、仕事内容の設計と説明の一貫性で結果が左右されやすい分野です。
採用前に専攻と職務内容のつながりを整理しておくことで、内定後の手間を減らし、4月入社などのスケジュール管理にもつながります。

📖 よくある質問(FAQ)

「関連性」は学部名が近ければ足りますか?

学部名(専攻分野)が近いことは、関連性を説明するうえでプラス材料になります。
ただし、学部名だけで判断が固まるわけではありません。

学部名が近くても、業務内容が補助作業中心だったり、専門性が曖昧だったりすると弱く見られやすいため、職務の中身(実態)を具体化して説明することがポイントになります。

文系学部の留学生でも技人国で採用できますか?

文系学部の留学生でも、技術・人文知識・国際業務(技人国)で採用できる可能性はあります。
ポイントは、担当させる仕事内容を「専門性のある業務」として具体的に整理し、学修内容(専攻・履修科目・研究テーマなど)と結び付けて説明できることです。

一方で、「語学ができるから」「国際的な部署だから」といった説明だけでは弱くなりやすいため、実際の担当業務・判断業務・成果物まで落として説明することが重要です。

専門学校卒は大学卒より不利ですか?

一概に不利とは言えません。
ただし実務上は、大学卒と比べて「職務と学習内容(専攻)の関連性」をより丁寧に説明する必要が出やすい傾向があります。

専門学校で学んだ内容が、入社後の主担当業務に直結している(役割・担当範囲が明確で、専門性のある業務として整理できる)状態だと、説明を組み立てやすくなります。

まだ配属や担当業務が固まっていません。内定を出してから考えても大丈夫ですか?

原則としておすすめしません。技人国は、入社後に担当させる業務が学歴(専攻)と結び付く設計になっていることが重要です。
そのため、内定後に職務内容が大きく変わると、要件を満たしにくくなることがあります。

日本人を新卒で雇用する場合は、採用後に担当業務を割り当てることも多いと思います。
一方、外国人採用では、採用したい職種(業務の軸)と必要スキルを先に決めておくと、申請準備の際の手間を減らすことができます。

最後に――留学生の採用を進めている企業の人事・採用ご担当者さまへ

技術・人文知識・国際業務ビザでは、採用予定者の専攻(大学/専門学校)と、実際に担当させる業務内容の「関連性」が審査の重要ポイントになります。ここを曖昧にしたまま申請すると、説明不足として不許可につながるケースもあります。

✅ 大学卒/専門学校卒で、どこまで関連性が必要か判断できない
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