難民申請中でも就労ビザに変更可能?審査の基準や注意点を解説
「難民申請中と聞いたけれど、就労はできるの?」「就労ビザへの変更手続に問題はないのか」──こうした不安や疑問を抱えながら、外国人の採用を検討している企業も少なくありません。

難民認定申請中の外国人の方を採用する場合は、現在の在留状況や就労の可否、今後の在留資格変更の可能性を慎重に確認する必要があります。特に、就労ビザへの変更の可否は個別事情によって左右されやすく、通常の就労ビザ申請とは異なる点が問題になることもあります。
そこで本記事では、外国人の雇用を検討している企業の採用担当者の方に向けて、難民申請中に就労ビザへ変更できる可能性や主な条件、申請時の注意点を分かりやすく解説します。
当事務所では、就労ビザ申請に関するご相談から申請書類の作成・申請代行まで幅広くサポートしています。
在留資格や永住許可では、出入国在留管理庁が案内している一般的な必要書類だけを提出すればよいとは限りません。同じ在留資格でも、勤務先や家族構成、現在の在留状況などによって、案内にない資料でも提出した方がよい場合や、追加で事情を説明した方がよい場合があります。
しかし、AIやインターネット上の一般的な情報だけでは個別事情まで判断しにくく、「自分の場合は何を準備すればよいのか」「どのような点を確認しておいた方がよいのか」が分かりにくいことは少なくありません。
そのような場合は、申請を進める前に専門家へ相談し、今後の進め方を確認しておくこともできます。
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1️⃣ 難民申請の流れはどのようになるのか
難民申請は、申請者の住所を管轄する地方出入国在留管理官署で行います。申請時に提出する書類は以下のとおりです。
【難民・補完的保護対象者認定申請の主な必要書類】
- 難民・補完的保護対象者認定申請書
- 証明写真
- 「難民」であることを証明する資料または陳述書
- パスポート、在留カード
難民認定申請・補完的保護対象者認定申請には、2026年10月1日の手数料改定後も申請手数料はかかりません。
また、標準処理期間は6か月とされていますが、実際の平均処理期間はこれを上回っています。出入国在留管理庁の公表によると、2025年の一次審査の平均処理期間は約22.5か月です。
難民認定申請を行うと、地方出入国在留管理局の難民調査官による調査が行われます。この際、申請者から事情を聴取するための面接などが行われ、提出資料や聴取内容などをもとに難民該当性が判断されます。
難民認定された場合
難民として認定された場合には、難民認定証明書が交付され、原則として在留資格「定住者」が付与されます。
難民として認められなかった場合
難民条約上の「難民」に該当しないと判断された場合、「補完的保護対象者」に該当するかどうかが審査されます。
補完的保護対象者とは、難民ではないものの、難民と同様に保護を必要とする紛争避難民などを指します。2023年12月1日の入管法改正に伴い、この補完的保護対象者の認定制度が導入されました。
補完的保護対象者として認定された場合、難民認定は不認定となりますが、原則として在留資格「定住者」が付与されます。
難民認定・補完的保護対象者認定後のサポート
難民認定を受けた方は、日本社会で自立した生活を送るための支援を受けることができます。支援プログラムには、以下のような内容が含まれます。
- 日本語習得のサポート
- 社会制度、生活習慣、保健衛生に関するガイダンス
- 就職先や職場適応訓練先のあっせん
補完的保護対象者として認定された場合も、ほぼ同様の支援を受けることができます。2025年には474人が補完的保護対象者として認定されています。
不服申し立てについて
難民認定や補完的保護対象者の認定結果に不服がある場合は、審査請求を行うことが可能です。
【難民申請中の外国人を採用したいご担当者様へ】
難民申請中の方を採用する場合は、就労ビザへの変更が可能かどうかや、現在の在留状況との関係を慎重に確認する必要があります。通常の就労ビザ申請とは異なる論点もあるため、必要な確認事項や書類を整理したうえで進めることが大切です。
初回相談では、基本的な申請要件や確認しておいた方がよいポイント、今後の進め方について一般的な範囲でご案内します。
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ご相談後、申請全体のサポートのほか、必要な部分だけをご依頼いただくことも可能です。
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難民申請中の方を採用する場合は、就労ビザへの変更が可能かどうかや、現在の在留状況との関係を慎重に確認する必要があります。通常の就労ビザ申請とは異なる論点もあるため、必要な確認事項や書類を整理したうえで進めることが大切です。
初回相談では、基本的な申請要件や確認しておいた方がよいポイント、今後の進め方について一般的な範囲でご案内します。
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2️⃣ 難民申請中の方が就労ビザへ変更申請することは可能か?
難民認定申請や補完的保護対象者認定申請などを行っている方は、審査結果を待つ間の在留のため、「特定活動(難民認定等申請者用)」への在留資格変更許可申請を行うことがあります。ただし、難民認定申請を行っただけで、自動的にこの在留資格が付与されるわけではありません。
「特定活動」ビザとは?
「特定活動」のビザは、他の在留資格に分類できない活動を許可する在留資格で、さまざまな種類があります。簡単に言えば「その他」に分類されるビザです。このうち、難民申請中の方が取得する特定活動ビザは、通称「難民ビザ」と呼ばれることもあります。
「特定活動(難民認定等申請者用)」で在留している場合でも、就労できるかどうかは一律ではありません。申請案件の取扱いや在留状況によって、就労可能な場合と就労できない場合があります。そのため、採用前には在留カードや指定書などを確認し、現在認められている就労の範囲を確認することが重要です。
在留カードの表面に「就労不可」と記載されている場合でも、裏面の「資格外活動許可欄」に許可の記載があれば、その許可された範囲内で就労できる場合があります。採用する際には、在留カードの表面だけでなく、裏面の資格外活動許可欄も確認することが大切です。
難民申請の悪用と審査の厳格化
かつて、この制度を利用して就労目的で難民申請を行い、資格外活動許可を得て働くケースが多発しました。また、日本での在留を延長する目的で審査請求を繰り返したり、何度も難民申請を提出したりするケースもありました。
難民申請はその性質上、申請するための条件に学歴・経歴を前提にしないため、これを放置すると他の在留資格で厳格な条件を設定した意味がなくなってしまいます。そのため、2018年頃から入国管理局(出入国在留管理庁)は、就労目的と思われる難民申請に対し、厳格な審査を行うようになりました。
2024年6月10日から、3回目以降の難民認定申請または補完的保護対象者認定申請については、申請中であっても原則として送還停止効の対象外となりました。
ただし、3回目以降の申請であっても、申請時に難民または補完的保護対象者と認定すべき「相当の理由がある資料」を提出した場合には、例外として送還が停止されます。
なお、難民認定申請自体が「2回まで」に制限されたわけではありません。
難民申請中の在留資格変更について
この流れを受け、難民申請中に他の在留資格への変更を希望する人が増えました。
難民申請中であっても、在留資格の変更申請を行うことは可能です。変更を希望する在留資格としては、以下のようなものがあります。
- 就労ビザ(技術・人文知識・国際業務 など)
- 日本人の配偶者等(結婚ビザ)
- 定住者ビザ など
しかし、難民認定申請中であっても在留資格変更許可申請を行うことはできますが、変更先の在留資格の要件だけでなく、これまでの在留状況や申請に至った経緯なども含めて審査されます。
なお、難民認定申請自体に手数料はかかりませんが、就労ビザなどへの在留資格変更許可申請については、許可された場合に所定の手数料が必要です。2026年10月1日以降の申請では、許可される在留期間や申請方法によって手数料が異なります。
在留資格変更の審査のポイント
難民申請中の方が他の在留資格へ変更を申請する場合、以下の点が審査対象となります。
- 難民申請時の理由と背景
- 現在の在留状況と変更申請の整合性
- 難民申請と変更申請の内容に矛盾がないか
- 変更申請に合理的な理由があるか
特に、就労ビザの場合は、難民申請を就労目的と見なされる可能性があるため、審査が厳しくなります。雇用理由書等を通じて、どのような経緯で就労することになったのかを詳細に説明し、合理的な採用理由を示すことをお勧めします。
また、「日本人の配偶者等」などの結婚ビザでも、審査は慎重に行われます。
結論:難民申請中の就労ビザへの変更は可能か?
難民認定申請中であっても在留資格変更許可申請を行うことはできますが、変更先の在留資格の要件に加え、これまでの在留状況や申請に至った経緯なども含めて総合的に審査されます。
仮に変更申請が不許可となった場合、一度帰国し、「在留資格認定証明書交付申請」を行い、改めて日本に入国する方法もあります。
ただし、変更申請が不許可となった際の資料や、過去の難民申請時に提出した書類も審査対象となるため、許可が下りる保証はありません。
そもそも、難民申請は「帰国すると生命や安全に危険が及ぶ」ことを前提とした申請であるため、一度帰国して申請し直すという方法は、現実的には最終手段と言えます。
最後に――難民申請中の外国人の採用をご検討中の企業ご担当者さまへ
難民申請中の外国人を雇用する場合、「就労可能かどうか」や「在留資格変更の可否」など、通常の採用とは異なる注意点があります。判断を誤ると、採用や申請を想定どおりに進められないこともあるため、慎重な対応が必要です。
特に、次のような場合は、早めに相談しておくと安心です。
✅ 在留資格の変更が可能なケースか知りたい
✅ 手続の流れや必要書類を正確に把握したい
✅ 申請業務を専門家に任せてスムーズに進めたい
このようなお悩みをお持ちの方は、下記のリンクからお問い合わせください。
初回相談では、基本的な申請要件や確認しておいた方がよいポイント、今後の進め方について一般的な範囲でご案内します。
ご相談後、申請全体のサポートのほか、必要な部分だけをご依頼いただくことも可能です。
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