特定活動(高度専門職外国人の配偶者)とは|就労範囲と申請時の注意点

特定活動(告示33号:高度専門職外国人の配偶者)は、通常の家族滞在ビザとは異なり、配偶者本人が一定の条件のもとでフルタイムの就労活動を行うことができる特例的な在留資格です。
制度の趣旨や対象範囲、申請時に注意すべきポイントを理解しておくことで、よりスムーズな申請と安心した在留生活につながります。

まずは、この在留資格がどのような制度なのか、その基本的な仕組みから見ていきましょう。

特定活動ビザで働く高度専門職外国人の配偶者と日本の職場のイメージ

特定活動(高度専門職外国人の配偶者)とは?

「特定活動(高度専門職外国人の配偶者)」は、高度専門職ビザまたは特別高度人材ビザを持つ外国人の配偶者が、日本国内で一定の就労活動を行うことを認める特例的な在留資格です。

通常の「家族滞在」ビザの場合、就労を希望する際には別途「資格外活動許可」を取得する必要があり、さらに週28時間以内といった就労時間の制限があります。

これに対して、「特定活動(高度専門職外国人の配偶者)」の資格を取得すれば、配偶者本人がフルタイムで就労活動を行うことが可能になります。
この点が大きな特徴であり、多くの専門職外国人家庭にとって非常にメリットの大きい制度といえるでしょう。

この特例措置は、出入国管理及び難民認定法(入管法)別表第1の2に定められた高度専門職外国人」および「特別高度人材外国人」に対する優遇措置の一環として整備されています。 優秀な人材を日本に呼び込み、その家族も安心して生活し就労できる環境を整えることで、日本社会全体の国際競争力の強化を目指す狙いがあります。

制度の背景と対象範囲の拡大

当初、この特例措置(特定活動)は「高度専門職外国人」の配偶者を対象とし、以下の在留資格に該当する活動が認められていました。

  • 研究
  • 教育
  • 技術・人文知識・国際業務
  • 興行

その後、令和5年(2023年)に「特別高度人材」の基準が新たに整備されたことを受け、制度の対象範囲がさらに拡大されました。
これにより、特別高度人材外国人の配偶者については、以下のより幅広い在留資格に該当する活動が認められています。

  • 教授
  • 芸術
  • 宗教
  • 報道
  • 研究
  • 教育
  • 技術・人文知識・国際業務
  • 興行
  • 技能

このように、高度専門職外国人の配偶者に比べ、特別高度人材外国人の配偶者の方がより多様な職種・分野での就労が可能となっている点が大きな特徴です。

呼び寄せと在留の形態

高度専門職外国人または特別高度人材外国人の配偶者は、以下のいずれかの方法で日本に在留することが可能です。

高度専門職外国人と同時に入国する場合
 → 配偶者が主たる申請者(高度専門職外国人)と同時に日本へ入国し、入国時に「特定活動(配偶者)」の在留資格を取得するケースです。
 この場合は、主たる申請者のビザ申請時に
配偶者の分もあわせて手続きを行います。

高度専門職外国人が先に入国し、後から配偶者を呼び寄せる場合
 → 主たる申請者が先に日本に入国・在留している場合、その後に本国から配偶者を呼び寄せる形で「特定活動(配偶者)」の在留資格を申請することが可能です。
 この場合、別途、呼び寄せ用の申請手続きが必要となります。


いずれの方法であっても、事前に所定の申請手続きを行い、定められた要件(同居や報酬条件など)を満たしたうえで、「特定活動(配偶者)」の在留資格許可を受ける必要があります
要件や申請書類の不備があると許可が下りない場合もあるため、準備段階から慎重な確認が重要です

許可を受けるための主な要件

配偶者が「特定活動(高度専門職外国人の配偶者)」の在留資格を取得し、許可を受けた就労活動を行うためには、以下の条件をすべて満たしている必要があります。

1️⃣ 配偶者として日本国内で同居していること

  • 夫婦が日本国内で実際に同居していることが前提となります。
  • 単身赴任や別居中の場合は、この特定活動ビザの対象外となり、取得できません。

申請時だけでなく、在留期間中も同居状態が継続していることが求められます

2️⃣ 日本人と同等額以上の報酬を受けていること

  • 配偶者が行う就労活動において、日本人従業員と同水準以上の給与・報酬を受ける必要があります。
  • 例)雇用契約書に明記された給与額が、日本人従業員の水準に見合っていることが求められます

※ 不当に低い給与水準の場合、審査において不許可の可能性が高まります

就労活動上の注意点

「特定活動(高度専門職外国人の配偶者)」ビザで就労する際には、以下の点に十分注意が必要です。違反があると、資格外活動と見なされ処分の対象になる可能性があります。

⚠️ 活動範囲は明確に限定されている

  • 許可を受けた職種・業務内容(例:教授研究技術・人文知識・国際業務など)に限定して就労が認められます
  • 許可された範囲以外の職種で働いた場合は、資格外活動違反となり、重大な問題となります。
    ※ 転職や業務内容の変更を考えている場合は、事前に行政書士や入管へ確認することが重要です。

⚠️ 「家族滞在」ビザとは異なる性質

  • 「家族滞在」ビザの場合は、原則として就労不可であり、別途「資格外活動許可」を取得した場合に限り、週28時間以内の就労が可能です。
  • これに対して、「特定活動(高度専門職外国人の配偶者)」ビザでは、フルタイムでの就労が認められている点が大きな違いです。
    ※ ただし、前述のようにフルタイムで働けるのは「許可された職種の範囲内」であることに注意が必要です。

⚠️ 別居は認められていない

このビザは、高度専門職外国人または特別高度人材外国人との同居が前提条件とされています。一時帰国や別居状態になると、特定活動ビザの資格維持が困難となり、在留資格の取消や更新拒否につながる場合があります。
※ 就労を継続するためにも、在留期間中は原則として同居状態を保つことが求められます

よくある質問(FAQ)

家族滞在から特定活動(配偶者)への変更は可能ですか?

はい、変更は可能です。
ただし、その場合は特定活動ビザの要件(同居していること、日本人と同等以上の報酬を得ていることなど)を新たに満たしている必要があります。
条件が整っていない場合は変更が認められませんので、事前に十分な準備が必要です。

別居になると自動的に在留資格が失効しますか?

自動的に失効するわけではありません。
しかし、別居状態のまま就労を続けた場合は資格外活動に該当し、重大な違反となります。
悪質な場合は退去強制や罰則の対象となる可能性もありますので、別居がやむを得ない事情で発生した場合は、早急に専門家に相談することを強くおすすめします。
なお、この状態のまま在留資格の更新をすることはできません。

特定活動で取得した場合、家族滞在ビザより優遇されますか?

一概に「優遇される」とは言えませんが、就労範囲が広がるというメリットがあります。
「家族滞在」ビザの場合は資格外活動許可が必要であり、週28時間以内という制限がありますが、特定活動ビザは許可された職種であればフルタイムで働くことが可能です。
ただし、その代わりに同居義務などの条件が厳格に求められるため、自由度と制約のバランスを理解したうえで申請することが大切です。


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