特定技能ビザでの外国人雇用|就労開始までの流れと必要手続き
現在、日本では中小企業を中心に人手不足が深刻化しており、その解決策の一つとして2019年に「特定技能」ビザが新設されました。
「特定技能」ビザは、特定の産業分野において、他の在留資格では就労が認められない業務にも従事できる比較的新しい就労ビザです。

このような背景から、特定技能ビザは他の在留資格と比べて取得手続きが特殊で、申請の流れも複雑になっています。そのため、外国人を雇用したいと考えていても、手続きの煩雑さを理由に諦めてしまうケースも少なくありません。
このページでは、特定技能ビザを取得し、外国人を雇用するまでの流れや必要な手続きを詳しく解説します。 少しでもお役に立てれば幸いです。
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🔹 日本国内に在留している外国人の方を採用するケース
すでに日本国内に在留している外国人を特定技能ビザに変更して雇用する場合、比較的手続きがしやすいとされています。 しかし、「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格と比べると、申請手続きは格段に複雑であるため注意が必要です。
✅【STEP 1】特定産業分野の試験合格と日本語能力試験N4以上の取得、または技能実習2号の修了
基本的に、特定技能ビザを新たに取得する場合は「特定技能1号」の取得が一般的です。
特定技能1号を取得するには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。
- 特定産業分野の試験に合格し、日本語能力試験(JLPT)N4以上を取得する
- 技能実習2号を良好に修了し、特定技能1号の対象分野との関連性が認められる場合(試験免除)
技能実習期間の途中で特定技能ビザへ変更することは認められていません。
✅【STEP 2】特定技能外国人と雇用契約を結ぶ
特定技能ビザを申請するためには、雇用契約の締結が必須です。
試験合格前に内定を出すことは禁止されていませんが、通常は【STEP 1】の条件をクリアした後に特定技能雇用契約を締結し、雇用契約書を作成します。 この雇用契約書はビザ申請の提出書類となるため、契約がないと在留資格を取得することができません。
⚠️ 特定技能ビザの雇用契約書の注意点
特定技能ビザでは、雇用契約書の参考様式が公開されており、これを使用することが推奨されています。
具体的な特定技能に関する申請・届出や、使用する契約書の様式については、以下のリンク先をご確認ください。
🔗 関連記事:➡ 出入国在留管理庁Webサイト「在留資格「特定技能」ヘのリンク
✅【STEP 3】登録支援機関と委託契約を締結する
定技能ビザで外国人を雇用する企業には、「外国人を支援する体制の整備」が義務付けられています。
この要件は一見簡単に思えますが、実際には非常に厳しい基準が設けられています。
📌 外国人支援体制の要件
「外国人を支援する体制がある」と認められるためには、企業側に以下の実績・体制が求められます。
- 直近2年間での外国人労働者の受け入れ実績があること
- 生活相談業務の経験がある役員・職員を、支援責任者・支援担当者として配置すること
- 以下の支援を提供できること
- 事前ガイダンスの実施
- 出入国時の送迎
- 住居の確保と生活関連契約のサポート
- 生活オリエンテーションの実施
⚠️ 基本的に登録支援機関への業務委託が必要となる
したがって、外国人雇用の実績がない企業は、この要件を満たすことができません。そのため、必然的に「登録支援機関」へ支援業務を委託する必要があります。
また、「技術・人文知識・国際業務」ビザで外国人を雇用していた企業でも、特定技能ビザに求められる支援業務を自社で対応するのは非常に困難です。そのため、多くの企業が登録支援機関に委託することになります。
💰 【登録支援機関への委託費用】
登録支援機関に業務を委託する場合、以下の費用が発生します。
- 初期費用:30万~40万円
- 月額の委託費:2万~4万円
特定技能ビザで外国人を雇用する際、最も高いハードルとなるのがこの支援体制の整備と費用負担です。
✅【STEP 4】特定技能外国人の支援計画書を作成する
「特定技能外国人の支援計画書」は、特定技能ビザ申請に必要な提出書類の一つです。
登録支援機関に支援業務を委託する場合、計画書の作成はそれほど複雑ではありません。 出入国在留管理庁のWebサイトにある 「特定技能関係の申請・届出様式一覧」 から、「1号特定技能外国人支援計画書(参考様式第1-17号)」 をダウンロードし、記入します。
記載例も掲載されているため、これを活用して正確に作成しましょう。
✅【STEP 5】在留資格変更許可申請を地方出入国在留管理局で行う
こでようやく特定技能ビザの申請手続きに進むことができます。
申請は、申請人(外国人労働者)の居住地を管轄する地方出入国在留管理局またはその出張所で行います。申請には多くの書類が必要となるため、ここでは建設業分野の具体例を紹介します。
特定技能ビザ申請に必要な書類(例)
※作成が必要な書類については、出入国在留管理庁のWebサイトに参考様式が掲載されています。
📄 <申請人(外国人労働者)に関する書類>
- 特定技能外国人の在留諸申請に係る提出書類一覧表
- 在留資格変更許可申請書
- 特定技能外国人の報酬に関する説明書
- 特定技能雇用契約書の写し
- 雇用条件書の写し
- 雇用の経緯に係る説明書
- 徴収費用の説明書
- 健康診断個人票
- 受診者の申告書
📄 <雇用する企業に関する書類>
- 特定技能所属機関概要書
- 登記事項証明書
- 業務執行に関与する役員の住民票の写し
- 特定技能所属機関の役員に関する誓約書
- 労働保険料等納付証明書
- 社会保険料納入状況回答票 または 健康保険・厚生年金保険料領収証書の写し
- 税務署発行の納税証明書(その3)
- 法人住民税の納税証明書(直近1~2年度分)
- 公的義務履行に関する説明書
📄 <建設業分野に関する書類>
- 希望する業務区分に応じた建設分野特定技能1号評価試験の合格証明書の写し
- 日本語能力試験(N4以上)の合格証明書の写し
- 建設特定技能受入計画の認定証の写し
- 建設分野における特定技能外国人の受入れに関する誓約書
💡 特定技能ビザ申請のポイント
- 特定技能雇用契約書や雇用条件書には、申請人(外国人労働者)が十分に理解できる言語での記載が必要
- 特定技能ビザ申請で提出する書類の量は非常に多く、代表的な就労ビザである「技術・人文知識・国際業務」と比べて約2倍の書類が必要となる
📢 申請の不安や手間はプロに任せて、ご自身は大切なことに集中を
→ 多少の費用がかかっても、時間と安心を得られるのは賢い選択です。
✅【STEP 6】特定技能1号への在留資格変更完了、就労開始
在留資格変更申請が受理されると、通常2週間から1カ月ほどで入管からハガキが届きます。次のステップは次のようになります。
- 郵便局などで収入印紙4,000円分を購入(※2025年4月1日より6,000円に値上げ)
- 入国管理局で新しい在留カードを受け取る
これで手続きが完了し、雇用した外国人労働者が正式に就労を開始できるようになります。
🔹海外から来日する外国人を採用するケース
海外にいる外国人を日本に呼び寄せて特定技能ビザで雇用する場合、基本的な手続きの流れは、日本国内に在留している外国人を採用するケースとほぼ同じです。 ただし、在留資格変更許可申請ではなく、「在留資格認定証明書交付申請」を行う点が大きな違いです。
ここでは、国内採用との違いに焦点を当てて解説します。
📌 国内採用との主な違い
- 法定手数料が不要
- 在留資格変更申請と異なり、在留資格認定証明書交付申請には法定手数料がかかりません。
- 「在留資格認定証明書」の発行と送付
- 申請が許可されると、在留資格認定証明書が交付されます。
- 交付された証明書は、日本で雇用する会社から外国人本人に送付する必要があります。
- 2023年の電子申請制度導入により、証明書の原本を郵送する代わりに、PDFをカラープリントしたものを提出する方法も可能になりました。
- ただし、カラー印刷が必須かどうかは国によって異なります。
- 母国での査証(ビザ)取得
- 外国人本人は、日本の在外公館(大使館・領事館)で在留資格認定証明書を提示し、査証(ビザ)を取得します。
- 来日・空港での手続き
- 日本到着時、空港で在留資格認定証明書を提出します。
- 証明書の取得方法(電子か書面か)が確認され、書面で提出した場合は、原本を入管に返却するよう指示されることがあります。
- 返却期限は特に設けられていません。
⚠️ 海外採用のハードルの高さ
特定技能制度では、国が監理団体や送出機関を設けていないため、外国人の雇用は企業が直接行う必要があります。
採用方法として、
- 現地で直接採用活動を行う
- 国内外の職業紹介機関を活用する
といった方法があります。
特に海外で募集する場合、その国の「送り出し機関」の利用が義務となることがあり、この場合、20万〜60万円ほどの費用がかかる点に注意が必要です。
また、日本と特定技能に関する協力覚書(MOC:Memorandum of Cooperation)を締結している国では、各国独自の送出手続が定められている場合があり、手続きがさらに複雑になる可能性があります。
💡 国内採用をおすすめする理由
このように、海外から外国人を呼び寄せて特定技能ビザで雇用するには、国内採用と比べて手続きが非常に煩雑で、時間やコストがかかります。
そのため、当事務所では、日本国内にすでに在留している外国人の方を採用することをおすすめしています。
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特定技能ビザで外国人を雇用するには、適切な受け入れ体制の整備、必要書類の準備、そして審査基準を満たすことが不可欠です。
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