高度専門職ビザを取得するには?条件・ポイント制度・申請の流れを解説
高度専門職ビザは、学歴・職歴・年収・年齢・日本語能力などをポイント化し、原則として合計70点以上で取得を目指す在留資格です。もっとも、実際の申請では、単に点数が足りているだけではなく、どの加点項目が使えるのか、その根拠資料をどのように示すのかまで整理しておくことが大切です。

特に、ポイント計算の読み違い、年収の考え方の誤解、必要書類の不足、説明資料の整合性不足などにより、追加資料の提出を求められて審査が長引いたり、時には審査結果に影響することもあります。そのため、高度専門職ビザの取得では、「点数計算」と「資料のそろえ方」をセットで確認することが重要になります。
この記事では、高度専門職ビザを取得したい方に向けて、取得条件、ポイント制度、必要書類、申請の流れ、注意点をわかりやすく整理して解説します。あわせて、どのような人が取得しやすいのか、どこでつまずきやすいのかも実務目線で紹介します。
当事務所では、高度専門職のビザ申請に関するご相談から申請書類の作成・申請代行まで幅広くサポートしています。
在留資格や永住許可では、出入国在留管理庁が案内している一般的な必要書類だけを提出すればよいとは限りません。同じ在留資格でも、勤務先や家族構成、現在の在留状況などによって、案内にない資料でも提出した方がよい場合や、追加で事情を説明した方がよい場合があります。
しかし、AIやインターネット上の一般的な情報だけでは個別事情まで判断しにくく、「自分の場合は何を準備すればよいのか」「どのような点を確認しておいた方がよいのか」が分かりにくいことは少なくありません。
そのような場合は、申請を進める前に専門家へ相談し、今後の進め方を確認しておくこともできます。
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1️⃣ 高度専門職ビザを取得するための基本条件
高度専門職ビザを取得するには、単に学歴や年収が高いだけでは足りません。まずは、自分の活動内容が高度専門職の対象分野に当てはまること、そのうえでポイント計算の合計が70点以上になることが基本です。
また、申請では、学歴・職歴・年収・日本語能力などの加点項目について、証明書類で根拠を示す必要があります。したがって、高度専門職ビザの取得では、次の3点を順番に確認することが大切です。
- 活動内容が「高度学術研究活動」「高度専門・技術活動」「高度経営・管理活動」のいずれかに当てはまるか
- ポイント計算で70点以上になるか
- 各加点項目を裏付ける資料を準備できるか
この3点を申請前に整理しておくことで、取得の見通しが立てやすくなります。
なお、高度専門職1号には、高度人材ポイント制とは別に「特別高度人材制度(J-Skip)」があります。一定の学歴または職歴と年収の基準を満たす場合には、ポイント計算によらず高度専門職1号として認められる制度です。本記事では、主に高度人材ポイント制による取得方法を解説します。
2️⃣ 高度専門職ビザの対象となる活動分野
高度外国人材の活動は、以下の3つに分類されます。
- 高度学術研究活動(高度専門職1号イ)
- 研究者、科学者、大学教授など
- 在留資格「研究」や「教授」に近い
- 高度専門・技術活動(高度専門職1号ロ)
- ITエンジニア、機械・土木・建築の設計者、マーケティング・経営コンサルティングなど
- 在留資格「技術・人文知識・国際業務」に類似
※ただし、国際業務は含まれない(国際業務はポイント計算による客観的な評価が難しいため)
- 高度経営・管理活動(高度専門職1号ハ)
- 規模の大きな企業の経営者、取締役など
- 在留資格「経営・管理」に類似
高度専門職1号イ・ロは、原則として法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて活動します。一方、高度専門職1号ハは、指定された本邦の公私の機関において事業の経営または管理に従事する活動です。
また、高度専門職1号では所属機関が指定されるため、転職などにより所属機関が変わる場合には、引き続き高度専門職1号で在留する場合でも在留資格変更許可申請が必要になります。
3️⃣ ポイント制で審査される高度外国人材
高度専門職ビザの審査は、学歴・職歴・年収・年齢・日本語能力などを数値化し、合計70点以上であることが必要です。
この「高度人材ポイント制度」では、それぞれの項目に応じて得点が加算され、合計点数が基準に達すれば申請要件を満たします。
【ポイント計算の例】
- 修士号取得(20点)
- 実務経験5年(10点)
- 年収500万円(32歳)(15点)
- 年齢32歳(10点)
- 日本語能力試験N1取得(15点)
合計:70点 → 高度専門職ビザのポイント基準を満たす
※実際の配点は活動類型や年齢、年収などによって異なるため、申請時には最新のポイント計算表で確認する必要があります。
ポイントの配分や加点条件は細かく定められており、似た経歴でも人によって得点が異なることがあります。申請前には必ず最新の基準を確認し、自分の状況を正確に計算することが大切です。
▶ ポイント計算の仕組みや加点項目については、こちら で詳しく解説しています。また、まずは簡単にポイントを確認したいという方は、 こちら をご覧ください。
4️⃣ 高度専門職ビザを取得しやすい人の特徴
高度専門職ビザを取得しやすいのは、次のように加点しやすい事情がそろっている方です。
- 修士号や博士号など、学歴による加点が見込める
- 実務経験が一定年以上ある
- 年収が加点対象になる水準にある
- 年齢が比較的若く、年齢加点が見込める
- JLPT N1やN2、日本の大学・大学院の修了など、日本語関連の加点が使える
- 勤務先や職務内容が明確で、提出資料を整えやすい
一方で、ポイント計算上は70点に届きそうでも、年収の扱いに迷いがある場合や、職歴を裏付ける資料が弱い場合、学歴と仕事内容のつながりが伝わりにくい場合は、申請前の整理がとても重要です。
【高度専門職ビザの取得を検討している方へ】
高度専門職ビザでは、ポイントが70点以上になるかだけでなく、活動内容が対象となるか、各加点項目をどの資料で証明するかまで確認しながら準備することが大切です。
初回相談では、基本的な取得要件やポイント制度の考え方、確認しておいた方がよいポイント、今後の進め方について一般的な範囲でご案内します。
個別具体的なポイント計算や提出資料の確認が必要な場合には、内容に応じて有料相談をご案内することも可能です。また、ご希望に応じて、必要書類の整理、申請書類の作成、申請手続までサポートしています。
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5️⃣ 高度専門職ビザの最低年収基準
「高度専門・技術活動」および「高度経営・管理活動」では、年収300万円以上であることが最低基準となります。
年収は、申請に係る高度専門職としての活動によって受ける予定の報酬を基準に考えます。外国の会社等から転勤して日本の会社等に受け入れられ、海外の会社等から報酬を受ける場合には、その海外からの報酬もポイント計算上の年収に含めることができます。
なお、「高度学術研究活動」については、平成25年に最低年収基準が撤廃されており、年収要件はありません。
▶ 高度専門職ビザを取得するために必要な年収については こちら で詳しく解説しています。
6️⃣ 高度専門職ビザ取得までの流れ
高度専門職ビザを取得するまでの流れは、概ね次のとおりです。
- 自分の活動内容が高度専門職の対象分野に当てはまるか確認する
- 学歴・職歴・年収・年齢・日本語能力などをもとにポイント計算を行う
- 加点項目ごとの証明資料を整理する
- 在留資格認定証明書交付申請や在留資格変更許可申請など、自分に合う申請種類を確認する
- 申請書類を作成し、管轄の出入国在留管理官署へ提出する
- 審査結果を待ち、許可後に在留カード等の手続を行う
この順番で確認すると、どの段階で不足があるのかが見えやすくなります。特に、高度専門職ビザでは、ポイント計算だけを先に進めてしまい、後から証明資料が足りないと分かることもあります。そのため、取得を目指す場合は、点数の確認と資料の準備をあわせて進めることが大切です。
申請のパターンと申請先を確認しましょう
高度専門職ビザの申請には、主に次のようなパターンがあります。
- 海外から新たに来日して高度専門職1号を取得する場合
- 日本で他の在留資格から高度専門職1号へ変更する場合
- 高度専門職1号から高度専門職2号へ移行する場合
在留資格変更許可申請や在留期間更新許可申請は、原則として申請人の住居地を管轄する地方出入国在留管理官署で行います。
海外から呼び寄せるための在留資格認定証明書交付申請(COE)は、申請人本人が行う場合は居住予定地、代理人等が行う場合は受入機関の所在地などを管轄する地方出入国在留管理官署が提出先となります。
在留資格認定証明書交付申請(COE)には申請手数料はかかりません。
一方、在留資格変更許可申請や在留期間更新許可申請では、2026年10月1日以降に受け付けられた申請について、許可される在留期間に応じて手数料が異なります。
高度専門職1号では在留期間「5年」が一律に付与されるため、窓口申請の場合は75,000円、オンライン申請の場合は65,000円となります。オンライン申請では別途550円の決済手数料がかかるため、支払額は合計65,550円です。
なお、2026年9月30日までに受け付けられた申請については、10月1日以降に許可された場合でも改定前の手数料が適用されます。
7️⃣ 高度専門職ビザ申請時の必要書類
高度専門職ビザの申請では、申請する在留資格の種類や状況によって提出書類が異なります。ここでは例として、「高度専門職1号(ロ)」への在留資格変更許可申請を行う場合の必要書類をまとめます。
なお、高度専門職ビザの取得で必要になる書類は、申請の種類や活動類型、加点項目の内容によって変わります。
したがって、一覧だけを見て準備するのではなく、自分が使う加点項目に対応した資料を個別に整理することが重要です。以下の内容も代表的な例にとどまりますので、ご参考の際はご注意ください。
高度専門職1号(ロ)の主な提出書類の例
- 在留資格変更許可申請書
- 写真
- パスポート・在留カード(提示)
- 活動内容に応じた基礎となる在留資格の提出資料
- ポイント計算表
- 70点以上あることを確認できる加点項目の疎明資料
8️⃣ 高度専門職ビザの取得でつまずきやすいポイント
高度専門職ビザの取得では、次のような点でつまずきやすい傾向があります。
- ポイント計算は70点を超えていると思っていたが、実際には使えない加点があった
- 年収に含められる項目の考え方を誤っていた
- 学歴や職歴を証明する資料が不足していた
- 勤務先での仕事内容が資料上はっきり伝わらなかった
- 必要書類はそろっていても、全体として説明が分かりにくかった
高度専門職ビザは、単に点数表を埋めれば足りる手続ではありません。取得を目指す場合は、「何点あるか」だけでなく、「その点数をどの資料で示すか」まで整理しておくことが大切です。
9️⃣ 高度専門職ビザの優遇措置
高度専門職ビザでは、優秀な外国人材の受け入れを促進するため、出入国管理上の特例が認められています。
高度専門職1号の主な優遇措置
- 複合的な在留活動が可能
- 例:大学教授が企業のコンサルタントとして活動可能
- 在留期間「5年」の付与
- 高度専門職1号では、在留期間「5年」が一律に付与されます
- 永住許可要件の緩和
- 通常は10年の在留実績が必要だが、高度人材は最短1年で永住申請が可能(80点以上)
- 配偶者の就労許可
- 一定の条件のもと、配偶者は通常の就労資格で求められる学歴・職歴要件を満たさなくても、「教育」「技術・人文知識・国際業務」などに該当する活動に従事できます
- 一定の条件で親の帯同が可能
- 世帯年収の年収800万円以上などの条件あり
- 一定の条件で家事使用人の帯同が可能
- 世帯年収の1,000万円以上などの条件あり
- 入国・在留手続きの優先処理
- 制度上は、高度外国人材の入国事前審査について申請受理から10日以内、在留審査について5日以内を目途とした優先処理が設けられています。
ただし、現在は実際の審査期間がこれらの目安を大きく上回る状況が続いており、実務上は優先処理の効果を期待しにくい状況となっています。
- 制度上は、高度外国人材の入国事前審査について申請受理から10日以内、在留審査について5日以内を目途とした優先処理が設けられています。
▶ 詳しい優遇措置については、こちら で詳しく解説しています。
(参考)高度専門職2号とは?永住許可との違いや申請要件
高度専門職2号は、高度専門職1号などとして一定期間活動した方を対象とする在留資格です。
原則として、高度専門職1号または高度外国人材としての「特定活動」で3年以上活動していることなどが要件となります。なお、特別高度人材制度(J-Skip)の対象者については、高度専門職1号として1年以上活動することで高度専門職2号へ移行できる場合があります。
高度専門職2号では、高度専門職1号で認められる活動に加え、ほぼすべての就労資格に該当する活動を行うことができ、在留期間は無期限となります。
高度専門職2号の最大の特徴
最大の特徴は、「在留期限がない」という点です。この点は永住許可と類似していますが、両者にはいくつかの違いがあります。以下の表で、両者の主な違いを比較してみましょう。
| 高度専門職2号 | 永住者 | |
|---|---|---|
| 就労制限の有無 | 高度専門職1号の活動に加え、ほぼすべての就労資格に該当する活動が可能 | 制限なし(全業種就労可能) |
| 配偶者の就労 | 一定の条件のもと、学歴・職歴要件を満たさなくても「教育」「技術・人文知識・国際業務」などに該当する活動に従事できる | 制限なし |
| 転職・退職時 | 正当な理由なく6か月以上、高度専門職2号に係る活動を行わない場合は、在留資格取消しの対象となる可能性がある | 制限なし |
| 親の帯同 | 7歳未満の子の養育や妊娠中の本人・配偶者の介助等で、世帯年収800万円以上、同居などの条件あり | 特に優遇措置なし |
| 家事使用人の雇用 | 世帯年収が1,000万円以上 | 特に優遇措置なし |
なお、高度専門職2号は在留期間そのものは無期限ですが、在留カードには有効期間があります。2026年6月14日以降に交付される在留カードは、原則として交付の日後10回目の誕生日までが有効期間となり、有効期間の更新手続が必要です。
📖 FAQ(よくある質問)
高度専門職ビザは70点あれば必ず取得できますか?
70点以上であることは重要な要件ですが、それだけで足りるわけではありません。活動内容が対象分野に当てはまるか、各加点項目を裏付ける資料がそろっているか、申請書類全体に不自然な点がないかも重要です。
高度専門職ビザの取得では年収が低いと難しいですか?
活動類型によっては最低年収の考え方が関わるほか、年収はポイント加点にも影響します。ただし、学歴や職歴、日本語能力などで加点できる場合もあるため、年収だけで判断せず、全体の点数で確認することが大切です。
高度専門職ビザを取得する前にポイント計算だけ確認できますか?
はい、まずはポイント計算の目安を確認することが大切です。ただし、実際の申請では、その点数を裏付ける資料が必要になるため、取得を目指す段階では資料の有無まであわせて確認しておく方が安心です。
高度専門職1号と2号はどちらを先に取得しますか?
通常は、まず高度専門職1号を取得し、その後の在留実績などの条件を満たしたうえで高度専門職2号を検討する流れになります。
最後に――高度専門職ビザのポイント計算や申請準備に不安がある方へ
高度専門職ビザは、優遇措置が大きい一方で、取得のためにはポイント計算と証明資料の整理を正確に進めることが大切です。
特に、次のような方は、申請前に一度確認しておくことをおすすめします。
✅ 自分の経歴や仕事内容が高度専門職の対象になるか確認したい
✅ ポイント制度や年収・職歴などの加点方法が分かりにくい
✅ どのような資料を準備すればよいか確認したい
✅ 自分で申請するか、専門家へ依頼するか迷っている
✅ 申請書類の準備や入管への申請まで任せたい
このようなお悩みをお持ちの方は、下記のリンクからお問い合わせください。
初回相談では、基本的な取得要件やポイント制度の考え方、確認しておいた方がよいポイント、今後の進め方について一般的な範囲でご案内します。
個別具体的なポイント計算や提出資料の確認が必要な場合には、内容に応じて有料相談をご案内いたします。また、ご希望に応じて、申請全体のサポートのほか、必要な部分だけをご依頼いただくことも可能です。
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