高度人材ポイント制度の仕組みと計算方法をわかりやすく解説
高度人材ポイント制度は、日本で高度な専門知識や経験を持つ外国人を優遇する仕組みです。学歴・職務経験・年収・研究実績などを点数化し、一定の基準を満たすことで在留資格の取得や永住許可の期間短縮といった特典を受けられます。ただし、ポイント計算は項目が多く、自己計算の際に見落としや誤差が出ることもあり、不許可の原因になるケースも少なくありません。
出入国在留管理庁Webサイトより
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この記事では、「高度専門職ビザを申請したいが、自分のポイントが足りているか知りたい」「計算方法や加点条件を正しく理解して申請したい」と考えている方に向けて、高度人材ポイント制度の仕組み、具体的な計算方法、加点対象となる条件をわかりやすく解説します。
申請を検討している方にとって、判断の参考となる内容をまとめていますが、準備を進める中で不安を感じた場合は、まずは当事務所の初回無料相談をご利用ください。専門家がご状況に合わせて、許可の見込みや最適な進め方をお伝えします。ご依頼があれば、そのまま申請代行までお任せいただけます。
📌 高度人材ポイント制度とは?
近年、グローバル化の進展に伴い、日本でも高度な知識や技能を持つ「高度人材」の受け入れが積極的に進められています。
これに対応するため、日本政府は、高度外国人材の受け入れを促進する目的で、2012年(平成24年)5月7日から「高度人材ポイント制度」を導入しました。
この制度では、高度外国人材の活動内容を以下の3つのカテゴリーに分類し、それぞれの特性に応じて「学歴」「職歴」「年収」などの項目ごとにポイントを付与します。
- 高度学術研究活動(研究職・大学教授など)→1号イ
- 高度専門・技術活動(エンジニア・医師・弁護士など)→1号ロ
- 高度経営・管理活動(企業経営者・管理職など)→1号ハ
ポイントの合計が一定の基準(70点または80点)を超えると、以下のような優遇措置が受けられます。
✅ 「高度専門職」の在留資格を取得できる
✅ 永住許可申請に必要な日本での滞在年数が短縮される
つまり、高度人材ポイント制度は、これらの優遇措置を受けるための基準をクリアしていることを証明する仕組みといえます。
高度人材ポイントの計算方法(高度専門・技術活動の場合)
このページでは、特に希望者の多い 「高度専門・技術活動(高度専門職第1号ロ)」のポイント計算方法 について詳しく解説します。
① 学歴(最大30点)※
大学卒業以上の学歴がある場合、以下のポイントが付与されます。
- 大学卒業(学士)…10点
- 大学院修士課程修了…20点
- 大学院博士課程修了…30点
📌 ポイントの重複不可:最終学歴に関して得点が付与される仕組みです。例えば、修士課程を修了している場合には20点であり、「学士(10点)+修士(20点)=30点」とすることはできません。
📑 証明方法:卒業証書の写しまたは卒業証明書を提出
※複数の分野で修士以上の学位を取得している場合、追加で5点が付与されます。ただし、該当するケースは極めてまれなため、詳細な説明は割愛します。
② 職歴(最大20点)
従事する職務の経験年数に応じてポイントが付与されます。
- 3年以上…5点
- 5年以上…10点
- 7年以上…15点
- 10年以上…20点
📑 証明方法:通常、職歴の証明には在職証明書を提出。過去に勤務した会社の証明も必要となるため、転職回数が多い場合は証明の取得が難しいケースも。
③ 年収(最大40点)
年齢が若く、年収が高いほど高得点を取得できます。
- 400万円以上500万円未満…10点
- 500万円以上600万円未満…15点
- 600万円以上700万円未満…20点
- 700万円以上800万円未満…25点
- 800万円以上900万円未満…30点
- 900万円以上1,000万円未満…35点
- 1,000万円以上…40点
📍 高度専門職ビザの申請における「年収」は、過去の実績ではなく見込み年収が基準となります。
年収のポイント加算には年齢による最低基準があり、以下の条件を満たしていない場合、ポイントが付与されません。
- 30歳以上:年収 500万円以上
- 35歳以上:年収 600万円以上
- 40歳以上:年収 800万円以上
また、年収が300万円未満の場合、高度人材として認められず、ポイント計算制度の対象外となるため注意が必要です。
📑 証明方法:年収見込雇用契約書や給与金額の記載がある内定通知書、場合によって年収見込み証明書などを提出
高度人材ポイント計算における「年収」は、一般的な年収の考え方とはやや異なります。詳しくは、下記のリンク先をご確認ください。
🔗 関連記事:➡高度専門職ビザの年収条件とは?年収に含まれる項目を解説
④ 年齢(最大15点)
若いほどポイントが高く、40歳以上は得点はありません。
- 35歳から39歳…5点
- 30歳から34歳…10点
- 30歳未満…15点
📑 証明方法:特に証明書は不要
⑤ 研究実績(最大15点)
主に研究職の方が対象となります。該当者は非常に限られるため、詳細な説明は割愛します。
⑥ 日本の国家資格(最大10点)
業務に関連する日本の国家資格を取得している場合、1つなら5点、複数なら10点が付与されます。
対象資格の例
- 弁護士、医師、公認会計士、教育職員免許 などの業務独占資格
- 一部のIT関連資格(高度情報処理技術者試験など)
📍 仕事に関連するIT資格を持っている場合にも得点が付与される場合があります。
📑 証明方法:資格の合格証の写しを提出
どのような資格がポイント加算の対象になるかについては、下記のリンク先をご覧ください。
🔗 関連記事:➡ 高度専門職ビザのポイント加算に使える国家資格とは?対象と注意点を解説
⑦ 契約機関(成長分野の先端事業)
一般的な企業にお勤めの場合、この項目は対象外となります。
このポイントは、勤務先の企業が将来的に成長が期待される先端事業を行っている場合に加算されます。
対象となる事業の例
- 人工知能(AI)やIoT関連の研究開発
- サイバーセキュリティ関連技術
- 医療研究開発
- 宇宙開発事業
特に、「イノベーション促進支援措置」を通じて国から補助金を受けている企業が該当します。
📍 この証明はやや難しいケースもあるため、ポイントがわずかに不足している場合の追加加点として検討するとよいでしょう
📑 証明方法:補助金交付決定通知書のコピーを提出
⑧ 外国の国家資格など法務大臣が認めるものを保有(5点)
申請者が従事する業務に直接関連し、法務大臣が認めた外国の国家資格を保有している場合も、ポイント加算の対象になります。
📑 証明方法:資格の合格証の写し または 資格証明書の写し。和訳を添付することが必要。
具体的な資格の一覧や詳細については、法務省の公式ウェブサイトや最新の告示をご確認ください。
⑨ 日本の大学卒業または大学院修了(10点)
「日本の大学卒業者」に対する特別加算項目であり、「学歴」の項目とは別枠で加算されます。
例:修士課程修了(20点)+日本の大学卒業(10点)=30点
📑 証明方法:卒業証書の写しまたは卒業証明書を提出(学歴の証明と同じ)
⑩ 日本語能力(最大15点)
- 日本語能力試験(JLPT)N1取得…15点
- 海外の大学で日本語を専攻…15点
- 日本語能力試験(JLPT)N2取得…10点
📍 日本の大学を卒業している場合、N2の評価を取得していてもポイントは付与されません。
📑 証明方法:日本語能力試験合格証の写しを提出
⑪ 各省庁が関与する成長分野の先端プロジェクトに従事(10点)
この項目は、申請者が「国の成長戦略に関連する先端プロジェクト」に直接関与している場合に加点されるものです。
前述の「契約機関」の項目では、「勤務先の会社が公益性の高い事業を行っていること」が評価の対象でしたが、この項目では申請者本人がそのプロジェクトに携わっていることが求められます。
📍この項目の加点は、勤務先の事業内容による「契約機関」の加点とは別枠で評価されます。
(例)
- 契約機関が成長分野の事業を実施(10点)
- 申請者が直接そのプロジェクトに従事(10点)
🟢 合計:20点
📑 証明方法:勤務先の作成した申請者本人がそのプロジェクトに従事していることを証明する書類(業務内容説明書など)
⑫ 世界大学ランキングにランクインしている大学を卒業
卒業した大学が日本の大学の場合、以下のいずれかの世界大学ランキングにランクインしていれば、10点が付与されます。
- QS・ワールド・ユニバーシティ・ランキングス(Quacquarelli Symonds社公表)
- THE・ワールド・ユニバーシティ・ランキングス(Times Higher Education社公表)
- アカデミック・ランキング・オブ・ワールド・ユニバーシティーズ(上海ランキング・コンサルタンシー公表)
当事務所では、最も検索しやすい「QS・ワールド・ユニバーシティ・ランキングス」から調査することを推奨しています。
📍 卒業した大学が海外の大学の場合、上記3つのランキングのうち2つ以上で300位以内にランクインしていることが条件となります。
そのため、日本の大学と比べて、この項目で得点を獲得するのは難しくなります。
📑 証明方法:卒業証書の写し または 卒業証明書(学歴の証明と同じ)
対象大学や最新のランキング情報については、各ランキングの公式サイトでご確認ください。
⑬ 外務省が実施するイノベ-ティブ・アジア事業の一環としてJICAが実施する研修を修了したこと
イノベーティブ・アジア事業は、アジアのトップレベルの大学(パートナー校)に在籍する学生を対象に、日本の大学院への留学や日本企業でのインターンシップの機会を提供するプログラムです。
この事業では、特に情報技術(IT)、IoT、AI(人工知能)などの理系分野に従事する方を対象としています。
この事業の一環として、JICA(国際協力機構)が実施する研修を修了した方は、ポイント加算の対象となります。
📑 証明方法:JICAが発行する研修修了証の写し
対象となるパートナー校や詳細な要件については、JICAの公式サイトで最新情報をご確認ください。
⑭ 投資運用業等に係る業務に従事している
金融商品取引法に規定されるファンドの有価証券販売・勧誘、投資の助言・代理業、投資運用業に従事する方は、ポイント加算の対象となります。
📑 証明方法:会社が金融商品取引業として登録されていることを証明する「登録通知書」と申請者本人が業務に直接関与していることを証明する「活動内容明書」(勤務先で作成)
金融商品取引業の登録状況や詳細な要件については、最新の法令や関係機関の情報を確認してください。
【ポイント計算に自信がない方へ】
高度人材ポイント制度は、70点が許可の分かれ目となりますが、加算条件や計算ルールは複雑です。当事務所では、資格・経歴・年収をもとに達成可否を確認し、不足分をどのように加算できるかをご案内します。
💡 初回相談無料(メール1–2往復/オンライン相談30分)|1–2営業日以内に返信
不安な点を整理したい方は、まずは無料相談で現在の状況を確認してみてください。許可の見込みや最適な進め方をわかりやすくご案内します。ご依頼があれば、そのまま申請代行までお任せいただけます。
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📖 よくある質問(FAQ)とその回答
高度人材ポイント制度とはどのような仕組みですか?
学歴・職務経験・年収・研究実績・日本語能力などを点数化し、70点以上で高度専門職ビザの取得が可能になる制度です。一定の点数を満たすことで、永住許可の期間短縮などの優遇措置も受けられます。
ポイントはどのように計算されますか?
学歴や職歴、収入、研究実績などの項目ごとに配点が決められており、それらを合算して算出します。ただし、ポイントの根拠を裏付ける証明書類を提出できなければ、加点は認められません。
70点に満たない場合でも申請できますか?
原則としてできません。窓口で受理される場合もありますが、審査で不許可となります。申請前に加点対象となる資格や実績を確認し、不足分を補う対策が必要です。
日本語能力はポイントに含まれますか?
はい。日本語能力試験(JLPT)の合格証明や、学歴による日本語習得の実績などが加点対象となります。N1に合格していると加点幅が大きくなります。
永住許可にはどのくらいの期間が必要ですか?
高度人材ポイント制度で70点を満たした場合は3年、80点以上であれば1年で永住許可の申請資格を得られます。ただし、収入や納税状況など他の要件も満たす必要があります。
最後に――ポイント制度で必要点数を満たせるか、不安はありませんか?
高度専門職ビザの申請では、高度人材ポイント制度による点数計算が許可・不許可を左右します。自己計算の誤りや加算対象の見落とし、証明資料の不備があると、本来の点数を獲得できず不許可になる可能性があります。
✅ 自分のポイントが正しく何点になるのか確認したい
✅ 加算対象の資格や経歴を見落としていないか不安
✅ 忙しくて申請書類や証明資料の準備に時間をかけられない
このようなお悩みがある方は、お問い合わせ(初回相談無料)をご利用ください。個別事情に合わせて取得できるポイントを簡易的に計算し、許可の可能性と今後の手続きの流れを丁寧にご案内します。
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