在留カード等読取アプリケーションをわかりやすく解説|外国人雇用企業のための実務ガイド

外国人を雇用する企業にとって、在留カードの真正性確認は法的責任を伴う重要な業務です。以前は目視だけでは偽造カードや失効カードを見抜けないケースもあり、コンプライアンス上のリスクが指摘されてきました。

出入国在留管理庁WEBサイトより
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こうした状況に対応するため、法務省は在留カード等読取アプリケーションの機能強化を継続しており、近年はバージョンアップの頻度も高まっています。特に2025年11月14日に配信された最新版では、企業側の実務に直結する大幅なアップデートが行われました。

そこで本記事では、外国人雇用を担当している企業の採用担当者の方に向けて、在留カード等読取アプリケーションを企業が使用すべき理由、最新版の主な変更点、導入時の注意点、自社でスムーズに運用するための読取手順について詳しく解説します。

なお、就労ビザでは、取得条件や就労可能範囲を誤解している方が少なくなく、誤った判断が不許可や大幅な審査の遅延につながるケースも見られます。また、入管への問い合わせは電話がつながりにくく、申請当日は長時間待たされることもあります。
調べものや手続きにかかる時間と労力を考えると、安心して進めるためには、専門家のサポートを受けることも有効な選択肢の一つです。

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在留カード等読取アプリケーションとは?企業が使用すべき理由

在留カード等読取アプリケーション(在留カードリーダー)は、法務省が提供する公式ツールで、在留カードのICチップに記録された情報を読み取り、カードが正規に発行されたものかどうかを確認できるソフトウェアです。
外国人を雇用する企業には、採用前に在留資格の種類・就労可否・在留期間などを正しく確認する義務があり、確認不足のまま雇用すると、不法就労を助長したものとして企業側が罰則の対象となる可能性があります。

近年は偽造在留カードの精度が高くなり、外観だけの目視では真偽を判別することが難しくなっています。そのため、ICチップの情報を直接読み取って照合できるこのアプリは、正しい本人確認と不法就労リスクの回避に大きく役立ちます。
採用時のチェック体制を強化し、コンプライアンスを確保するためにも、企業はこの公式アプリを活用することが重要です。

📌アプリの最新版バージョンアップ概要(2025年11月14日反映)

2025年11月14日に公開された最新版では、企業が在留カードを確認する際の精度と安全性を高めるための重要なアップデートが行われました。最大の変更点は、在留カード等番号の失効情報を即時照会できる機能が追加されたことです。これにより、ICチップを読み取った直後に、そのカードが「現在有効か」「失効・取消処分を受けていないか」をその場で確認でき、失効カードを誤って受け入れるリスクが大幅に減りました。

従来、在留カード等読取アプリで確認できたのは、カード券面の記載内容とICチップ内のデータが一致しているかどうかという点でした。
具体的には、氏名、生年月日、国籍・地域、在留資格、在留期間、在留カード番号などが正しく一致しているかを照合し、偽造カードや書き換えカードを見抜くための機能です。これまではこの“真正性の確認”が中心であり、カードの有効・無効自体は別途照会しなければなりませんでした。

今回のバージョンアップでは、偽造防止(ICチップ照合)と有効性確認(失効情報照会)が同じアプリ内で完結できるようになり、企業の確認作業は格段に効率化されました。これにより、採用時の判断がより正確になり、確認作業の証跡管理もしやすくなっています。

外国人雇用では、誤った確認によって不法就労助長罪に問われるリスクもあるため、企業は常に最新バージョンを使用することが不可欠です。
在留資格確認義務を確実に果たすためにも、最新版アプリの導入と適切な運用体制の整備が求められています。

🔗 外部リンク:出入力在留管理局WEBサイト・在留カード等読取アプリケーション サポートページ

 ー注意 ー
AIやGoogle検索、自動翻訳を含むネット上の情報は、古い内容や不正確な記載、表現の違いによって誤解が生じる場合があります。
必ず最新の公式情報を確認し、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることが大切です。

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必要な準備:パソコン環境・カードリーダー・利用可能OS

(1) 導入環境

パソコン(PC)で利用する場合

  • Windows 10(ARM/x64/x86 に対応)
  • Windows 11(ARM/x64 に対応)
  • macOS 13 以降
    ※Appleシリコン(M1以降)搭載モデルに対応

PCで利用する場合は、非接触型(NFC)ICカードリーダーライターを用意する必要があります。在留カードのICチップを読み取るためには、拡張APDUに対応した機種であることが必須条件となるため、購入前にメーカーが公開している対応表を必ず確認してください。
なお、交通系NFC(Suica・PASMOなど)は基本APDUのみで動作しており、拡張APDUに対応していない製品が多く見られます。
このため、在留カードの読み取りには非対応であるリーダーが多い点にご注意ください。

スマートフォンで利用する場合

  • Android 12.0 以降
  • iOS 16.0 以降

(2) 読取手順

1️⃣ アプリの準備

PCの場合

  • 法務省サイトからアプリをダウンロードしてインストール
  • 非接触型ICカードリーダーライター(拡張APDU対応)を接続

スマホの場合

  • App Store/Google Play からアプリをインストール
  • 端末のNFC機能をオンにする

2️⃣ 在留カードの読み取り(ICチップ情報の取得)

在留カードを

  • PCの場合:ICカードリーダーの読み取り部分にかざす
  • スマホの場合端末のNFCアンテナ部分にかざす

と、アプリ上にICチップから取得した情報(氏名・在留資格・在留期間・在留カード番号など)が表示されます。

表示された情報がカード表面の記載(氏名・在留資格・在留期間など)と一致しているか、また顔写真が本人と一致しているかを確認します。不一致がある場合は、偽造や書き換えの可能性があるため、採用手続を進めず入管などの関係機関へ相談してください。

そのうえで、読み取った「在留資格」と実際に担当させる予定の業務内容が適合しているかを必ず照合します。在留資格で認められていない業務を行わせることは就労不可となります。

(例:技術・人文知識・国際業務で飲食店のホール業務 → 不可)

3️⃣ 失効・取消情報を照会する(最新版の新機能)

在留カード等結果表示画面で「在留カード等番号の有効性を確認します」ボタンをクリック(またはタップ)し、失効情報照会表示画面に進みます。ここで、その在留カード等番号が「有効」「失効」「取消」のいずれに該当するかを、その場で確認できます。

4️⃣ 記録の保存(社内コンプライアンス用)

アプリは、読み取った情報を端末やクラウドに保存することはありません。
読み取った内容は、アプリの画面上に一時的に表示されるだけです。

ただし、社内管理や監査対応を円滑にするために、必要に応じて次のような記録を残しておくことをおすすめします。

  • 読み取り結果のスクリーンショットを保存する
  • 誰が・いつ・どの在留カードを確認したのかを記録しておく

なお、読み取った在留カード情報はマイナンバー(個人番号)と同様の「特定個人情報」に該当します。
そのため、

  • 情報を必要以上に保存しない
  • 取扱担当者を限定する
  • アクセス権限を設定する
  • 情報漏えい対策(暗号化・保管場所の管理など)を徹底する

といった措置が不可欠です。

在留カード情報を適切に取り扱うことは、企業のコンプライアンス上きわめて重要です。

⚠️【よくあるエラーと対処法:読み取れない時の原因】

企業様から寄せられるご相談の中には、次のようなトラブル事例が見受けられます。

  • 「ICチップを読み取れない」
  • 「エラーコードが出て先に進まない」
  • 「NFCリーダーが反応しない」

これらの多くは、次のような原因によって発生します。

  • アプリのバージョンが古い
  • 使用しているカードリーダーがNFC(非接触IC)に対応していない
  • 在留カード自体が破損・汚損している
  • PCのUSB給電が不足しており、カードリーダーが正常に動作していない
  • ICカードリーダーのドライバが最新ではない

このような点を確認することで、読み取り不良の多くは解消できます。

📖よくある質問(FAQ)

読取アプリを使わず、目視だけで確認しても問題ありませんか?

目視だけでの確認は不可能ではありませんが、推奨されません。近年は偽造在留カードの精度が高く、表面だけでは真偽を見抜けないケースが増えています。券面が本物に見えても、ICチップの情報が書き換えられていたり、失効・取消されたカードをそのまま保持している可能性もあります。

読取アプリを使用すれば、

  • ICチップの内容と券面の一致確認(偽造防止)
  • 失効情報の照会(有効性確認)
    が行えるため、より正確で安全性の高いチェックが可能です。

企業が法的リスクを避けるためにも、目視のみではなく、読取アプリの利用を併用することが重要です。

スマホでも読み取れますか?

スマートフォンでも読み取りは可能です。
Android端末はNFC機能を使って比較的スムーズに読み取ることができます。
一方、iPhoneにつきましては、NFC仕様や機種・OSバージョン・対応アプリによって利用可否が異なりますため、在留カードのICチップ読み取りにおいては動作確認が十分でない機種もあるようです。

読み取ったデータは保存する必要がありますか?

保存は必須ではありません。ただし、企業のコンプライアンスや監査対応を考えると、社内ルールを定めて適切に管理することが望ましいです。読み取り結果のスクリーンショットや確認記録を残す場合は、個人情報保護の観点から、保存期間・アクセス権限・保管方法を明確にして運用するようにしましょう。

在留カードの有効性確認(失効照会)は、毎回行う必要がありますか?

在留カード番号の有効性確認は、採用時に必ず1回は実施することが望ましいとされています。
在留期間更新後にカードが新しくなった場合や、長期雇用中に更新があった場合は、その都度確認することで不法就労リスクを避けることができます。特に、カードの更新や再交付があったタイミングでは、再確認を行うことが重要です。

最後に――外国人雇用に関わるご担当者様へ

在留カード等読取アプリケーションは、外国人雇用における「在留資格確認」の重要な手段です。しかし、アプリだけでは在留カードの真偽や在留期間は確認できても「実際に雇用可能かどうか」までは判断できません。

✅ 採用予定者がビザ要件を満たしているか判断できない
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